南インドの農作物流通網にブロックチェーン活用

南インドのケララ州政府が、農業の流通網などにブロックチェーンを活用することが明らかになりました。

ケララ州のシンクタンク「開発イノベーション戦略評議会(K-DISC)」と提携し、ブロックチェーンとIoT技術を活用してケララ州における乳製品、野菜、魚の供給ネットワークの効率化を目指すとのこと。

供給ネットワークの各構成要素に個別の識別番号を割り当て、識別番号を通じてその供給源、生産、品質、流通をブロックチェーン上でモニターすることができる
農作物の損害に対する保険にも活用

農作物の損害に対する保険にも活用

単に流通経路を透明化するだけではありません。

州の農作物保険制度にもブロックチェーンを用いることを検討しています。
作物の損失を被った農家のために、改ざんできない効率的な保険請求処理と保険金の支払いを確実に行うためです。

ブロックチェーン上の不変のデータが、作物の損失が自然の原因によるものか他の要因によるものかを判断するのに役立つ可能性がある

また、▼

ブロックチェーン技術は、保険会社と保険金受取人の間を取り持つ仲介機関を排除し、第三者代理人の必要性をなくすのにも役立つ可能性がある。

インドの農業流通網の粗悪さは「農家自殺」レベル

なぜ、農業の流通網にブロックチェーンを活用する必要があるのでしょうか?

実は、インドでは現在、農家の自殺が問題化しています。

広大な大地と豊富な水源をもつインドですが、農業は決して効率化されていません。
さらに、不安定な気候や干ばつなどの災害で農作物がダメージを受け、収入が不安定になりやすい環境でもあります。

もともと収入が不安定になりやすいインド農業ですが、これに大きなダメージを与えているのが農業の流通網です。
流通経路にいくつもの仲介業者が入り込むことによって生じる問題に悩まされています。

従前よりインドでは、農家が農産物を販売するためには「マンディ」と呼ばれる農産物販売センターを介する必要がある。
そのため、農家はマンディの通商許可を持つ仲介業者に頼らなければ農産物を販売することができず、農産物の価格設定はそれらの仲介業者によって行われるため、質や量に対して不当な価格が提示されても農家はそれを受け入れざるを得ない。
さらに、生産者から購入者に農産物が渡るまで、ローカルレベルでも2~3の仲介業者が介入し、50~100km離れた都市部への販売にはそれ以上の仲介業者が介入することとなるため、生産者の利益はかぎりなく薄くなってしまう。

また、いくつもの仲介業者が入るということは、その分配送が遅くなってしまうということです。
すべての農作物には消費期限があります。
遅くなればなるほど、劣化が進み、商品として扱えなくなってしまいます。

その結果、下記のような問題が生じてしまいます。

インドでは約40%の農産物が消費者の元へ届かず廃棄されている。
効率の悪い流通網が農家を貧困と自殺に追い込む

効率の悪い流通網が農家を貧困と自殺に追い込む

こういった「農家が薄利にならざるを得ない」状況は農家の貧困と自殺の原因になります。
インドでは1995年から2015年の20年間で、30万人以上の農民が自殺しています。

またケララ州においては、一人当たりの所得額がインド全体のそれよりも若干低く、家族の出稼ぎや外国からの送金に頼らざるを得ないのが現状です。

モディ政権下のインド全体でも物流網の効率化が課題

また、モディ首相の下、インド全体でも物流網の効率化が積極的に行われています。

昨年秋には▼

インドは日本との協力で同国北西部で始めた無線タグを使った物流効率化事業を、全国に拡大する
モディ政権は同国のビジネス環境向上を急いでおり、物流インフラの効率化を通じて外資誘致を推進したい考えだ

ケララ州でのブロックチェーン活用が上首尾に終われば、インド政府が着目して活用を検討することも可能性としてないとは言えません。
「コスト削減」も魅力的なキーワードのひとつとなるでしょう。

ブロックチェーンが外資誘致に伴う経済成長とともに、貧しい層の搾取防止や貧困・自殺の解決になれば、他の地域での活用も見込まれるようになるかもしれません。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。