2021年、日本の電力不足が深刻化

3・11の際、懸念が一気に高まった「電力不足」。
この後、無事に電気を使った生活が維持できていますが、2021年頃、もしかしたら私たちは節電を今以上に迫られるかもしれません。

電力自由化が、既存の電気供給システムを圧迫しているといわれています。

「容量市場が始まる2024年度を待たずに需給ひっ迫することが現実的な問題として懸念される」。
年間ピーク時の予備率は年度ごとに変化しているが、2021年が深い谷になっており、このとき予備率は8.1%まで下がる。

電力は貯められない財産であるため、需要>供給が許されないビジネスです。
そのため、常に需要より多めに供給しておかなくてはなりません。

各発電所は需要より多めの供給量を常に用意しておかなくてはなりません。
ただ、これと同時に、「採算性が取れる状態」にキープしておく必要も出てきます。


つまり、「稼働率を落としているのに採算性が取れる状態に」という一般企業でも超難しい収益体質を作っておかなくてはならないのです。

そうしないと、市場から「採算性なし」と判断され、休廃業に追い込まれたり、「投資回収ができないから」と新規の発電所建設を突っぱねられる恐れが出てきます。

現行の評価法では合わせて「予備率8%」が安定供給の最低基準と位置づけられている
それでも広域機関が需給ひっ迫を懸念しているのは、「電源の休廃止が加速している実態がある」(広域機関計画部)ためだ。

背景には「電力自由化」

電力の不足懸念の背景には、発電所の休廃止の加速があります。
なぜ休廃止が加速しているのでしょうか。

それは、電力供給システムが旧来と異なり、自由化され、新市場が創設されるようになったためです。

「新電力に顧客を奪われた大手電力の自社需要が減り、経営上の判断から余剰発電所を休止させるケースが年々増えている」
 「再エネが増えて、稼働していない電源は増えている。自社需給に合わせて、休廃止するのは経営上、やむを得ない判断だ」

また、大手と小売りの情報格差も背景にあるのでは、と言われています。

「大手電力と新電力では電源に関する情報に大きな差がある。休廃止の増加が卸電力市場に与える影響や、本当に相対で買い手がつかないのかどうかがわからない。電源に関する情報はもっと開示されるべき」

容量市場(電力供給システムの固定費の一部を小売業者が負担する仕組み)が導入されるのが2024年。
この時期になれば変わるかもしれませんが、それまでの間に電力が不足しては元も子もありません。

電力不足解決のカギの1つ___ブロックチェーンによる需給バランスの調整

こういった事態の解決にブロックチェーンが役に立つかもしれません。

電力サービスの特徴として、(1)需要と供給をリアルタイムでマッチングさせる必要性がある。(2)家庭用などでは取引価格が小さい。(3)再エネ電源、蓄電池や電気自動車(EV)の普及により、供給者と需要者が多数存在する。(4)24時間365日、国民のほとんど全ての人が使うーーなどが挙げられる。
余った電気を売りたいというニーズはあるものの、少額の取引を一件一件、認識し、それを判断して決済する、という一連の取引コストや手間を考ええると、人間がやっていたのでは割が合わない。
貯蔵できないという性質から、「将来余る、将来足りない」という予想のもとで売買(売買予約)が実施される。また、売買単位は30分間のkWhである。例えば、「24日の12:00~12:30における電気、30kWh分売ります」というスレッドを立てるわけである。
それらの取引を機械同士のコミュニケーション、つまり「Machine to Machine(M2M)」で自律的に実施しようという試みが始まった。その時、情報の履歴と決済を行う手段としてブロックチェーン技術がとても有用ということだ。

あらかじめ供給を多めにしておくのは「予測が瞬時に立たないから」。
しかしこの状況が電力会社に無理難題を押し付けていることにもつながっています。

しかし、P2Pで電力の需給バランスをなるべくリアルタイムで把握できれば、無駄に供給する必要がなくなるのです。

ただし、このブロックチェーンの電力取引への活用は、大手や既存企業の事情”だけ”を考慮するものではありません。
あくまでも「電力供給システムの維持」にだけ焦点を置いています。

P2Pでの電力供給システムが加速していくことで、既存の大手電力会社が破綻に追い込まれる可能性もなくはありません。

そこで発生するのは失業や供給システムの安定性といった点ですが、今回は度外視しています。

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鈴木まゆ子 / 3319 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。