富裕層の国外流出最多トップ3は「仮想通貨の話題が何かと多い国」

モーリシャスに本社を置くAfrAsia Bankが、「New World Wealth」のデータに基づいて作成した「富裕層が多く流出した国・地域(2017年)」を明らかにしました。
本データは、移民専門家やウェルスマネジャー、ファイナンシャルアドバイザー、様々な統計などの情報を収集したもの。

これにより、どの国から富がもっとも流出しているのかがわかるのですが、意外な共通点が浮かび上がりました。

富裕層の国外流出ランキングは次の通り▼

9位 ベネズエラ 1000人
9位 ナイジェリア 1000人
9位 サウジアラビア 1000人
7位 ブラジル 2000人
7位 インドネシア 2000人
6位 ロシア 3000人
4位 フランス 4000人
4位 英国 4000人
3位 トルコ 6000人
2位 インド 7000人
1位 中国 1万人

トップ3には、中国、インド、トルコ。

この3つの国を眺めていると、仮想通貨に関するある共通点が浮かび上がります。

それはいずれも「仮想通貨への規制が厳しい国」であること。

さらに、これらの3つの国では、いずれも独裁色が強い政権が与党となっています。

富裕層の国外流出1位「中国」

中国では「ブロックチェーンOK、仮想通貨とICOはNO」。
もはや仮想通貨界隈で知らない人はいないでしょう。

昨年の国内でのICO禁止と仮想通貨への規制強化に加え、最近はアリペイやウィーチャットによる仮想通貨購入を制限、さらに国内での仮想通貨関連イベントの禁止も行うようになりました。

また、同国は、習近平国家主席の”独裁色”が強まっていることで知られています。

今年3月、中国の全国人民代表大会(日本の国会に相当)は、国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正を承認しました。
これにより、習氏が終身、国家主席に就任することが可能となったのです。

習氏は2013年に国家主席に就任して以来、自身への権力の集中を行ってきました。
その結果、アジアでの中国の地位を固めたのですが、反面、市民生活の自由の制限や、検閲・監視の強化も行ってきたのです。

加えて、最近になり、トランプ政権のアメリカとの米中貿易戦争が勃発。
これに不安を感じた香港市民は、仮想通貨に着目するようになりました。

富裕層の国外流出2位「インド」

インドもまた、仮想通貨への規制が厳しいことで知られています。
今年の夏以降、インドの中央銀行にあたるインド準備銀行(RBI)により、銀行と個人・企業の間で仮想通貨関連取引を行うことが一切できなくなりました。

「仮想通貨をコモディティとして扱ってはどうか」といった案が政府から出されているようですが、当分、現状は変わらないようです。

なお、インドでは、この禁止を受け、仮想通貨の相対取引(OTC取引)が増加している模様。

日本には、なかなかインドの政治に関する情報は入ってきません。

しかし、インドの経済成長を支えたモディ政権も、野党からは「独裁だ」として批判がなされています。

これは昨年12月の記事ですが、▼

11月2日付の英エコノミスト誌が「モディの憂鬱:首相は実質よりもスタンド・プレーに焦点を当てすぎている」との論説を掲げ、インドの政治状況に懸念を表明しています。
BJPは勝ちそうであるが、モディは輝きを失いつつある。政府支持率は通常上下するが、最近のモディの不人気は彼が実質より見かけにこだわるところからきている。
政治的には絶え間ない選挙活動はモディのためになった。BJPとその仲間がインドの29州の18を支配している。

与党であるBJPの独裁も問題となっていますが、モディ自身のスタンドプレーもまた問題視されています。

モディは権威主義的であり、国家安全保障や経済などの重大な問題について彼の閣僚と協議していない。

Modi is so authoritarian that he does not consult his ministers on matters of grave importance such as national security and the economy.

モディは、選挙運動にだけ集中せず、国を運営する能力を示さなければならない。遅かれ早かれ、有権者はスタンド・プレーに飽きる。

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鈴木まゆ子 / 1046 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。