「日本の仮想通貨市場は魅力がない」?

「日本でオフィスを借りたが、まったく使わなかった。日本について学んだが、仮想通貨取引所に関する規制はちょっと厳しいから、私たちのビジネスは難しいと考えた」

これは、作家・起業家のエミリー・パーカーさんがBinanceのCEO趙長鵬(以下、CZ)にインタビューした際の回答です。

Binanceは今年3月、無登録で日本で取引業務を開始し、金融庁から警告を受けました。
以後、日本から撤退し、今は拠点をマルタに移しています。

日本の仮想通貨の市場には350万人の投資家がいると言われています。
世界の名だたる仮想通貨取引所からすれば垂涎の市場かもしれません。しかしそこには2つの障壁があります。

金融庁のカベ

金融庁のカベ

第一に挙げられるのは金融庁のカベです。

今年1月にコインチェックでのNEM大量流出事件以降、調査も登録時審査もかなり厳しくなりました。

現在は、登録申請を行って審査が通るまでに2年かかると言われています。

国税庁のカベ

国税庁のカベ

第二には国税庁のカベ、すなわち「課税のカベ」です。

日本では個人の所得税については5~45%(住民税も合わせると15%~55%)の段階的な税率で累進課税のもとに課税されます。
また法人税課税は、以前よりは下がったものの、29.97%(2018年以降は29.74%)と相変わらず高い実効税率です。
マルタの「表面税率35%、実質税率5%」に比べると、極めて高い課税感があります。

これに加えて社会保険料の負担などを考えると、企業としては進出を躊躇します
(というか、それ以外の業界ではすでに日本はPassingがかなり進んでおり、諸外国の大使館の中にはHead部門を東南アジアに移し、日本には窓口業務しかないところもあります)

とは言いながらも、それでも日本で仮想通貨業務を展開しようという企業も少なくありません▼

日本の仮想通貨市場に進出を決めたOR検討している外資とは

では、どのような外資系企業が日本への進出を決定OR検討しているのでしょうか。
ここ最近の動きからざっくりとご紹介します。

米仮想通貨取引所Coinbase

まずはアメリカの大手仮想通貨取引所であるCoinbase.
出資者である三菱UFJと提携し、日本での仮想通貨交換業の登録申請を年内に行います。
セキュリティの高さと手数料の低さをもって、日本での市場開拓に挑むとのこと。

HitBTC

HitBTCは日本居住者へのサービスを一時停止しました。
日本の交換業者の登録がないままに日本のユーザーにサービス提供をしたのでは、日本の資金決済法の抵触する恐れがあるからです。

ただし、これは「完全撤退」ではなく、今後正式に日本でサービスを提供するために今、金融庁などと協議中であるとのこと。

今年に入り、日本の大手法律事務所と連携して、免許の取得と日本法人立ち上げの準備をし始めたと明らかにした
今年第3四半期に日本で事業を開始することを目標に、日本で雇用を進めており、M&Aの機会を探っているとも記している。
日本居住者向けサービスを一時制限した現在も、日本ですぐにサービス再開をすることに自信がある

Bittradeのシンガポール資本による買収

さらに、日本の登録交換業者である仮想通貨取引所BitTradeが、シンガポールの個人起業家に買収されました。
日本資本による買収はこれまであってものの、外資による買収は今回が初めて。

5月30日に日本の仮想通貨取引所であるBitTradeがシンガポールの起業家Eric Cheng氏によって買収された
BitTradeはEric Cheng氏によって5000万ドル(約54億円)で買収され、同氏は株式の100%を保有する形となります。Cheng氏は同時にBitTradeの関連会社であるFXトレードフィイナンシャル(FXTF)も買収しました。
Cheng氏は日本の金融庁の認可を受けている取引プラットフォームを運営する企業の株式を100%取得した最初の外国人
「魅力がない」のではなく「考え方」「スタンス」次第

「魅力がない」のではなく「考え方」「スタンス」次第

Binanceにはスルーされた日本市場ですが、3つの外資からはすでに着目されています。
障壁は決して低くないにもかかわらず、です。

かつ、日本国内でも、証券大手などの相次ぐ参入が行われている仮想通貨取引業界。

税金と規制だけを考えるなら、マルタやリヒテンシュタインに拠点を移した方のが圧倒的にいいのです。
けれど、それでもあえて日本に進出するということは、「今後の日本の仮想通貨市場にはまだまだ伸びしろがあるから」ではないでしょうか。

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初心者向けまとめ

仮想通貨初心者向けの記事まとめです。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。