昨今の仮想通貨の市場復活の議論で出てくるキーワード「機関投資家」

2018年に入り、低迷し続ける仮想通貨市場。
ここ最近、仮想通貨を議論する界隈でキーワードのひとつとなっているのが「機関投資家」という言葉です。

なぜ、仮想通貨の市場で機関投資家の存在が重要になってくるのでしょうか。

投資資金の大半は機関投資家が持っているのだから、法的な枠組みを整備しない限り仮想通貨はメジャーにはなれない
ちまちましたゴミ投資家の間だけで仮想通貨を転がしていても、ジリ貧になるだけ

機関投資家が握っている資金は90兆ドルと言われています。
しかし、仮想通貨市場の全体の価格は3760億ドルしかありません。
つまり、仮想通貨の市場は機関投資家の全資金の239分の1程度の規模しかありません。

市場が極めて小さいということが、実はボラティリティの高さにもつながっています。
ボラティリティが高ければ、支払い手段としての価値を発揮しにくく、またリスクが高いため、市場がなかなか広がりません。

つまり、仮想通貨がより世界に普及していくためには”機関投資家の参入”がカギになるのです。

仮想通貨に投資しているファンは、若者が中心であり、投資に割ける手持ち資金は限られています。つまり既存の投資家層は資金が細いということ。
シニア層が重視する「安心」を仮想通貨交換業者が提供できてないことが大きな障害

機関投資家が参入するための必要な要素

では、機関投資家が仮想通貨市場に参入しやすくするためには何がキーポイントとなるのでしょうか。
機関投資家は、通常、クライアントから資金を預かったうえでそれを運用する形で投資を行います。

ということは、絶対外せないポイントは「信頼性」。
そのため、


・セキュリティの問題
・規制の問題
・投資の「しやすさ」の問題

を解決しなくてはなりません。

そして、解決のために必要な、すでに生じている現象は次になります。

法律の問題(規制の問題)

まず、解決すべきは「規制」の問題です。
証券であれ金であれ、既存のほとんどの投資の市場においては適切な規制がなされています。
詐欺や意図的な市場の価格操作を防止するため、すなわちフェアな投資市場を実現するためです。
また、放置しておけばマネロンの資金運用のきっかけを与えてしまいます。

が、現時点で仮想通貨投資においてはほとんど規制がなされていないに等しい状態です。

法的な枠組みが確立してないうちは機関投資家のおカネは仮想通貨市場には流れ込みません。
今後ICO詐欺が次々に表面化し、社会問題化する
騙し取られたおカネを取り戻すためには、法的措置を講じることが必要になります。その際、そもそも法律が整備されてなければ、法的措置を講ずることすらもできません。

今でも「仮想通貨の投資は自己責任100%だ」として規制不要論が唱えられることがあります。
しかし、人間の心理としては、100%自己責任でだまされてもその救済措置すらないような市場には投資したくないのが現実です。
これは個人投資家だけでなく、機関投資家でも同じこと。いや、よりその心理が強く働くものと思われます。

したがって、KYCの徹底や分別管理の義務付け、定期的な調査や情報開示といった点での規制はどうしても必要になるのです。

仮想通貨ETFの登場

さらに、先日、仮想通貨ETFが話題になりました▼

仮想通貨のETFの登場が騒がれています。
その騒がれぶりは昨年12月のビットコイン先物の登場”以上”です。

なぜか?

その理由は次の通り▼

CBOEへのビットコイン先物上場は、このようにビッグ・イベントには違いないのですが、それでも大部分の機関投資家はまだビットコイン投資には食指を動かさない
その理由は、先物取引には限月(げんげつ)というものがあり、一定の期間が過ぎるとそのコントラクトは取引を終了します。つまり「期限付き」の投資対象なのです
年金や投信などの機関投資家のポートフォリオは、期限付きではない長期保有できる資産を中心に構成されています。だからビットコイン先物は、それらのファンドには不向きなのです。

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鈴木まゆ子 / 1037 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。