Coinbase,米国発の「公認仮想通貨取引所」へ

Coinbaseが初めて有価証券に該当するトークンの取り扱いを米SECから認可されました。
これは、証券業などを行う三社をCoinbaseが買収する旨につき、SEC(米国証券取引委員会)とFINRA(金融業規制機構)が認可したことによるものです。

これにより、Coinbaseは米国初の「公認取引所」となったことになります。

なお、買収した企業は▼

・Keystone Capital Corp.
・Venovate Marketplace Inc.
・Digital Wealth LLC.

今回の認可により行えるようになった事業は▼

・ブローカー・ディーラー
・代替取引システム
・登録された投資アドバイザー

なぜ米SECの認可が必要だったのか?

なぜこの手続きを踏んだのか。

それは米SECにおけるデジタルトークンの認識の仕方にあります。

今年3月、米SECは仮想通貨を「証券」とみなし、取引所には証券取引所としての登録を義務付ける方針であることを明らかにしました。

と、いうのも、▼

「オンラインの売買プラットホームの多くが取引所と名乗り、あたかもSECに登録して規制されているかのような誤った印象を与えていることを、SECのスタッフは懸念していた」

こういった誤解を払拭する目的であるのと同時に、仮想通貨の性質から「証券」に該当するのではないかとした米SEC。

しかし、6月にはイーサリアムはその非中央集権的な性質や配当などの約束がないことなどから、「証券に該当しない」という判断を下しています。

また、▼

SECは、オルタナティブ・トレー​​ディング・システム(ATS)としての事業を目指している企業も規制要件の対象となっていると付け加えた

The SEC added that entities aiming to operate as an alternative trading system (ATS) are also subject to regulatory requirements:

仮想通貨のすべてが証券に該当しないとは言い切れません。

実際、先日、新たな仮想通貨をいくつか追加しました▼

これに関し、Coinbaseは次のようにコメントしています▼

取引所はいくつかの新しいコインを追加すると発表したが、これらのコインが有価証券ではないことを100%確信していない

While the exchange announced that it will be adding several new coins, it also pointed out that it isn’t 100% certain that these coins aren’t securities.

となれば、未登録のまま取引所運営するよりも、さっさと取引所として登録をして運営を継続したほうが得策です。

ちなみに、証券取引所として登録すると、いくつかの義務を果たさなくてはならなくなります。

重要な非公開情報、書籍および記録の要件、および財務責任の規則の誤用を防止するための合理的な方針および手順を有するという要件だけでなく、顧客の資金と証券の保護と保管に関する要件を満たさなくてはならない

a host of regulatory requirements, such as the requirement to have reasonable policies and procedures to prevent the misuse of material non-public information, books and records requirements, and financial responsibility rules, including, as applicable, requirements concerning the safeguarding and custody of customer funds and securities.”

取引所としてはコストがかさむことになりますが、投資家に対しては保護への安心感につながり、さらなる裾野の拡大につながる可能性があります。

今後の可能性は

Coinbaseが米SECの認可を取得したことで、事業の拡大などへの期待が高まっています。
もっとも期待が高まっているのがICOです。

なぜかというと、米SECは「ほとんどのICOは証券である」と明言しているから。
しかし、現状では、多くの取引所は「証券ではない」ポイントを列挙して該当性を回避しているのみにとどまっています。

もしここで証券業の認可が下りていれば、該当しているかどうかに労力を割くことなく、堂々とICOを取り扱うことができます。

また、今後のICOの流れはこのように読まれています▼

ICO市場は引き続き好調に推移しており、2017年には120億ドル、さらに2018年には120億ドルに上がると見積もられています。

The ICO market has continued booming, with some estimates putting the amount raised at up to $12 billion in 2017, and even more in 2018.

となれば、一つ一つの証券非該当性を検証するよりも、自ら証券業の認可を取得して扱ったほうが取引所にとってもICOの主体にとっても投資家にとってもメリットが大きいはず。

さらに、詐欺を防ぐことにつながるのならば、米SECの投資家保護という観点にも合致することになります。

【追記】Coinbase、SECによる買収承認を否定

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鈴木まゆ子 / 1214 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。