トルコは「仮想通貨フレンドリー大国」

トルコは世界の中でも有数の仮想通貨の浸透率が高い国として知られています。
ING銀行の欧州、オーストラリア、米国全土での調査によれば、トルコの仮想通貨保有率は25%ともっとも高いのだとか。

2018年6月28日(木)、オランダの金融グループのプレスリリースによれば、デジタル資産に造詣の深いプロともいえる35歳のトルコ人男性は、ベルギーの65歳の女性よりもはるかにデジタル通貨を所有したり使ったりすることが多い、ということを示している。
その調査研究は、暗号通貨のトレンドに巻き込まれるのは、どちらかというと男性で、しかも若い層、25歳から44歳の間で、しかも1人当たりの収入が低い、トルコやルーマニアのような国の人が多いことを、示している。

また、サッカーチームの人材獲得の手段にも仮想通貨が使われている模様▼

トルコ北西部、黒海に面したサカリヤ(Sakarya)にあるアマチュアのサッカークラブHarunustasporは、22歳のオマール・ファルク・キログルー選手の獲得に、仮想通貨を使用した。

若年層が仮想通貨投資に関心を示す、というのはどの国でもよくあることだといえます。

ぱっと見では、「デジタルに強いから」「新しいものへの抵抗感がないから」「リスク許容度が高いから」と理由付けができるかもしれません。

しかし、若年層には若年層ならではの危機感があります。
特に、トルコではその危機感が仮想通貨保有率の高さにつながっている感があります。

政情不安と経済・金融危機にさいなまれるトルコ

トルコは政情不安にさいなまれています。
エルドアン大統領の独裁政権により、国民の自由は徐々に奪われるようになりました。

2013年のデモの際には催涙ガスで国民を攻撃、強制排除。
2014年にはTwitterなどでの言論の自由を制限するようになりました。
さらに、国内のクルド人への弾圧。

軍によるクーデターも発生しましたが、失敗に。

エルドアン大統領の「独裁色」は強さを増していく一方です。

9日に始動した新内閣で娘婿を財務相に任命するなど身内を起用した経済運営に不安が強まっている。

こういった「独裁政権」は、世界の経済や金融からすれば「リスク」として映ります。
人事を「能力」ではなく「身内」で固めていく…といったハイリスクな政治運営になっていくことが影響しています。

事実、トルコのリラの価値は下がり続け、経済は不振な状態に。

通貨リラは今年に入って20%以上急落し、過去最安値を更新。株式市場もここ2年余りで最大の下落幅を記録したほか、国債も売られている。

国の信用を表す国債の評価も切り下げられました▼

格付け会社フィッチ・レーティングスは13日、トルコの長期ソブリン債格付けを「BB+」から「BB」に引き下げた。経常赤字の拡大やインフレ率の上昇、経済政策への信頼感の低下を理由に挙げた。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」。

また、国家の独自仮想通貨を発行する予定でしたが、▼

のちに国をあげた「詐欺」であることが判明▼

発行者がトルコの「国家」仮想通貨だと宣伝していたトルコインが、ポンジ・スキームだと判明した。

このような状況と仮想通貨の保有率の高さが連動しているように思うのは私だけでしょうか。

最近よく言われるのが「仮想通貨は安全資産だ」ということ。

独裁政権というリスクを内包した国の経済や金融は、いつ崩壊するかわかりません。
その危機感を持っているからこそ、若年層の仮想通貨保有率が高くなっているように移ります。

なぜか?

仮想通貨は目に見えない資産であり、国や組織を通さない唯一の決済手段であるからです。

そして、すでに同じ現象を私たちは他の国で見ています▼

同じ現象が日本で起こらない、などとは決して言えません。

累積債務残高が世界一の日本。
金融緩和とマイナス金利で、利率は低くなっている一方、「次の金融危機が来たらもう耐えられない」と言われています。
債務そのものの額が多額であるため、たった1%の利上げであっという間に財政が破綻してしまう可能性があるのです。

それでも、トルコのこの状況は対岸の火事でしかないのでしょうか。

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鈴木まゆ子 / 2712 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。