
イスラム圏で仮想通貨使用は広がるか|ビットコインは「イスラム貨幣」に適合
イスラム圏での仮想通貨使用について、関心が集まっています。というのも、先日、イスラム法の権威から仮想通貨容認の発言がなされたためです。ビットコインがイスラム法でいうところの貨幣に該当するという意見も出てきました。
イスラム圏が仮想通貨容認傾向へ
▼先日のビットコイン上昇の背景にもイスラム法の容認があるとされています▼
出典:ビットコインが再び8000ドル突破|背景には「イスラム法の仮想通貨容認」か | 仮想通貨まとめ
アラブ首長国連邦(UAE)やインドネシアなど一部のイスラム教国は、仮想通貨の取引をほぼ認めています。UAEのドバイは最も開放的で、2017年10月には独自のデジタル通貨「emCash」の発行を発表、公共料金やショッピングの支払いに供します。
出典:ドバイがデジタル通貨「emCash」を発行か|国が認める最初の仮想通貨となる可能性 | 仮想通貨まとめ
サウジアラビアもすでに行われている仮想通貨の取引を静観
▼ですが、サウジも独自仮想通貨には前向きです▼
出典:サウジアラビア、独自仮想通貨開発に前向き|UAEとの共同開発、「太陽光」仮想通貨の採用も | 仮想通貨まとめ
金裏付けの仮想通貨「ワングラム」発行も
昨年設立された地元の新興企業「ワングラム」は、金を裏付け資産とする仮想通貨を発行。仮想通貨投資がイスラムの教義に違反していないことをムスリムに納得させようという試みの一環だ。
ポイントは「イスラム法に適合するかどうか」
イスラム圏の銀行は、利益分配、損失負担、賃貸、富の保管などの適用に、シャリーア適格金融(shariah compliant)政策に基づく独自のルールを適用しています。
例えば、利子の授受、投機的取引、不確実な取引、禁忌(haram)的取引などはおおむね禁じられます。
さらに、マネーロンダリングへの懸念、ボラティリティの高さがあります。だからこそ、今年に入り一気に規制の圧力がかかったわけですが▼
出典:中東でも仮想通貨規制の動き|ドバイでは取引をやめるところも | 仮想通貨まとめ
シャリーア教義は、単なるルールの集まりではない。さまざまな問題について異なる解釈、意見を対象とする学術的分野である。著名なイスラム聖職者による最近のfatawah(さまざまな法律上の見解)は、不完全もしくは矛盾している。
ビットコインとブロックチェーンはイスラム法に適合する
マーティン氏によると、ビットコインは「慣習貨幣」であり、国家の法律はシャリーアに優先するため、イスラム貨幣として適格になります。
イスラム学者ムハマッド・アブバカル氏らが執筆したこの報告書は、ブロックチェーン技術について、過剰な不確実性を減らすというシャリーアの精神と極めて相似していると強調しています。
ICOはアウト
「ICOの多くは、余りにも不確実でありイスラム教義の認める投資として適格ではない」
イスラム仮想通貨「ワングラム」もイスラム法を配慮
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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 15374 view

税理士・ライター。
2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。
しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。
そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。
何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。
こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。
Twitter: mayu_suzu8
この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。
2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。
イスラム圏での仮想通貨の普及に注目が集まっています。
ビットコインに対し、イスラム法が容認姿勢を見せたことがきっかけです。