「規制強化」から「仮想通貨のハブ」へ___ニューヨーク州

仮想通貨への規制が厳しいことで知られるアメリカ・ニューヨーク州。
しかし最近はその舵の方向を切り替えようとしています。

先日、「仮想通貨のハブ」を目指すべく、ブロックチェーンセンターを建設することが明らかになりました。

ニューヨーク市経済開発公社(以下:NYCEDC)は、同市を「ブロックチェーン・テクノロジー・ハブ」とする街づくりを目指し、いくつかのイニシアチブの中でも特に「NYC Blochchain Resource Center(ニューヨーク市ブロックチェーン・リソース・センター)」を建設する計画を発表した。
同センターは、ブロックチェーン技術に対する市民の関心を高めるとともに、業界利害関係者の対話の場を提供する。

この対話の目的は、イノベーションを目指す企業にとっての魅力的な規制の在り方の検討です。
後述しますが、ニューヨーク州は仮想通貨の規制によって起業家が流出した苦い過去を持っています。

このほか、ブロックチェーン技術を使って、市政サービスを向上するアイディアを募るコンペティションを2018年後半に開催すると発表。

5月12~13日の週末にはタイムズスクエアで、非営利団体GrowNYCとCoinDesk共催によるハッカーソン(プログラム開発のためのプログラマー集会)が開かれた模様です。

また、NYは成長しているブロックチェーン産業を促進させるための計画を検討している模様▼

1つがNYC Blochchain Resource Centerであり、もう1つはBlockchain copetition(ブロックチェーン・コンペティション)である。

この中には、州職員向けのブロックチェーン教育ワークショップや、市民向けの無料教育ワークショップなども含まれている模様です。

2015年以降「仮想通貨への規制強化」で起業家の流出を招いたニューヨーク州

ニューヨーク州には、仮想通貨やブロックチェーンに関する苦い過去があります。2014年まで何も規制がなかった仮想通貨の状況でのマネーロンダリングなどを防ぐべく、ビットライセンスという規制を開始。
しかし、その内容があまりに厳しすぎて、州内のスタートアップが逃げ出してしまったのです。

2015年に実施されて以来、スタートアップ企業を撤退させたしまったと非難されている同市の規制措置「BitLicense(ビットライセンス)」
同州の全ての仮想通貨関連企業72を対象とする営業許認可制度「ビットライセンス(BitLicense)」を他の州に先駆けて導入・施行
ビットライセンスの取得には、高額の申請費用(5,000 ドル)のほか、詐欺防止やマネー・ロンダリング対策、サイバーセキュリティ、プライバシー・個人情報保護など厳しい取得条件を満たす必要があり
これまでに認可を受けた企業はごく少数で73、Bitfinex 社や Shapeshift 社等の大手取引所が同州から次々と撤退する結果を招いており

今年の4月時点で認可を受けたのは米仮想通貨決済事業者 Circle 社、Ripple 社、米仮想通貨取引事業者Coinbase 社、bitFlyer 社の米国法人の 4 社のみ。いかに厳しかったかがうかがえます。

こういった事実への反省や批判から、方向性を転換。
事業者との対話を重視する一方、「イノベーションを妨げない規制とは何か」を探るようになりました。

ニューヨーク州司法長官事務所が仮想通貨規制に参加

今年4月17日、仮想通貨市場で目を光らせている米国の一連の規制機関に、ニューヨーク州司法長官事務所(OAG)が加わった。

これに先立ち、同司法長官は、13の仮想通貨取引所に対し、その情報開示請求を行っています。
クラーケンは別として、請求を受けた取引所のほとんどがこの情報公開に対して協力姿勢を示しました。

情報請求は「仮想通貨投資家および消費者を保護する広範な活動の一環」と特徴付けられ、OAGの「仮想通貨市場の完全性イニシアティブ」の立ち上げを知らせるものとなった。

質問内容は、▼

取引所の所有者および管理体制、運営体制と料金構造、取引ポリシーや疑わしい取引に関するポリシー、内部統制やプライバシー・マネロン防止規定への準拠といった内容
疑わしい取引や市場操作への対処、ボットの運用に関するポリシー、非公開取引情報の利用とアクセスに関する制限、顧客の資金を盗難や詐欺、その他のリスクから保護するために準備している対策

また、今回の質問状の意義については▼

消費者や投資家をそれらの有害な存在から保護し、ニューヨークの金融市場の公正と全体性を確保する責任がある」

仮想通貨タスクフォースの立ち上げ

ニューヨーク州議会は急増する仮想通貨とブロックチェーン産業を調べるためにタスクフォースの立ち上げを提案しました。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。