EUでICO規制の議論が進む

先日7-8日、EUの財務相会合がオーストリア・ウィーンで開かれました。
このとき、仮想通貨規制などが議論されましたが、同時に議題に持ち上がったのが「ICO」であるようです。

今年に入ってからEUでは、ICO規制をどうするのかという議論があちこちで起きています。

8月、ICO規制草案提出

8月10日、欧州議会の経済金融問題委員会により、ICO規制の草案が公表されました。
これによれば、ICOをクラウドファンディングのひとつとして規制することを検討している様子がうかがえます。

本草案では、ICOの有用性を次のように記述しています。

ICOが「テック系スタートアップ企業にとっての優れた資金調達の流れ」を表すものである
クラウドファンディングのサービスプロバイダーが、そのプラットフォームを通じて特定の仮想通貨による資金調達を行うことは許されなくてはならない。

さらに、この新たな資金調達手段が健全に発展するために規制は必要とも。

新たな枠組みは「自分たちがこの規制要件を満たす適法なものであることを証明したいICO」にとっての「チャンス」を提供するものだ

ただ、その一方、ICOが抱えるリスクについても言及▼

投資家にとって影響力のある市場となり、不正やサイバーセキュリティのリスクを生み出してもいる。

規制対象となるICOは約10億円超規模

ただし、すべてのICOが規制対象と考えられているわけではありません。
次のICOは規制対象外となるようです。

「私募」と見なされるICOやカウンターパーティーを使用するICO、あるいは800万ユーロ(約10億円)を超えて資金調達しようとするICO

この規制対象外も、既存のクラウドファンディング規制にのっとっており、

800万ユーロは「欧州議会・理事会規則2017/1129第3条により、EU加盟国が有価証券の公募にあたり目論見書の交付義務を免除される上限額」である。

EUが見るICOのリスクとは

議論が沸き起こるのはもちろんICOのメリットデメリットがあるからです。
では、EUはICOのデメリットについてどのようにみているのでしょうか。

・規制が不十分である

現状、イギリスの法律ではICO自体は規制されておらず、その多くは海外に拠点がある。
・投資家の保護が皆無

ICOに投資した人は、 金融サービス保証スキーム(the Financial Services Compensation Scheme)、もしくはファイナンシャルオンブズマンサービス(the Financial Ombudsman Service) などの金融サービスに対する申し立て制度を使用することができない。
・価格が不安定

暗号通貨全般と同じくICOのトークンの価値は大変不安定である。
・潜在的な詐欺

投資家から集められた資金が詐欺に使用される可能性がある。
・文書が不十分

規制されている商品と異なりICOは、通常ホワイトペーパーしか請求しない。ホワイトペーパーは、十分なバランスが取れていない場合があり、 内容が不十分だったり、不正確な情報が記載されていることがある。 トークンの仕組みを完全に理解するには、十分に洗練された技術的な理解が重要である。

・初期のステージのプロジェクトが多い

ICOを発行するプロジェクトのほとんどは投資の初期段階であり、実験的なものが少なくない。 従って投資家はすべての資金を失う可能性がある。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 10132 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。