金融庁、ブロックチェーンによる実証実験の結果を公表

金融庁、ブロックチェーンによる実証実験の結果を公表

金融庁は先日、Fintech実証実験ハブと名付けられたプロジェクトの支援案件となっているブロックチェーンによる実証実験の結果を明らかにしました。

この実験は、平成29年11月から平成30年3月までの間に繰り返し行われたものです。

目的は「KYCの共同化」

具体的な実験内容は、▼

ブロックチェーンの技術を用いて、KYC(顧客の本人確認手続き)を金融機関共同で実施する為のシステム構築の検討。
(今回参加の金融機関のいずれかでKYC(本人確認)済みの顧客が、他の参加金融期間との間で新規取引をする際には再度KYC(本人確認)を行わない仕組みを検討する)。

この「Fintech実証実験ハブ」と名付けられた実験の目的は、ブロックチェーン技術を用いて、顧客の本人確認手続きを金融機関共同で実施するシステムの構築を検討することにあります。

金融機関において重要項目となっているのがマネーロンダリングなど犯罪の温床となる資金洗浄の阻止。
このため、徹底した本人確認(KYC)が義務付けられているのですが、なりすましや関係者でないことを厳しく確認するにはコストがかかるのも事実です。
また、一つの金融機関での情報を他の金融機関と共有するのにも手間がかかります。

ブロックチェーンを活用すれば、改ざんなどを防ぐだけでなく、情報を同時共有することができるため、コスト削減とさらなる厳格化につなげることが期待できます。

そして、繰り返し実験を行った結果、次のような結論を得ました。

今回の実証実験におけるブロックチェーン技術を活用した本人確認方法は、今回の実験において「要件として定義したレベルの本人確認」に対して技術的には十分に運用可能であることが確認された

ただ、今回の実験で明らかとなった課題もあります▼

実証実験において用いられたコンソーシアムのあり方(担い手や組織等)、コンソーシアムの職員の必要なスキル水準といった事

ブロックチェーンの技術を習得している人材はそう多くありません。また、計算を誰が行う?責任の所在をどうする?という問題もあります。

中央集権型であるがゆえに、POWほどの電気コストはかからないけど、その一方で管理システムに関するコンセンサスは必要です。

なお、今回の実験は証券会社だけでなく、銀行やコンサル会社なども参画。
今後も引き続き実験を行っていくとのことですが、実験段階を終え、実用のフェーズに移ったら、世の中は次のように変わっていくかもしれません▼

金融機関で新たに口座を作る際に都度行なっていたKYC(本人確認)や、引っ越しするたびにそれぞれの金融機関に届けていた住所変更などが「どこかの金融機関で一度行っていればそれだけでOK」といった顧客にとって利便性が高い手続きに変わっていく

新体制になりさらにFinTechを強化する金融庁

17日に新体制となった金融庁。
長官と3局長が交代しただけでなく、新たな内部組織も設けられました▼

金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックへの対応や市場機能の強化を担う企画市場局もつくった

企画市場局が担う業務はおおよそ次の通り▼

金融行政の戦略立案や仮想通貨を含むフィンテック、資金洗浄など横断的な課題への対応
フィンテックの普及に対応した業態横断的な法整備や市場行政の強化

中国やスウェーデン、アメリカに比べ、日本のFinTechはまだまだ未熟です。
現金の偽造防止技術が高いことが影響しているからですが、それ以外の部分でも、この記事で書いたようにKYCが非効率など課題を抱えています。

今後、国境を越えたヒト・モノ・カネの動きがますますスピーディになっていく可能性が高いことを考慮すると、今のままでは日本はフィンテックにおいてガラパゴス化してしまうかもしれません。

金融庁の新体制はその未来に備えたものだといえます。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

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何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
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