金融庁、17日に新体制へ__仮想通貨規制はどうなる

今月17日、金融庁は発足以来、大規模な組織再編を行いました。長官や各局の局長の交代だけでなく、新たな体制で業務をスタート。

金融危機封じ込めの象徴だった検査局を廃止し、金融行政の司令塔となる総合政策局を新たに設けた。
金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックや横断的なテーマへの対応を担う司令塔となる総合政策局と企画市場局を新設

また、新長官には遠藤俊英氏が就任。「バブル退治」に強い執念を燃やしていたということで知られています。森長官時代の強硬路線が柔軟になるのではないか、という期待がされていますが、▼

「原則は変わりようがない。期待するだけ無駄」と金融庁のある幹部は言う。

仮想通貨界隈では、金融庁のトップ交代で仮想通貨規制の方向がどうなるか、が注目されていました。

森長官時代、仮想通貨規制に関しては、2017年まで「団体の自主規制に任せる」方針であり、基本的には「マネロンさえ防げればいい」というスタンスでした。そのため、仮想通貨投資家がハッキングなどに遭ったとしても、そこで保護の手を差し伸べられることはありませんでした。

しかし、今年1月のコインチェック事件以後、一気に各交換業者に調査に入り、次々と行政処分を下していくほどの厳格路線に変更。
この影響は、仮想通貨価格の低迷となって現れました。
現在は、投資家保護を含めて議論されている模様です。

仮想通貨というイノベーションに関し、育成と規制の両立がいかに難しいかが表に出た2年間だといえます。

遠藤新長官の前途には、森長官が残したさまざまな課題が山積みとなっている。

野田総務相、金融庁に説明求める

一方、野田総務相が仮想通貨関連事業の企画会社のメンバーとともに金融庁に説明を求めたことも注目を集めています。

野田聖子総務相の事務所が今年1月、無登録での仮想通貨交換業の疑いで金融庁から調査を受けていた企画会社の関係者を同席させたうえで、金融庁の担当者を呼び、庁としてのスタンスなどを説明させていた
要請を受けて金融庁の担当者は同月30日に議員会館を訪問し、野田氏の秘書と企画会社の関係者に対し、仮想通貨を発行して資金を集める際の規制についての庁のスタンスなどを説明した

ちなみに、この企画会社は「ガクトコイン」で話題を集めた仮想通貨「SPINDLE」に関係する会社です▼

問題となる「SPINDLE」は、今年5月19日に海外取引所のYobit、HitBTC、Livecoin、BTC-Alphaにそれぞれ一般の仮想通貨取引の対象となる”上場”を果たします(日本人および日本居住者による取引は法的には不可)。
しかしながら、「SPINDLE」の販売においては仮想通貨の取引規制にあたる国内でのSPINDLE販売および募集にあたるため、違法である可能性が高いことはかねてから指摘されてきました

これにつき、世間からは「政治家お得意の”圧力”ではないか」と言われています。金融庁関係者もこれと同じく、▼

「調査に影響はなかったと思うが、大臣の関係者から調査対象会社の同席で説明を求められれば、役人としては圧力だと感じるだろう」
総務大臣という重量級閣僚の重要度を利用して圧力をかけたのではないか

しかし、野田氏はこれを否定。

「圧力にあたらず」野田聖子大臣 金融庁に説明要求(18/07/19) - YouTube

出典:YouTube

「法制度など一般的な説明をしてもらった。行政調査への圧力にはあたらず、何ら問題ない」

ただ、その一方、実は「説明を求める」ではなく「事実上圧力であった」とする情報もあります▼

今回、SPINDLE運営関係者と金融庁担当者との面談に総務大臣の野田聖子氏が秘書を同席させた理由は、この仮想通貨交換業者としての登録が運営元の「B社」または「B社の指定する日本およびマレーシア法人」に対して認められるよう、登録において便宜を求めた模様です
、国内の仮想通貨市場を運営する法人複数に対して「SPINDLEが国内仮想通貨市場での売買が可能になるよう金融庁にも働きかけを求めた」内容であるとされています。

真実のほどは定かではありませんが、一部政治家による圧力があれば、行政がこれを憂慮し、適切に行われるべき規制およびそこにつながる犯罪の抑制や投資家保護などが行われなくなるおそれがあります。

透明性の高い行政が行われることを願ってやみません。

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鈴木まゆ子 / 3426 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。