イラン”独自”仮想通貨発行を準備|アメリカの経済制裁への対抗策か…国民は”民間”仮想通貨を使い資産を国外へ | 仮想通貨まとめ

イラン、独自仮想通貨発行を検討

イランのテレビメディアが25日、同国政府が独自仮想通貨の発行を検討している旨を明らかにしました。

現在イランはアメリカからの経済制裁を受けています。
これに対抗する措置としての一つなのだとか。

イランの投資業務担当の副理事Alireza Daliri氏が次のように発表しました▼

現在、我が国の国内デジタル通貨を発行する準備を進めている。

この通貨は、全世界への送受金を可能にするものだ。

なお、イランの独自仮想通貨のプロジェクトは、イラン中央銀行と共同で進められていると言われています。
開発後、仮想通貨はイラン国内の商業銀行間同士で使えるようにするとのこと。
独自仮想通貨は、ベネズエラのように既存の法定通貨とは別建で作られるのではなく、現地通貨リヤルをトークン化する形で発行される模様です。


ただ、この独自仮想通貨の基盤技術に何を使うのかといった詳細は不明です。

すでに5月の時点で予測されていた「イランの独自仮想通貨発行計画」

イランとアメリカの緊張感の高まりは今に始まったことではありません。

今年の5月、すでにこの気配は感じとられていました▼

イラン国民、”民間”仮想通貨で資産フライト

イラン国内ではすでに”民間”仮想通貨は禁止されています。

表向きの理由はよくある「マネーロンダリングの防止」ですが、この「マネーロンダリング」、イラン政府で意味するところは「国内資産を海外資産に流出しやすくするための手段」となっているかのように聞こえます▼

そして実際に、国家の危機や法定通貨の価値の下落に伴い、ビットコインなど仮想通貨を使って資産を避難させようとする国民はいるのです。

両替所は閉まっていて、制裁もあって、リヤルが馬鹿みたいに下落している中で、ビットコインを使うというのはいいアイデアのように思える。
イランでは、『ローカルビットコインズ』で一部の人がビットコインの売買をしていることは知っている。
今のところ、ビットコインは国外へお金を送金するための、文字通り唯一の方法だ

イラン人所有の仮想通貨”500以上”がアメリカ政府により没収

ただ、イラン人が資産フライトしたとしても、その先ではさらに受難が待ち受けている模様▼

2017年、あるイラン人たちが所有していたかなりの量のビットコインが、特別な理由もなしに、アメリカ政府によって差し押さえられ、その差し押さえは未だに継続している。
どのぐらいの数のビットコインが差し押さえられたか定かではないが、約250億トーマーン(57億7000万米ドル)に相当する500以上のビットコインが差し押さえられたのではないか
「差し押さえの理由は、ビットコイン所有者はずるがしこい方法でアメリカの制裁を回避しているからだと、信じている人がいる」
感想

感想

イランの独自仮想通貨構想がうまく行く気があまりしません。

というのも、イラン国民が(ごくわずかとはいえ)仮想通貨での資産フライトを行っている状態は、ベネズエラ国民が仮想通貨マイニングを行っている状況と同じことを意味しているようにしか思えないからです。

どちらにも共通しているのは”国を信用していない”という点。

イランの法定通貨も紙くずとなる可能性は否定できません。

国家発行の通貨を仮想通貨にしたところで”国民”や”世界”の信認が得られないのでは、デノミの変形バージョンと大して変わりません。

肝心要なのは、発行体とその通貨がどれだけの人から信認を得られるか…それだけです。

▼参考記事:ベネズエラの独自仮想通貨と民間仮想通貨の現在▼

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。