ブロックチェーンプロジェクトの生存率、たったの”8%”

「ブロックチェーンを活用すべき」の気運は2015年以降、上昇傾向にあります。
「日本はそれに遅れている」とも。

ただ、その一方、実際にローンチしたブロックチェーンプロジェクトの大半は”Dead”状態になった事実があります。

中国情報通信研究院(CAICT)の調査で次の事実が明らかになりました。

今まででブロックチェーン技術を活用したプロジェクトの数は8万件以上にも及びますが、現在もまだ続いているプロジェクトはわずか8%に過ぎず、全体の平均寿命は1.22年にとどまっているそうです。

▼日本でもブロックチェーンの取り組み率は40%を超えるようになりました。「とりあえず着手するだけでも」という声も▼

同様のリサーチ結果はすでに2017年にもデロイトが発表

このようなリサーチ結果が明らかにされたのは今回が初めてではありません。
2017年、すでにデロイトもブロックチェーンプロジェクトについて調査を行い、その結果を発表していました▼

大手コンサル企業のDeloitteは26000を超える新たなブロックチェーンベースのプロジェクトが2016年、GitHubでローンチされたといいます

*GitHubはソフトウェア開発のための共有ウェブサービス

Consulting heavyweight Deloitte claims that over 26,000 new blockchain-based projects were launched on GitHub in 2016.

2015年にローンチされたのは15000未満しかなかった。しかし、2017年前半になると、25000前後のプロジェクトがプラットフォームに記録されました。

there are less than 15,000 initiatives that were launched in 2015. Meanwhile, in the first half of 2017, there were almost 25,000 projects that were logged on the platform.

しかしながら、Deloitteによれば、そのプロジェクトの大半が長期的には活動しなくなり、今でも活動しているのはたったの8%程度です。

According to Deloitte, the majority of the projects, however, have become inactive in the long run and only eight percent are active so far.

このDeloitteによる発表は2017年後半のもの。
今回の中国当局による発表から半年ちょっとしかまだ過ぎていません。

が、時間が多少なりとも経過したにも関わらず、ブロックチェーンプロジェクトの生存率が8%程度である事実は変わらないようです。

消滅のしやすさの原因は

では、このようなプロジェクトの消滅率の高さの原因は何でしょうか。

いくつかあるとは思われます。


・ブロックチェーンの思想と実用する側の意図の不一致
・コンプライアンス、規制の問題
・コストダウンはできても、そこに至るまでにコストがかかる

などなど

ブロックチェーン思想と実用する側の意図の不一致

ブロックチェーンの根本の思想は「知らない者同士でも情報共有をできる」トラストレスでもつながれる世界です。

しかし銀行などにおいては、「信頼できるもの同士のやりとり」が前提になっています。

業務はプライベートだけど、使いたいのはオープンな分散型、、ではちぐはぐです。

銀行のブロックチェーン技術に関連する失敗の裏にある主な原因は、既存のアプリケーション上での並列したオペレーションを実行するプライベートブロックチェーンによるネットワークの作成、というその思惑にある。
つまり、ブロックチェーン技術がもたらしてくれるはずのオープンな分散型ネットワークを利用することよりも、銀行は自分たちの利益を優先した技術革新にのみ目が行っていることが原因であるということだ。
現在まで、ブロックチェーン技術を採用した本当の成功例はビットコインのみなのは、ビットコインのネットワークが分散型であり透明性の高い性質が寄与しているからだ。

また、「ブロックチェーンなら何でも解決できる」というような思い込みも失敗の原因かもしれません。

プライベートブロックチェーンでは実現・保証できないことを目標にしているプレスリリースが多く見られる

ブロックチェーンがいらない業務もあるわけなので、まずは選別が必要との声もあります▼

「例えば利息計算をブロックチェーンでやることに意味があるかというと、はっきり言ってただの無駄でしかない。そういうものは合意をとる必要ない」(赤羽さん)

コンプライアンス、規制の問題

また、個人情報の管理や本人確認など、「open」ではアウトな業界もあります。
銀行などはまさにそうです。

銀行は厳重なKYCとAMLによるレギュレーションに従わなければならず、顧客の個人データを法執行機関に対して提供するためにプライベートブロックチェーンネットワークでの運用を余儀なくされている。
したがって、銀行がプライベートブロックチェーンネットワーク開発との既存のシステムへの適応を諦めれなければ、金融業界は実際に動作可能な技術の実装に苦戦することとなる。

”コストダウン”に至るまでのコストがかかる

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鈴木まゆ子 / 7256 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。