ICOの半数は”資金調達に失敗”

「詐欺だらけ」と言われるICOだが…

「詐欺だらけ」と言われるICOだが…

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)と聞くと、多くの人が真っ先に思い浮かぶのは「詐欺」「損した」という言葉かもしれません。

優秀なプロダクトやサービスをローンチするICOもありますが、80%~90%は詐欺ともいわれています。

これまでも、本サイトではそのダークな側面について何度かお伝えしてきました。

しかし、ICOを行う側も、実は失敗しているのです。金融市場に特化したコンサル企業の英GreySpark社のリサーチにより、「ICOはいいことばかりではない」実態が明らかになりました。

つまり、入り口で資金調達に失敗したICOが半数近くに上るということです。

すべてが詐欺だらけ、とは言い切れないでしょう。

中にはまじめにプロダクトやサービスをローンチする可能性を秘めたものもあったかもしれません。

成功しているICOは40%

その一方、成功しているICOも40%存在します。

40%のICOを行った企業が、100万ドル(1億1111万円)を超える資金調達に成功した

ただ、ICOにとっては資金調達”後”にも困難が付きまとうことになります。

資金調達に成功した=プロジェクトが成功したわけではないからです(詐欺案件なら「資金調達完了=プロジェクト成功」になりますが)

前述のGreySpark社は、さらに、6週間という期間ごとに、ICOからどれほどの利益が得られるかを算出。
その結果、次の”残念な結果”がわかりました。

時間の経過に伴い、ICOから利益を得る可能性が、低くなっていく
このグラフの左側は、ICOを行った全プロジェクトに関する数字ですが、ICO実施後、1週間から6週間の間に利益をあげることのできたプロジェクトの割合が示されています
(左側から1週間目>6週間目)ICO実施から週数を経るにつれ、利益を出しているプロジェクトの割合が減少しています。

投資家側は「時間がたつごとに利益が増えていく」

ただし、困難なのはICOを行う側の話。
投資家側はちょっと事情が異なります。

上記のグラフを再度ご覧ください。

グラフの右側は、資金調達に成功したICOに限った1週間ごとの平均利益率
ICOの一般向けのクラウドセール終了後、6週間目に最も高い利益率が提供される
成功しているICOから得られる利益は時間の経過とともに増加する傾向がある

実際にICO”投資側”については82%のリターンを得ているという研究結果も▼

ICOの先行きの見通しは困難な現実とその理由とは

つまり、ICOで資金調達する側はプロジェクトの進行と資金繰りなどの先行きがきちんと見通せていないことになります。
計画を立てようにも難しいのかもしれません。

GraySpark社はこの理由を次のように分析しています。

・牽引力の欠如
・期待外れの開発進捗状況
・詐欺
・実行の難しさ
・未成熟な市場
・貧弱なマーケティングまたは市場参入戦略

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鈴木まゆ子 / 2195 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。