韓国の中央銀行、「仮想通貨の金融市場への影響力は”限定的”」

仮想通貨投機への過熱やICOブームなどの懸念を隠さなかった韓国。
一時は規制を強め、国民から政府が批判を浴びることもありました。

しかし、最近は仮想通貨をふくめたブロックチェーンを「第四次産業革命」と位置づけ、容認かつ適正な規制に進む方向にあります。

▼最近の韓国政府の仮想通貨&ブロックチェーンに関する動向▼

そして先日、韓国の中央銀行が「仮想通貨の金融市場への影響力はきわめて限定的である」という見解を公にしました。

伝統的な金融マーケットに仮想通貨市場が与える影響は小さい
株式市場と比較すると、地場金融市場がデジタル資産のリスクに晒される可能性は取るに足らない

仮想通貨ブームのピーク時の残高は「証券残高の”たった8%”」

なぜこのように中銀の見解が変わったのでしょうか。
その背景には、「仮想通貨の金融市場に占める割合が数字として具体的に見えたこと」にあります。

仮想通貨への「投機」といってもいいブーム、そして詐欺が横行しやすいICOの過熱で一時、韓国では政府も中銀も国内経済や金融へのダメージを懸念していました。

それがゆえに一時は規制を強化し、反発を招いたわけですが▼

具体的にデータを精査してみると、仮想通貨のブームがピークとなった2017年末時点の仮想通貨口座残高は証券のそれの8%程度でしかないことが判明▼

国内における仮想通貨への投資額は比較的低く、ピーク時の2017年12月時点でも、国内銀行の所有仮想通貨資産は、約18億ドル(約2,000億円)に過ぎなかった
その額が韓国の証券会社が運用する230億ドル(約2.5兆円)と比較して、わずか8%にしか満たない

ゆえに冒頭のような見解を韓国中銀が示したわけです。

そして現在、仮想通貨の全体の価格はピーク時の70%減にもなっていると言われています。この点を考慮すると、さらに金融市場への影響力は小さいものと思われます。

ただ、その一方、仮想通貨業界関係者からは、「もっと規模はあるはず」というコメントも▼

仮想通貨価格が大幅に下落したことを考えても、現時点でBithumbは、10億ドル(約1,100億円)ほどの所有資産があるのではないか

ただ、そうであったとしても韓国国内の証券市場の運用規模は230億ドル。
仮想通貨は証券市場の4.3%に過ぎず、中銀のデータよりもさらに小さくなります。

こういったことから、仮想通貨市場でたとえ何かがあったとしても、現時点ではそれほどダメージは大きくないと判断できます。

仮想通貨市場の将来性を見出し適正な規制を検討する韓国

ただ、だからといって仮想通貨市場を軽く扱っているわけではありません。
それは本サイトでこれまでお伝えしてきた韓国政府の動向からも表れています。

韓国政府としては、仮想通貨市場は今後成長していく市場だとみなしている模様▼

中銀のデータセットは、昨年末の未曾有の仮想通貨市場の成長、ビットコインが2万ドルまでに達したことを網羅している
中銀の発表と同週に、韓国金融委員会(FSC)は仮想通貨に反対しているのではないとの姿勢を示している
国際的なスタンダードを決定する機関ら、SSBsに多面的に問題を評価させ、その後、グローバルな実施を提案する計画

成長市場である一方、AMLが不可避なテーマでもあるのは事実。
それゆえに、韓国政府は適正な規制を実施していくことに血道を上げています▼

韓国政府は、実名制の口座制度や未成年者の投資禁止などの一連の措置を打ち出しており、市場をより統制して透明にする構えを見せている
キャピタルゲイン(売買差益)税や売上税によって、デジタル通貨取引に課税することも検討

まとめ

韓国と同じ”柔軟姿勢”はEUも同じ▼

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 16159 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。