金融庁、週内に5社以上の仮想通貨交換業者に”再び”処分

インサイダー取引などについて自主規制を行うというニュースが流れた仮想通貨交換業関連▼▼

厳格化は自主規制にとどまりません。

協会などで自主規制を強めてきた仮想通貨交換業。
しかし今週、再び金融庁から”再び”処分が下される見通しとなりました。

金融庁は、仮想通貨交換業者の大手ビットフライヤー(東京・港)や、QUOINE(同・千代田)など5社以上に業務改善命令を週内にも出す方針を固めた。
検査の結果、仮想通貨の取引拡大に照らして従業員が足りなかったり、資金洗浄など犯罪に絡んだと疑われる取引の確認がずさんだったり、内部管理体制の問題が相次いでみつかった。

つまり、登録業者の3分の1以上に業務改善命令が出されることになります。
テックビューロ(大阪市)やGMOコイン(東京・渋谷)に至ってはすでに3月の時点でも業務改善命令を受けています。

顧客保護やマネーロンダリング対策など、種々の要件をクリアして実現した「仮想通貨交換業登録」。
しかし、一度登録が実現したからといってのんきではいられません。

というのも、コインチェック事件から登録業者への分別管理や資本増強などについても議論されるようになってきたからです。

仮想通貨交換業者は、顧客から多額の証拠金預かっているが、この分別管理が十分に行われていないのが実態だ。

銀行や証券といった既存の金融機関では、顧客からの預かり資産に対する分別管理には厳しく規制されています。
また銀行や証券自身もカストディ業務に注力しています。
(余談ですが、仮想通貨交換業者に「金融畑経験者が必須」と言われるのはこのあたりの意識が欠かせないからです。かつてのコインチェックの場合、主要メンバーにその意識を強く持った経験者がいませんでした)

しかし、一般的に仮想通貨交換業では、証拠金取引などが中心であるにもかかわらず、その証拠金については分別管理が十分になされているとは言いがたいのです。

そのため、▼

業者が経営破たんした場合には、顧客の証拠金が毀損するリスクは高い

また、以前からこのあたりは気にしていた論点ではなないでしょうか▼

交換業者の多くが財務内容の開示に消極的であり、登録業者に対しては財務内容の開示が強化されることになろう

投資家としては資金を預ける以上、その預け先の財務体質は非常に気になるものです。

1月下旬にNEMが大量流出してしまったコインチェックは”運よく”現金があったおかげで盗難分については補償がなされました。
しかし、もしあれが債務超過だったり、あるいは預かり資産を私的に流用するような事業者だったらどうでしょうか?


おそらく、1円もかえってこなかったことでしょう。

金融業は「人の資産を預かる」要素はどこかで必ず持つものです。
そしてその事業を円滑に行うには信頼が欠かせません。

仮想通貨は金商法の対象ではありませんが性質としては「金融」といっていい性質を持っています。

つまり、▼

すでに100社以上がひしめき合う「仮想通貨交換業登録申請」

また、課題がつきつけられているのは既存の登録業者だけではありません▼

金融庁によると、仮想通貨交換業への新規参入をめざす企業は100社程度もある。

100社以上がひしめき合う申請状況では、登録が実現するのに2年はかかると言われています。
その「時間」を省略するために、下記の買収はなされたわけですが▼

だからといって、「どこも」「すべてが」買収に踏み切ろうとしているわけではありません。
資力などの課題があるからかもしれません。

ただ、だからといって止めようとする気配はあまり感じません(サイバーエージェントは例外)

これは、ひとえに▼

100社超が新規参入に向けて行列をつくって並んでいる実態は、それだけ仮想通貨交換業がうまみのあるビジネスだと考えられているからだろう。

株式や債券、FXといった既存の玉だけでは、もはや投資業では利益を生むことが難しくなりました。
コインチェックを買収したマネックスも証券業ではあまり業績はよろしくないと言われています。

仮想通貨交換業も決して楽ではなく、KYCやAML対策、さらに盗難などの対策にコストをかけなくてはなりません。
が、既存金融でコンプライアンス意識がもはや当たり前となった業界にとっては、敷居は低いと感じるのかもしれません。

仮想通貨交換業の登録条件は5つ

仮想通貨交換業の登録条件は5つ

とはいえ、金融庁が新しく提示している条件は決してやさしいものではありません。

詳しくは、こちらの記事をご覧くださいね▼

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 15580 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。