米ウェストバージニア州でブロックチェーンプラットフォームによる投票が行われる

米ウェストバージニア州で、スマートフォンとブロックチェーンを組み合わせた投票の実証試験が先日8日、完了しました。

新たに開発したブロックチェーンプラットフォームを使い、今月23日から5月8日の投票日まで投票が行われました。

5月8日の夕方、ウェストバージニア州での第一次選挙の投票が締め切られた。アメリカ合衆国の歴史の中で最初になる、政府主導のブロックチェーンベース投票が終結した。

On the evening of May 8, polls closed in West Virginia’s primary election, marking the conclusion of the first government-run, blockchain-mediated vote in the history of the United States.

ちなみに、予備選挙では、このブロックチェーンプラットフォームを利用してスマホなどのモバイル端末から投票ができたとか。投票の対象者は米軍内に登録されている有権者でした。

「ブロックチェーンは、このタイプのモバイル投票アプリケーションでセキュリティを強化している」

”blockchain does provide a heightened level of security on this type of mobile voting app.”

「このタイプのモバイルアプリが、総選挙の際と同じく、軍の有権者になるべく早く提供されることを心から期待している」

”We’re genuinely hoping that will allow this type of a mobile app to be made available in the future – as early perhaps as our general election – to military voters.”

背景:軍関係者及び海外在住者の投票の手続きが面倒くさい

軍関係者と海外在住の有権者は、UOCAVA(Uniformed and Overseas Citizens Absentee Voting Act (軍人及び海外市民の不在投票法))に従って米国での投票を行わなくてはなりません。

投票の手続きは国内在住の有権者よりずっと面倒くさく、事前登録や投票用紙の請求を行ったりしなくてはなりません。

このアナログなシステムのために、実際次のような事態が過去に発生しました▼

米国選挙支援委員会によると、2016年の総選挙でUOCAVA法の対象となる有権者(全国登録済み)に送られた20万件を超える投票用紙が、何らかの理由で返還されませんでした。

According to the US Election Assistance Commission, over 200,000 UOCAVA ballots transmitted to voters (registered nationwide) in the 2016 general election were, for one reason or another, not returned.

(ウェストバージニア州務長官)クイーン氏によれば、何十万人もの有権者が最初の段階で「投票用紙を要求する」という問題を抱えていたならば、州そのものがUOCAVA対象者についてより簡単に選挙に参加しやすくする役割を果たさなくてはならないとのこと。

In Queen’s view, if those hundreds of thousands of voters went through the trouble of requesting ballots in the first place, it’s appropriate for the state to play a role in making it easier for them to participate in elections.

ブロックチェーンの分散型台帳システムを投票に活用することで、投票を秘密保持をキープしたまま、即時に行うことができます。

問題点:プラットフォームの脆弱性

ただし、まったく問題がないわけではないようです。
今回の限定的な選挙の試みでも批判がありました。
「モバイルアプリを使った投票では、投票記録がされるまえにゆがめられるのではないか」と言う疑問が寄せられました。

今回の選挙に技術提供したVoatz社のプラットフォームに本人認証の問題があるとされています。

同社(Voatz社)が投票者の本人確認の際に使っている顔認証や指紋認証の技術にハッキングの脆弱性がある

the facial-recognition and fingerprint-scanning technologies that the company uses to verify voters’ identities could be vulnerable to hacking

Voatz社の技術は社外の人間によるレビューがなされていません。
ブロックチェーン技術の欠陥の有無を無視してブロックチェーンプラットフォームによる選挙を推し進めることは、「脆弱な技術をとりあえず信頼しなさい」と市民に強要することになります。

さらに、民間の技術を投票に導入することは、公職選挙法で本来すべて管理すべきものを、民間企業に一部権限移譲することになります。
そうすると、選挙の秘密が漏洩したりする怖れにもつながりかねません。

ただ、このブロックチェーンプラットフォームによる行政システムは、すでに他国でも関心が持たれています▼

ブラジルやエストニア、デンマーク、韓国、スイス。世界中の政府が、ブロックチェーン技術の統合を積極的に推進している
感想

感想

行政や政治は、民間の組織運営とはまた異なったロジックや理念で動いています。
民間で有用だからといってそのまま導入してしまうと、脆弱性が発覚した際の衝撃は、民間のそれよりもずっと大きく、国民を無意味に動揺させてしまうことになりかねません。
だからといって既存のシステムのまま維持すべきだとは言いませんが、事前の検討や議論がより一層必要になるのではないかと思われます。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。