韓国の大手仮想通貨取引所ビッサムへのハッキング事件の余波続く

先月、約33億円の仮想通貨がハッキングにより盗まれた韓国の大手仮想通貨取引所ビッサム▼

この事件は時間の経過とともに収束しているかのように見えますが、仮想通貨業界”以外”への余波は思いのほか大きい模様です。

韓国の政府機関、仮想通貨取引所への「個人情報管理」について調査を表明

韓国政府の2つの監視機関が合同で、仮想通貨取引所の個人情報の取り扱いを調査すると表明しました。

調査を行うと発表された政府機関は、韓国放送通信委員会(KCC)および韓国インターネット振興院(KISA)の2つです。

この2つの機関が行う調査内容とは▼

ユーザーの個人情報を保護するための技術上・管理上の対策状況
データアクセスのコントロール方法、改ざん防止対策、個人情報の暗号化、マルウェア対策

さらに、▼

両機関は、仮想通貨取引所の運営者とサードパーティープロバイダーによる個人情報の収集、利用、提供および破棄の手順をチェックした後、韓国のデータ保護法に対する違反が見つかった場合には行政処分を下すとしている。

日本では、コインチェックでのNEM流出事件の直後から、一気に金融庁の各仮想通貨取引所への調査が開始。みなし登録業者だけでなく、既存の登録業者にも行政処分が下されることになりました。

加えて、審査が厳格化。現在100社以上が交換業登録にひしめきあっているものの、登録が正式に降りるまでには半年~2年はかかるのではないかと言われています。

韓国でも、今後同じようなことが起こる可能性があります。
規制が整ってくることはよいことですが、bitflyerの新規顧客受付停止のように、一時的に仮想通貨業界にとってマイナスとなる材料が発生しないとも限りません。

韓国の保険会社、ハッキングによる被害について”消極的”

一方、ハッキングによる仮想通貨流出についての補償について、保険会社は消極的な姿勢を見せている模様。

多数の仮想通貨取引所が名を連ねる韓国ブロックチェーン協会では、万が一の損害時の為に保険を導入しています。

当初は、請け負う保険会社にとってもビジネスチャンスになると考えられていました。「リスクあるところに利益あり」ですから。

しかし、相次ぐ韓国での取引所ハッキング事件により、現在、保険会社はこの不安定な業界への参入をためらっています。

以前、韓国ブロックチェーン協会が保険会社に対して行った説明では、安全性のための取り組みが強調されていました。
しかし、韓国最大手の仮想通貨取引所がハッキングの被害にあったことで、我々保険会社は不安を感じています。
仮想通貨のリスクを測る統計もありませんし、このような状況で、Bithumbよりも規模の小さい取引所に、保険会社がサービスを提供することは難しいでしょう。

通常、保険会社がなんらかの保険商品で補償をする場合、自らも別途保険に加入する”再保険”を行います。

が、これはあくまでも再保険を引き受ける保険会社がいてこその話。

保険会社が仮想通貨業界の安全性に不信感を抱く状況で、再保険を担う保険会社を見つけるのは困難を極めるといえます。

その一方で、ユーザーが仮想通貨取引に安全性を求めているのも事実です。
とはいえ、他の金融商品と異なり、バーチャルなデータそのものである仮想通貨は、ハッキングを受ける可能性は比較的高いのです。

仮想通貨取引の安全を補償”したくてもできない”ことで、現在、各取引所はジレンマに陥っているといっていいでしょう。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 9687 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。