世界の富裕層の約55%「仮想通貨に興味あり」

世界40カ国以上にて事業展開を行うコンサルティング企業のCapgeminiは6月19日、アメリカ、ヨーロッパ、アジアにおける富裕層2,600人を対象とした調査「World Wealth Report 2018」を公開しました。

その中で着目すべきは、仮想通貨への富裕層の関心の高さが数字として表れたことにあります。

ラテンアメリカ、日本を除くアジア太平洋地域、ヨーロッパ、北アメリカ、日本、世界の各富裕層の仮想通貨への関心の強さがそのデータの中で表示されました。

2018年第一四半期において、世界中の富裕層の内29.0%が仮想通貨の購入・保有に高い関心を持ち、26.9%がある程度の関心を持っていることから、世界中の富裕層の内、半数以上が仮想通貨への関心を示している

ただ、多くの方がご存知のように、仮想通貨やICOのプロジェクトには詐欺が横行しやすいのも事実。
関心がありながらも「適正なアドバイザー探し」に苦慮している人も少なくないようです。

More than 70 percent of millionaires below the age of 40 believe it’s important they receive information on cryptocurrencies from their primary wealth managers

しかし現実は、▼

Only 35 percent of those surveyed by Capgemini said they had received information about cryptocurrencies from their wealth managers.

そのため、富裕層の資産運用などについてアドバイザリー業務を行う人たちは、仮想通貨に関する知識や運用のノウハウについて学ばなければいけない現実に直面しています。

民間銀行は、商品提供やアドバイスを必ずしも行う必要はないが、仮想通貨に関する世間話などで議題が上がった際に、意見を述べられるよう備えておくべきだ。

さもなくば、次世代の顧客は仮想通貨の話題ができる人に取られてしまいかねない。

日本の仮想通貨市場:富裕層「関心薄」、一般「今後投資しない」

日本では、高い関心を持つ富裕層の比率がデータ内で最下位

これ以外にも、EUや北アメリカの富裕層の関心度合いも若干薄いのだとか。

また、日経マネーが毎年実施する「個人投資家調査」(4月13~30日にインターネット上で実施、1万3137人から回答)では、次の結果が明らかになりました▼

「今後も仮想通貨投資を続けるか」との質問には、回答者の5割近くが「今後は投資しない」とした。

調査を実施した18年4月時点で仮想通貨に投資していたのは17.2%だったとのこと。

そのうち運用成績が分かる人のデータをまとめたところ、ピーク時には投資元本の2~5倍程度まで資産が膨らんだ人が多かったものの、調査時点では6割が含み損を抱えていた模様です。

考え方次第では、「2017年後半あたりから投資して含み損を抱える羽目になった人が6割」となります。

この見方は、次の集計結果からもうかがえます▼

仮想通貨に投資している人の属性を見ると、その半数以上が30代以下で、投資歴は1年未満(26.5%)が最も多い。
金融資産は500万円未満が52.3%(回答者全体では41.1%)と過半を占めた。

背景には「リスク許容度」「ボラティリティの高さ」「高い税率」が影響か

40歳以下の富裕層と60歳以上の富裕層の仮想通貨の情報重要性調査にて50%以上の開きがあることからも、年齢による差が関係している
主に仮想通貨に関心を持っているのは、富裕層の中でも比較的若い層である

日本の仮想通貨への関心の薄さ(というより恐怖心の強さ)は、富裕層を形成している年齢から読み解くとわかりやすいかもしれません。

日本の富裕層のメインは50代以上ですが、仮想通貨の投資層の中心は20~30代です。

また年齢が高くなれば、家族や事業・仕事があるため、ハイリスクな投資には慎重になります。

こういったリスク許容度が仮想通貨投資を左右しているのではないかと思われます。

また、もともと、日本人は「積み立て大好き」「貯金大好き」にみられるように、リスクを低減させる方向に意識が働きます。
一方、いつ増減するかわからない仮想通貨投資はハイリスク。

このあたりもまた、仮想通貨への意欲を妨げる原因なのではないでしょうか。

さらに、日本では仮想通貨には累進課税が適用されるというデメリットもあります▼

ボラティリティの低減や20%分離課税といった環境が整わない限り、日本での仮想通貨投資の拡大は難しいのかもしれませんね。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 13823 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。