ブロックチェーンの効用が最も期待される分野”医療”

金融分野だけでなく、非金融分野でもブロックチェーンの活用が期待されています。
その”非金融分野”のうち、医療ももっともブロックチェーンの効用が期待されているもののひとつです。

既存システムでは、データ管理システムやセキュリティ面において、さまざまな課題を抱えています。

課題の1つ目は、「医療機関ごとにデータの管理方法が異なる」という点▼

のデータは依然として病院、施設ごとに独自の管理システムで管理がされており、医療機関全体での共有には至っていません。
医療先進国である米国のボストン市でさえ26の違う管理システムが使われており、各病院の重要な情報が一部でしか共有できていないのです。

医療において「情報共有」はとても重要です。
なぜなら多種多様な症例に対する様々な処置方法は、誰かの命を救う手立てになる貴重な情報源だから。

しかし、管理方法が異なればアクセスにコストがかかることになります。

「同時共有」かつ「コストがかからない」ことで、ノウハウが地域全体に行き渡ることになり、結果、助からない命が助かることにつながる可能性が出てきます。

紙のカルテから電子カルテになっただけでは不十分なのです。

さらに、▼

情報は医療機関によって管理され、自分の医療情報を手に入れる場合には、わざわざ診療情報提供料を数千円支払わなければならない。

もっと怖いのはこれ▼▼

医療機関の持つデータは、患者の同意を受けたあとは患者の意思に関係なくやりとりされ、ビッグデータとして売られている場合もある。

ビックデータとして今後の医薬や医療機器の向上に使われるだけならまだいいでしょう。
問題は「情報漏洩」や「情報の売買」です。

医療データは風邪や吐き気といった軽いものだけではなく、癌などといった重大なものも含まれます。
情報や患者の社会的立場によっては、世の中に影響を与えるおそれもあります。

そういった「知られたくない」「知られては困る」情報を医療機関あるいは医療機関の内部の人間が故意または過失で漏洩させた場合はどうなるでしょうか?

悪意に利用された場合、口止め料の請求や、ある種の「インサイダー取引」につながりかねないのです。

ブロックチェーンによる医療の情報管理の向上

こういった課題や懸念から、ブロックチェーンにより医療情報の管理がより効率的に行われることへの期待が高まっています。

なぜかというと、「記録」「閲覧」などに関するすべての情報がブロックチェーンに書き込まれるからです▼

ブロックチェーンのブロックに具体的に書き込まれていくのは例えば、「医師Aが患者Bの電子カルテに記入した」「医師Cが患者Dの電子カルテを閲覧した」「患者Eが医療機関Fに自身の電子カルテへのアクセス権限を与えた」といった各種の履歴情報である。
これにより、電子カルテへの不正アクセスを防ぎ、情報へのアクセスや共有が患者の意思に沿う形で行われていることもシステム上で保証できる。

この他、医薬品のトレーサビリティーを強化したり、医療機関への情報請求を伴う保険金支払いプロセスを簡略化したりするような活用法も期待されています。

1.医療機関の管理から患者自身への管理へ

医療情報が標準化され、個人による情報管理が可能なプラットフォームが構築されれば、自分の医療情報を自分で活用するという当然の権利が保障される。
患者が健康だった当時のデータを主治医に渡したり、転院先の医師に転院前の情報を提供したりすることだって可能となる。
病歴を含む患者の個人情報を登録する際には当然、セキュリティの堅牢性が重要視されるだろう。この点、ブロックチェーンならクリアできる。

2.データの相互共有

また、ブロックチェーンを活用することで情報共有が可能となります。
患者のOKをもらえば、すぐにその患者の医療データをチェックすることができます。

今後、遠隔医療が増加していくと見込まれる中、この「同時共有システム」は情報の共有コストを下げる可能性があります。

遠隔地の医師に自分の情報にアクセスしてもらえば、いちいち自分の症状や病歴を最初から説明する手間が省ける。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。