独自仮想通貨ペトロ___現状は「誰も信じていない」

マドゥロ大統領の威勢のいい触れ込み、そしてプレセールが行われた(らしい)ベネズエラ独自仮想通貨ペトロ。
デノミ後の新しい法定通貨として登場したボリバル・ソベラノと連動し、裏付け資産は埋蔵石油であるとされています。

しかし、そのペトロに一体、誰が信用しているというのでしょうか。

国民の誰一人としてそのペトロを使ったことがなく、誰も実態を確認していないのです。

▼ベネズエラ、そして独自仮想通貨ペトロのこれまで▼

ロイター調査「ペトロの存在を確認できた形跡”なし”」

そして、次の事実が明らかになっています。

ロイター通信の調査によると、大統領の主張を裏付ける証拠は一切見つからず、ペトロは実際に使える暗号通貨ですらないことが分かった

ロイターは次のような調査を行ったとのこと▼

暗号通貨や油田査定の専門家と4カ月間にわたる調査を実施
ベネズエラの石油備蓄用地を訪ねたり、ブロックチェーン取引を分析したりした

その結果▼

ペトロを販売する取引所は1カ所も無く、ペトロを使用可能な店も無かった
ペトロを扱うとされていたネム(NEM)のブロックチェーン上でも、ペトロが発行されたことを示す記録は無かった

現政府の大臣も「ペトロはまだ誰も使えない」

この事実はペトロ・プロジェクトに携わるウグベル・ロア大臣も認めています。

「誰もまだペトロを使用できる人はいませんし、何らかのリソースを受け取った人もいません」
ベネズエラはまだ独自のブロックチェーン技術を開発中
ペトロの購入者は、暗号通貨を受け取る代わりに、将来の暗号通貨を予約した状態になっている

そうなると、マドゥロ大統領のこれまでの発言と矛盾することになります。
プレセールすら行えないのでは?

というより、購入した人はいるのでしょうか。
いたとしてもジョークとして購入したレベルではないかと思われますが。

ペトロ裏付けの埋蔵石油にアクセスするには200億ドル必要

さらに、ペトロの信頼を得るため、大統領は「自国の埋蔵石油が裏付けだ」としています。

政府が53億バレルを保有し、380平方キロメートルもある埋蔵された石油が独自仮想通貨ペトロの裏付けだと主張しているのです。

「この裏付けも実は怪しい」とロイターは指摘しています。

ベネズエラ政府が保有している石油へのアクセスで遠隔地を開発するためには、インフラへの巨額の投資が必要

huge investments in infrastructure will be needed to develop the remote area to access any oil it may hold

ベネズエラ政府は現在の状態でそれを実現する立場にない。

the Venezuelan government is in no position to deliver on that in its current state.

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 10343 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。