”仮想通貨市場の流動性向上や安定化には機関投資家が欠かせない”


個人投資家の市場から、そろそろ機関投資家の市場に移ろうかというフェーズにあるのが今の仮想通貨市場です。

その機関投資家の参入を期待して、さまざまなサービスや対策がなされています。

それは、現在申請中のビットコインETFであったり、またCoinbaseなどが開始したカストディサービスであったりします。

仮想通貨市場が個人投資家のモノである限り、いつまでたっても金融のメインストリームにはなれません。
金融のメインストリームになれないということは、詐欺や価格操作やマネロンなど魑魅魍魎が跋扈する怪しい市場でしかないということでもあります▼

一方、機関投資家自身も、仮想通貨投資に関心を持ち始めています。

安全な市場とは言い切れないまでも、将来性を感じてはいるのです。

ただ、現実的にはそのほとんどが”調査””開始予定”だけで終わっているのが現状です。
特にウォール街は厳格かつ慎重です。

ビットコインETFの行方はまだわからないにせよ、すでに始まっている仮想通貨のカストディサービス。
コインベースはすでにこのサービスを開始し、あるヘッジファンドから200億円を預かっていると報じられました。

しかしそれでもなぜ機関投資家は食指を動かさないのか。

これについて、Market Hack編集長広瀬隆雄さんは次のように解説しています。

カストディサービスがあればいいというものではない

仮想通貨のカストディー・サービスは、未だ端緒についたばかりで、機関投資家から信頼を獲得していません。

カストディサービスとは、一般的にファンドマネージャーの指示に従って株券を金庫に入れて管理・保管するような”金庫番”的役割をもちます。
日本などでもそうですが、信託銀行などがこのサービスを行っています。

既存の株式や債券などの投資ではカストディサービスは必須です。

仮想通貨の売買の仕組みでは金融のコンプライアンスを遂行できない

ただ、仮想通貨はそのシステム上、カストディサービスを行う上での問題点が発生します。▼

そして、金融ならではの”法律の縛り”が仮想通貨カストディサービスを難しくさせます。

結果、▼

今の仮想通貨のインフラストラクチャ(しくみ、基盤)で、もし機関投資家が受益者から預かったお金で仮想通貨を買うと、ファンドマネージャーの送金アドレスに仮想通貨が振り込まれる

つまり、

プライム・ブローカーの質の問題

また、次のような問題もネックとなります。

投資家はヘッジファンドにお金を預ける場合、「プライム・ブローカーは、どこを起用していますか?」という質問をぶつけるのが普通
プライム・ブローカーとは、株や債券などのトレードを執行するだけでなく、ヘッジファンドに代わって買い付けた株券や現金などを保管する「金庫」の仕事もしているような証券会社を指します。
どんなに腕のいいヘッジファンドの運用担当者がいたとしても、プライム・ブローカーがショボければ、おカネを預ける側としては大いに不安になります。

資産の預かり側であるヘッジファンドが普段活用しているプライム・ブローカーに仮想通貨カストディサービスがあれば問題なしです。

しかし、現時点で行っているところはほとんどありません。
あるとしてもCoinbaseなど数える程度。

そのため、ヘッジファンドは普段のとは別に、カストディサービスを行っている信託銀行なり証券会社なりを探す必要が出てきます。

ただし、その手間は非常に面倒です。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。