”仮想通貨の島”マルタで法案3つ閣議決定|不正やスキャムを防止し、健全な仮想通貨経済の発展を目指す | 仮想通貨まとめ

”仮想通貨の島”マルタ、仮想通貨関連法案を3つ閣議決定

Binance,OKExなど世界大手の仮想通貨取引所が拠点を移動したことで知られるマルタ。
「仮想通貨」「ブロックチェーン」の島という位置づけを目指し、Crypto関連の事業体を誘致するだけでなく、法整備の検討・研究を行ってきました。

■”仮想通貨の島””ブロックチェーンの島”マルタに関する過去記事はコチラ▼▼

マルタは先日、仮想通貨関連法案を3つ、閣議決定。
仮想通貨やブロックチェーンの将来の健全な発展をサポートする内容となっています。

特に注目されるのは、仮想通貨とICO(Initial Coin Offerings)に対する規制の枠組みを定めた「Virtual Financial Assets Bill(仮想通貨金融資産法)」である。
残りの2法案は、1つが「Malta Digital Innovation Authority Bill(マルタ・デジタル・イノベーション庁法案)」であり、もう1つは「Technology Arrangements and Services(Invoice)Bill(技術調整&サービス法案)」となっている。

ポイント:「金融の3原則を厳守」

この3つの法案は、ただちに欧州連合(EU)の慣例である第一読会の目的でマルタ議会にも提出されました。この次のハードルは野党や首相による承認となりますが、議員の一部からは前向きな感想が得られています▼

「仮想通貨金融資産法が成立すれば、銀行は法的安定性を付与されることで、この業界で働くプロバイダーを受け入れないような事態はほぼなくなるだろうと確信している」
「政府として、この市場を規制することによって金融規制が守られ、投資家保護、市場の一体性、金融の健全性という主要3原則が遵守されることを保証することになる」

法案①Virtual Financial Assets Bill(仮想通貨金融資産法)

同法案は、特にICOについて言及したもので、ICOを行う企業は、必要事項を記載したホワイトペーパーを公開しなくてはならないことを義務付けています。

世界の多くの国は、規制をどうするかの前段階である「調査」のステップなのですが、マルタはすでにその先を行っています。
そのため、ICO実施に不安を持つ事業体からは、マルタでのICOを希望するところが少なくありません。

この法案はその声に応えるものとなります。

マルタ金融サービス庁(MFSA)に「必要とする規制および調査の権限」を付与する。
その権限は、指示を出し、ルールを採択・公表し、情報を要求し、ICOあるいは取引所における仮想通貨の取引を差し止める権限など、多岐にわたっている。

ICOの90%は詐欺、といわれますが、その一方で10%未満の企業は真面目にプロジェクトやサービスをローンチすることを意図しています。
この法案が実現し、投資家と事業主との間の関係がフェアになれば、自然とスキャムICOははじかれ、健全なICOが発展していくことになるかと思われます。

※ちなみに、Virtual Financial Assetとして仮想通貨を表現し、”cryptocurrency
”という単語を用いなかったのは、昨今のイメージの低下を気にして、のようです。

法案②Malta Digital Innovation Authority Bill(マルタ・デジタル・イノベーション庁法案)

「Malta Digital Innovation Authority Bill(マルタ・デジタル・イノベーション庁法案)」は、新省庁の設立法案であり、その義務と責任を明記する。
仮想通貨業界専門の政府機関を発足し、政府によるブロックチェーン産業の推進、規制を目的としています。

法案③Technology Arrangements and Services(Invoice)Bill(技術調整&サービス法案)

「Technology(Know-how)Arrangements and Services Bill(技術調整&サービス法案)」は、システム管理者と監査役に関しては、技術サービスプロバイダーの登録や技術調整の認証などを扱う
この条例は、ブロックチェーン企業の充足を前提として作成されているため、既述の2つの法案ほど詳細が定義されていません。

まとめ

この法案が既に公開され、仮想通貨を合法化する取り組みを行なっていることからも、マルタは仮想通貨規制における”世界のパイオニア”に近づいていると言えるだろう

BinanceとOKExの誘致により、仮想通貨の取引高が世界最大となったマルタ。
「仮想通貨」「ブロックチェーン」という軸は、今後、マルタの経済的発展と世界的な認知度の向上のために欠かせないものとなっていくかと思われます。
「パナマ文書」「パラダイス文書」などにより、世界のタックスヘイブンに冷たいまなざしが向けられやすい昨今ですから、なおさらです。

また、マルタの仮想通貨関連の規制状況が他国の規制の先行きにも影響を与える度合いは少なくないでしょう。

野党などの反応を含め、今後のニュースにも注目したいところです。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 4533 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。