金融庁、仮想通貨取引所への”さらなる”行政処分を検討

今年1月下旬のコインチェック事件以降、仮想通貨取引所への規制を一気に強化してきた金融庁。
今年3月、GMOやZaifなど一部の仮想通貨取引所に行政処分を下しました。
今回、再び、いくつかの仮想通貨取引所に対し、行政処分を検討しているとのことです。

▼今年3月の行政処分についての記事はコチラ▼

▼また、新規登録についての審査も厳しくなっており、申請が通るまで2年かかるとさえ言われています▼

金融庁は、複数の仮想通貨交換業者に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)対策に問題があるとして、改正資金決済法に基づく業務改善命令を6月中にも行う方向で検討に入った。
対象は「登録業者」

対象は「登録業者」

今回検討されている行政処分の対象は「登録業者」。

これまでみなし登録業者を中心に行政処分等が行われてきました。

みなし業者に対しては16社のうち10社に業務停止命令や改善命令を行っていましたが、登録業者への改善命令はシステム障害を起こした2社にとどまっていました。

読売新聞の情報源によれば、複数の登録業者は、サービスに利用者に対して、反社会勢力でないかどうをの本人確認を適切に実施していなかったという。またそのためのシステム整備も進めていなかった。
さらに顧客資産の分別管理についても十分に行っていないケースがあったという。

大手取引所のbitflyerでも、本人確認が不十分なままに取引OKにしていたという事実もかつてありました▼

日本経済新聞は4月12日、ビットフライヤーが顧客の本人確認を終えていないにもかかわらず、売買を可能にしていたと報じた。

研究会では「仮想通貨の決済手段としての有用性が課題」

一方、金融庁の「仮想通貨交換業等に関する研究会」が定期的に行われています。
先日22日に開かれた研究会では、仮想通貨のリスクや、ブロックチェーン技術の可能性などについて議論が行われました。

その中で、研究会メンバーのみずほ総合研究所の三宅恒治・金融調査部長からは次のような指摘がなされています▼

決済手段として仮想通貨について、ボラタリティの高く、価値が不安定である
既存のほかの決済インフラと比較しても処理能力が劣り、消費者保護の面でも課題が多い
「先進国では決済手段として使われてなく、プラス面は限定的だ」

この「価格変動が高くて決済手段になっていない」はその通りです。
ただし、その一方、そのボラティリティであるがゆえにVIX指数との関連が認められ、安全資産としての意義が評価されるようにもなってきています▼

このほか、ネガティブなコメントも▼

ハッキング事件が起こっており、マネーロンダリングにも実際に使用されている
投機的な利用の拡大で金融や投資への不適切な認識が若い人に広まるのではないか

ただ、これらのネガティブコメントは「個別の案件で見た場合」のものに限られます。
このようなコメントについては、次のような評価軸をもってみてはどうか、という意見が出されました。

「具体的なリスクを議論するには『仮想通貨』という大枠ではなく、仮想通貨交換業者のビジネスモデルに即した上で議論するべきだろう」

また、仮想通貨が当初の概念とちがった方向に来ている現実をもって、もう少し長い目で見たらどうか、という指摘も▼

「多くのイノベーションは想定した通りには起こらない」
「仮想通貨は貨幣の3つの機能を有していないといわれるが、それを理由にイノベーションが失敗とは言えない」

まとめ

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鈴木まゆ子 / 728 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。