カナダ・ケベック州、マイニング向けの電力供給再開

仮想通貨の認知度が高まったのと同時にブームを迎えているのがマイニング(採掘)です。
広大な土地と豊富な電力資源をもつところは、マイニングブームを迎えています。

ただ、その一方、膨大な電力を使用するマイニングであるため、現地の企業や個人の生活に支障を与えているのも事実。
それはカナダのケベック州でも同様でした。

3月には、ケベック州の多数の地方自治体が暗号通貨の新マイニング施設の一時停止措置を取った

この停止期間中、ケベック州政府および電力公社ハイドロケベック(Hydro-Quebec)は、暗号通貨技術とその広範な経済的影響の把握に努めていました。

その結果、このまま電力供給を止めることは、仮想通貨の流れに乗り遅れることにつながると判断、5月30日に次の事実が明らかになりました▼

カナダのケベック州政府が、仮想通貨のマイナーに対する電力販売の停止措置を解除する。

ただし、無条件かというとそうではなく、

エネルギー省のピエール・モロー大臣は今後、大量の電力を消費する仮想通貨のマイナーへの電力販売を規制する法令を制定するとみられる。
「政府はこの種の事業が管理されていることを保証し、イドロ・ケベックの全発電能力がのみ込まれないようにしなければならない」

ケベック州の安い電気に採掘団体が集中

ケベック州では、水力を中心としたクリーンで安く、豊富な電力があります。
州内で活用するほか、近隣に輸出するなどして州の経済基盤となっています。

この豊富な電力に最近目をつけたのが、仮想通貨マイニングの事業者たちでした。

あるカナダ人のバートランド氏は、モントリオール郊外の倉庫で約50のASIC機器(特定用途向け集積回路)を運用しています。
各機器の稼働費は1日に『90CAD』程度ですが、それらが生み出す利益は月に『$600CAD』にもなります。
このような安い電力料金はケベック州の豊富な水力発電によるものです。

この豊富な水力発電による電気に目をつけたのが、アイスランドや中国のマイナーたちです。
特に中国は昨年夏の当局による規制強化により、マイニングビジネスそのものもやりにくくなりました。
が、中国も電力が安いのです。

中国に負けず劣らず電力が安いところ、そのひとつにケベック州がありました。

仮想通貨ブームに伴い、マイニング熱も上昇していきます。

そこで、予想外の事態が生じました▼

さらに、マイニングビジネスを誘致するにあたり期待していたのが地元の雇用創出です。
ケベックの経済はオンタリオ州に次いでカナダでは第2の規模なのですが、州民一人当たりのGDPは約40,394カナダドル、カナダ平均よりも低いものとなっています。

このGDPの引き上げにマイニングビジネス誘致がつながらず、▼

われわれの地方で暗号通貨をマイニングするコンピューター倉庫の開設を求める事業の大半は、極めてわずかな雇用創出しかもたらさない
「社会に付加価値を提供する必要がある。新たなビットコインを得るためにマイニングするサーバーを所有することには、私(フィリップ・クイヤール州首相)は付加価値を見いだせない」

今後の課題

供給停止がケベック州にとって、仮想通貨ビジネスへの乗り遅れを意味することになったため、今後は完全供給停止ということにはならないかと思われます。
ただ、だからといって以前と同じに、ということにはならないでしょう。

地元の電気供給を破たんさせ、かつ、地元の経済に直結しないならば、ただ安い電力を供給していても意味がないからです。

今後、ケベック州の水力電力会社イドロケベックは、採掘業者に供給する電力については電気代の引き上げを検討しているようです。

1月にイドロ・ケベックのエリック・マーテルCEOは、今後数年間は仮想通貨マイニング部門に5TWhを販売する予定と語っていた
この決定により、デジタル通貨のマイナー向けに異なる料金体系が設定され、エネルギー会社は「強制的な送電停止」を実施できるとみられる。
つまり、イドロ・ケベックは、ケベック州の送電網が最大容量に達した場合、年間100〜300時間の範囲で仮想通貨マイナーへの電力供給を中断することができるようになる。

この案について、イドロ・ケベック広報担当のマルク・アントワーヌ・プリオ氏は次のようにコメントしています。

このような危機的状況の期間に一部の顧客への送電を中断できれば、より多くの接続が可能になる。(イドロ・ケベックの措置は)経済的利益を最大化し、安定した電力供給を確保することにより、ケベック州における仮想通貨の推進を保証するものだ

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。