マドゥロ大統領再選により経済封鎖の追加措置

ベネズエラで先日、大統領選が行われました。
マドゥロ大統領が再選されたものの、野党からは批判続出。
アメリカだけでなく、アルゼンチンやメキシコも、マドゥロ氏再選を認めないとして経済封鎖の追加措置に乗り出そうとしています。

米トランプ大統領は21日、大統領選を強行したベネズエラ政府に対し、追加制裁を科す大統領令に署名した。これまでの金融制裁を強化したもので、同国政府や国営企業が売掛金の売却や資産を担保に資金を調達することを禁じる。
アルゼンチンで開催された20カ国・地域(G20)外相会合では、米国に加えアルゼンチンやメキシコなどが選挙結果を認めないとの声明を発表した。

ただし、反米姿勢がもともと強い中国やロシアは大統領選の結果を尊重している模様▼

中国政府やロシア政府は21日、選挙結果を尊重するとし、マドゥロ政権を擁護する姿勢を見せていた。
「原油価格が上昇する中、ロシアや中国はベネズエラの資源に興味を持つ」

ベネズエラ、仮想通貨「ペトロ」の舞台を拡大

このアメリカを中心とする経済封鎖への対策の一つとして打ち出した仮想通貨「ペトロ」。
プレセール以後、次々とペトロが国民に浸透すべく、決済可能な場面を増やしています。

7つ星ホテルの決済に「ペトロ」導入

956年、独裁者であったマルコス・ジメネス元大統領によって、ベネズエラの首都カラカスとその沿岸地域を結ぶ観光とレクリエーション複合施設の一部として建築された「ホテル フンボルト」は、当初ホスピタリティで世界最高水準との評価を受けたが、1958年に訪れた民主化後、独裁政権の象徴であるこのホテルは閉鎖に追い込まれている。
マドゥロ政権はこのホテルの立て直しを図り、南米諸国で最初の7つ星ホテルとなると主張。また決済には仮想通貨ペトロ(Petro)を導入すると発表した。

仮想通貨銀行の設立

ベネズエラのマドゥロ大統領は、青少年および学生の取り組みを支援するため、同国が発行した仮想通貨「ペトロ」による仮想通貨銀行の立ち上げを発表した。
デジタル仮想通貨銀行は2000万ペトロの資金が提供される予定であり、これはマドゥロ大統領いわく12億ドルに相当する。

仮想通貨「ペトロ」への反応は冷ややか

ただ、残念ながら、大統領の思惑をよそに、ベネズエラの独自仮想通貨ペトロへの周囲の反応は冷ややかなようです▼

ペトロ発行後も全く状況は良くなっておらず、仮想通貨の発行は経済の改善にはほとんど役に立たなかったようだ。
2月の発行自体は失敗とは言えないが、結局ベネズエラ経済を改善するには至らなかった。すでに述べたように、ベネズエラは5月になっても10,000%を超えるインフレに悩まされている。
仮想通貨の発行自体がベネズエラの経済危機にとっては焼け石に水のようなもので、もともと改善できる見込みはあまりなかった。
しかしそれ以外に考えられる理由の1つには、アメリカが独裁色を強めるマドゥロ政権を敵視しており、国内外の投資家に対しペトロの購入をしないよう要請していたこと。

つまり、もともとの経済そのものに問題があった上、世界大国アメリカからの経済封鎖が行われては、いくら仮想通貨を発行して対抗しようとしても解決につながらないのです。
これはかつてハイパーインフレの国がやむを得ず行ったデノミと同じような位置づけであるかと思われます。

また、国民自身も、「ペトロ」を当てにするのではなく、既存の認知度の高い仮想通貨をもって資産防衛を測っている模様▼

ベネズエラに限らず、中南米で仮想通貨を所有している人がライトコインを欲しい理由は、おそらく送金や「Localbitcoins.com」を使用する際のコストが安いのが理由だと思います。
ビットコインの価格の乱高下も激しいですので、多くは実需よりも「金(GOLD)」のように、資産防衛を目的として購入しています。なにせ現状、ベネズエラではボリバル札は紙くずですので。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 14902 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。