IMFラガルド専務理事「仮想通貨の未来は明るい」

国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は以前から仮想通貨に明るい展望を持っていることで知られています。
そのラガルド氏は先日、米中貿易摩擦を含めた世界経済の先行き不安について言及したのと同時に仮想通貨の明るい未来について言及。

すでに、これに先立ち、4月時点で仮想通貨の未来が明るいことについてコメントしています。

「ドットコムは我々の生活を大きく変えた。生き延びる仮想資産は、我々の貯蓄、投資の仕方、請求書の支払い方法などに今後、著しい影響を与える可能性がある」
政策当局は、仮想資産のリスクを最小限にとどめ、プロセスが実を結ぶような中立的な規制の骨組みの創設に取り組み、オープンマインドでいなければならない

IMFの他メンバーも仮想通貨の将来性からの言及増加

また、ラガルド氏以外のIMFメンバーも仮想通貨の将来性を意識した言及が増えています。

IMF金融資本市場局の副局長である何東氏(ヘー・ドン氏)は、仮想通貨の将来性により邦貨をつかさどる中央銀行の競争を懸念、「法定通貨を仮想通貨よりも魅力的にするように努力しなくてはならない」と言及しています。

「仮想通貨資産が中央銀行のお金への需要をいつの日か減らすかもしれない」
「中央銀行による(仮想通貨への)最善の対応は、経済が発展する中、効果的な金融政策を打ち出し続けながら、斬新なアイデアや新たな需要に耳を傾けていくことだ」
規制逃れを防ぎ、緩い規制によって仮想通貨資産が「不当な競争優位性」を得るのを阻止するため、仮想通貨資産の利用を規制する必要がある

これ以外にも、「中央銀行によるデジタル法定通貨の発行」などにも言及しています。
ただ、これについては、これまで本サイトでお伝えしたように「可能性を見て検討したけれど現実的ではない」という理由で断念する国が多々あります。

いずれにせよ、どの発言も「仮想通貨が法定通貨にとっての脅威になりうる」ことを前提としており、それだけ仮想通貨に将来性を見ているゆえのものだといえます。

ラガルド氏が示す「仮想通貨の3つのメリット」

ラガルド氏は仮想通貨をメリット・デメリットも含め、フェアに評価しようとしています。その同氏が認めた仮想通貨の3つのメリットは次の通りです。

迅速さと低コスト

仮想通貨とその基盤であるブロックチェーン技術の「迅速さと低コスト」が果たす役割は多方面にわたる。

この仮想通貨の迅速さそして低コストはすでに実証実験などで立証されています。またリップルと一部の銀行で決済手段としての活用も進んでいますね。

バランスの向上

金融機関が採用している既存の中央集権型サービスに対して、仮想通貨がもたらす分散型アプリとのバランスが改善される可能性がある。
政府発行通貨から仮想資産への大規模な移行があれば、中央銀行は将来、存続というリスク対策に真剣に取り組まざるを得ない事態もないとは言えない

既存システムに何ら問題がなければ法定通貨がそのまま経済の主流として活用されるでしょう。しかし、ベネズエラやジンバブエのようにいったんハイパーインフレが生じ、法定通貨が紙くず同然となったら、政府発行通貨から仮想通貨への大規模な移行が生じざるを得ません。

公正なアプローチ

国際的に、仮想通貨の果たすべき役割にコンセンサスを形成することが第一歩
メリットを生かすには規制は欠かせない

メリットを生かすには規制は欠かせない

とはいえ、メリット”だけ”ではないのが仮想通貨の現実です。
P2Pで送金でき、かつ、種類によっては匿名性の高さからダークウェブやテロ資金、マネーロンダリングなどで使われていることも現実として存在しています。

そのため、メリットと同じレベルでデメリットも検討、仮想通貨の将来性を生かすには規制は欠かせないとしています。

現実的な脅威と不要な懸念とを区別するうえでは、仮想資産が金融安定性にもたらしうるリスクを理解することが極めて重要です。

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鈴木まゆ子 / 8615 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。