2017年の詐欺被害総額210万ドル、オーストラリア

オーストラリアの公正取引委員会は今月21日、仮想通貨犯罪レポートを発表しました。
2017年の1年間における仮想通貨の詐欺被害額は210万ドル前後。
日本円にしておよそ233億円にあたります。

1月から9月にかけては、毎月10万ドル(約1,100万円)ほどの被害額が報告されていますが、12月の被害額は70万ドル以上(約7,700万円)となりました。

特に、詐欺被害が急増したのは、2017年後半。つまり、ビットコインの価格が50万、80万を超え、100万円、200万円をクリアした時期と被ります。

後述する米国とカナダの連携によるNASAAの発表によれば、この時期に作成された仮想通貨関連のドメインは30000に及ぶとのこと。

ACCCは、ユーザーを騙す主な手口のうち、偽のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)、ネズミ講およびランサムウェアによる支払いに注意喚起している。
家族や友人・知人が「詐欺被害」の始まり

家族や友人・知人が「詐欺被害」の始まり

また、このオーストラリア当局の調査によれば、詐欺の多くが家族や友人、知人のよる紹介がきっかけとのこと。
一般的なねずみ講被害も始まりは家族や友人・知人の口コミがほとんどです。

つまり、対象が「仮想通貨」に代わっただけで、手法は相変わらずだと言えます。

また、当局によれば、今回発表された210万ドルという被害額は「控えめな数字」だといいます。
報告されていない、泣き寝入りした案件を含めれば、もっと被害は甚大なのです。

「他にもたくさん存在するスキャムを鑑みればこれはほんの氷山の一角だ」

ちなみに、オーストラリアの証券投資委員会ASICは、今年からアヤシイICOについては措置を講じる旨を5月に発表しています。

ICOが誤解を与える、あるいは無許可の行為をした場合には、仮にICOの対象が金融商品でなかったとしてもASICは介入することができるというものです。

仮想通貨詐欺の横行が価格下落の一因にも

「詐欺は自分が被害に遭わなければいい」と思う人も少なくありません。

が、残念ながら、どの投資家も「間接的に」被害を受けている可能性があります。

その理由の一つが、ここ最近の仮想通貨の価格の下落です▼

ここ連日、仮想通貨価格は軒並み下落しています。
ビットコインは8000ドル台を割り込みました。
「原因は不明」とされていますが、その一方で、「横行する詐欺で投資家の心理が冷え込んでいるのではないか」とも言われています。

アジアでは、中国工業情報化部が発行した新たな報告書では、中国政府がICO、ネズミ講、詐欺に関する「無視できない一定のリスク」について懸念を持っていることが改めて表明された。
また、政府主導の研究により中国の仮想通貨界隈で421個の詐欺仮想通貨が見つかった。

米国とカナダ、規制当局が詐欺についての調査を開始

先日21日、米国とカナダの証券規制当局で構成されたグループNASAAが、仮想通貨関連の詐欺に関し、国際的に取り締まりを強化する旨を発表しました。これは、NASAAが主催したイベントで明らかにされました。プロジェクト名は「Cryptosweep」、仮想通貨の詐欺一掃の意図が込められています。

声明によれば、Cryptosweepは「5月の初めからの70の取り調べと捜査、そして35の検討中もしくは完了した法執行活動」によって構成されている。
1919年に創設されたNASAAは、米国・メキシコ・カナダにおける州レベルでの証券規制機関による協会組織である。各州の証券規制当局はこの協会を通して連携し、「州を跨ぐ強制措置」や情報共有などに参加する。
北米証券管理者協会(NASAA)がまとめ役となり、40の管轄区域の規制当局が70件の捜査を開始している。今後数週間で件数はさらに増える見込みだ。証券規制当局は約35社に対し、州証券法違反の疑いで警告を行い、停止命令に至ったケースもあるという。

捜査の焦点は「ICO詐欺」

この取り締まりは「ICO(イニシャル・コイン・ オファリング)と仮想通貨関連の投資商品への組織的な一連の捜査を始める」ためにNASAAのメンバーによって構成されたタスクフォースが4月に集まった際に動き出した

詐欺が特に横行しているのがICO。
法整備がままならない中、ホワイトペーパーだけで大量の資金を詐取したうえで主催者が逃げる詐欺が横行しています。

▼過去本サイトでお伝えしたICO詐欺に関する記事はコチラ▼

詐欺が疑われるケースでは、偽の住所や派手な宣伝資料を使ったり、1日最大4%の利率を保証する一方で、仮想通貨投資の潜在的なリスクは伝えていなかったという。
中には自社の商品を推薦するため、偽のセレブの写真を使う詐欺的なICOさえあった。

▼ちなみに、米SECはこのICO詐欺のあるあるパターンを”あえて”ウェブサイトにし、投資家への教育や注意喚起につなげています▼

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鈴木まゆ子 / 3460 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。