Binace,OKExが拠点を「香港→マルタ」へ

大手仮想通貨取引所が次々とマルタに拠点を移す

大手仮想通貨取引所が次々とマルタに拠点を移す

Binanceに続き、OKExも拠点を香港からマルタに移しました。

仮想通貨の取引高が世界第一位の取引所Binance(バイナンス)がマルタ島にオフィスを開設することが報じられました。

↑↑↑↑3月末時点でのニュースです↑↑↑↑

12日には、大手取引所OKExもマルタに拠点を設置すると発表した。

4月12日には、OKExもマルタに拠点を移すことが明らかになりました

自由そうにみえて実は規制が強まりつつある香港

長年イギリスの植民地だった香港。1997年に中国に返還されました。
ただ、仮想通貨については、中国本土と違い、中国政府の規制をほとんど受けないとされていました。

▼ただし、今年になってから、香港証券先物事務監察委員会(SFC)が規制を強めてきています▼

香港の証券先物事務監察委員会SFCは2018年2月9日、複数の仮想通貨取引所・ICO発行団体に対し指導を行ったと発表しました。
香港国内・もしくは香港関連の7つの仮想通貨取引所に対し、証券・先物に関する布告(SFO)の定める証券に該当する『仮想通貨の取引は、ライセンスなしでは行ってはならない』と警告したそうです。
Biance,2月8日にメンテナンスで不安が広がる

Biance,2月8日にメンテナンスで不安が広がる

そして2月8日、Binanceがメンテナンスを発表。
このとき、メンテナンス後の再開予定時間がどんどん遅くなるので、投資家の間ではGOXしたんじゃないか?という不安が広がりました。
この後は無事に再開。

ただ、この後、更なるBinance不安の種がまかれます↓↓

こういった経緯もあり、拠点を移すことにした模様です。

しかし、なぜマルタなのでしょうか?

背景①マルタは「ブロックチェーンの島」

マルタは「ブロックチェーンの島」を目指すことを明確にしている。

マルタはブロックチェーンや仮想通貨に寛容な国です。
現在、開発や投資を促進するために、ブロックチェーン技術の規制枠組みをどのように作成するかに取り組んでいます。
また、マルタは仮想通貨法を確立しようとしており、マルタ仮想通貨革新局も設置する予定とのこと。

ブロックチェーンや仮想通貨に関する規制も、建設的に行われています。
規制に関しては、以下のとおりです。

MDIA(マルタ・デジタル・イノベーション当局)法:デジタル分野における行政機関の相互協力と倫理面でのチェック
テクノロジーアレンジメントおよびサービスプロバイダー(TAS)法:テクノロジーアレンジメントにおける登録と認可の制度に関するもの
仮想通貨(VC)法:仮想通貨やICOに関してのサービスに関する規制

▼詳細はコチラ▼

▼仮想通貨の存在もすでにインフラとして組み込まれているマルタ▼

 マルタの大手ブティック型法律事務所E&Sは、ICOのセットアップ、法律サービス、トークノミクスといったICOに関連するサービスを提供する。マルタではすでにいくつかの企業がビットコインでの支払いを受け付けており、ビットコインのATMも存在する。このことはマルタ社会でのDLTの利用の広がりを示している。

Binanceは今後、「法定通貨と仮想通貨の預金・引き出しサービスの開始」、「分散型取引所」を開発することで、より中央集権の規制を受けない、トラストレスなシステムを目指していくと見られています。

今回の拠点移動に伴い、新たに200人を雇用すると発表されました。

ブロックチェーンを「これから」勉強する国よりも、「すでに」理解をしめし、インフラとして取り込まれている国の方が、開発なども圧倒的にやりやすいことは否定できません。

背景②マルタは「低税率の国」

BinanceやOKExの拠点移動の直接的な理由になったかどうかは分かりませんが、、、

マルタはタックスヘイブンの国としても知られています。
香港も確かに低税率ではあるのですが、マルタはさらに税率が低いのです。

▼香港の法人税率は2017年10月に次のように発表されました▼

課税所得200万香港ドル(約2800万円)までの税率を8.25%と、基本税率(16.5%)に比べて半減する。

たしかに税率は低いのですが、原則として恩恵を受けるのは中小企業者や売上や利益がそれほどないスタートアップに限られます。
BinaceやOKEXほどの規模なら、その恩恵を受けることはほとんどないでしょう。
16.5%の税率がほとんどの利益に課されることになるのではないでしょうか。

マルタの表面税率は高いけど「実質税率5%」

マルタの表面税率は高いけど「実質税率5%」

一方、マルタの法人税の仕組みは「表面税率35%、ただし実質税率5%」となっています。

表面税率というのは、最初の課税時点での税率が35%という意味かと思われます。
ただし、さまざまな要件に該当すると、税金が還付され、結果5%が実質税率になるのだとか。

EU加盟している以上、いきなり5%という税率を表に出すわけにもいかず(出すと名実ともに「タックスヘイブン」認定されてしまい、立場が悪くなる)、このような仕組みを取っている模様です。

マルタは法人税が実質たったの5%であり、外国人だけでも容易に会社を設立できる制度
実際は、海外資本を呼び込むため、海外の投資家と起業家に対する税制上の優遇(法人税の最低比率は5%)を行い、相続税、固定資産税、贈与税を免除しています。
有限会社を設立する場合は、わずか1135ユーロの資本金で可能です。

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鈴木まゆ子 / 1902 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。