史上最大の仮想通貨詐欺の可能性が指摘されているピンコイン(Pincoin)、アイファン(Ifan)のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の運営者が、事実関係について沈黙を守っている。このベトナムのプロジェクトには、推定3万2000人が6億6000万ドル(約707億円)相当を投資している。
ベトナムのモダン・テックグループの下で、連鎖販売取引のポンジ・スキームを行った疑いがある。
トークンセールにおいて、被害者が主張する15兆ベトナムドンを集めた後、現金の払い出しが行われず、4月8日にモダン・テックのホーチミン本社の外でデモが発生した。
メディアによりベトナム人幹部7人が事実上の首謀者であると確認される前、モダンテックは、同社はベトナムで両コインの唯一の公式代表だと主張していた。
モダンテックのオフィスビルのオーナーは「モダンテックは3月上旬に退去した。彼らが今どこにいるのかは誰も知らない」と話している。

ピンコインについては、金融詐欺事件に詳しいビハインドMLMによれば、不透明性と売買方式がポンジスキームの特徴を示しているとのことです。
もし、この二つのICOが詐欺だったとすれば、707億円相当が詐取されたことになり、仮想通貨業界での詐欺事件としては最大の被害額になります。

ポンジスキームとは?

ポンジスキームとは、信用させるための根拠をあえて作り、お金を持った人の心理をうまく取り込む詐欺の手法です。

◆ポンジ・スキームによる運用
1.出資者からお金を集める

2.運用しているように見せかけて実際は何もしていない

3.集めたお金を利益のように見せかけて配当する(集めたお金を横流ししているだけなので利回り50%が実現できる)

4.「利回り50%」という脅威の配当実績を元にさらに多くのお金を集める

5.しかし、集めたお金の半分(利回り50%の配当分)は流出し続けるのでいずれ資金ショートして破綻する
「利回り50%」と聞けば誰もが怪しむので、もし出資したとしても最初はリスクを考えて少額の出資にとどめるでしょう。
しかし、出資したお金はきちんと「利回り50%」で配当され、2年で2倍になっていくのです。
その実績をみた出資者は「この投資案件は素晴らしい」と信じ込み、より多くの追加出資を行います。ポンジ・スキームはこうした人間の欲を上手く引き出す手口なのです。
「お金」だけでなく「人」もうまく使って信じ込ませるポンジスキーム

「お金」だけでなく「人」もうまく使って信じ込ませるポンジスキーム

ポンジスキームが使うのは「お金」だけではありまません。「人」もうまく使います。

「利回り50%、2年で投資額が2倍になる」と言われただけでは誰も信用しません。

しかし、

「○○業界で有名なあの人も投資した」
「芸能人の△△さんも1000万円投資した」

と言われれば、「そんなスゴイ人が投資したなら大丈夫かな」「本当かもしれない」と次々とお金を出す人が出てきます。
さらに、目の前で他の人が投資している様子を見れば、損したくないばかりにつられてお金を出すのも人間の性です。

このように、信用が雪だるま式に増えていくのをうまく利用した詐欺の手口がポンジスキームなのです。

意見:ICOトークンは「ユーティリティ型」ではなく「証券型」にすべき

ICO詐欺が絶えない理由のひとつにユーティリティ型トークンであるから、というのがあります。

トークンの分け方にはいくつかありますが、スイスの規制機関FINMAでは、ICOのトークンを次の3つに分けています。

・支払いトークン
・ユーティリティトークン
・アセット(証券型)トークン

ユーティリティトークンは、将来提供されるであろうプロダクトやサービスにアクセスできる権利を出資者に提供します。
アセット(証券型)トークンは、債務や株式など資産の所有権を表すセキュリティトークンのサブカテゴリにあたります。

ユーティリティ型では将来提供される価値がどの程度のものなのかも分かりませんし、本当に提供されるかどうかもわかりません。つまりあやふやです。期待値しかありません。

ユーティリティトークンの特徴、アセット(証券型)トークンとの違い

ユーティリティトークンは投資として設計されていません。しかし、多くの人がユーティリティトークンICOに貢献しています。トークンの価値は会社の製品やサービスの需要が増えるにつれて増加することを期待しています。

Utility tokens are not designed as investments; however, many people contribute to utility token ICOs with the hope that the value of the tokens will increase as demand for the company’s product or service increases.

ユーティリティトークン価格の変動は、スポーツイベントチケットの価格変動と比較することができます。 1つまたは両方のチームがかなりの数のゲームに勝利し、チャンピオンシップの候補になると、将来のスポーツイベントへのチケットの価値が上昇する可能性があります。その一方で、スター選手が負傷したり、チームが長引く連敗を犯したりすると、同じチケットは価値が低下する可能性があります。

Utility token price fluctuations can be compared to those of sporting event tickets. The value of a ticket to a future sporting event may increase if one or both of the teams wins a significant number of games and becomes a contender for the championship. On the other hand, that same ticket may decrease in value if a star player suffers an injury or a team goes on a prolonged losing streak.

主な相違点は、エクイティ・トークンが所有権を所有者に与え、ユーティリティー・トークンはクーポンとして機能し、所有者に会社のプラットフォームや他の資産の所有権を提供しません。

the key difference is that equity tokens entitle the holder to ownership rights, while utility tokens function as coupons and do not provide holders with an ownership stake in a company’s platform or another asset.

ICOは「証券型で行うべき」

こういった状況の中、今はほとんど規制のかかっていないICOトークンを「証券型にすべき」という意見が出ています↓↓↓↓

個人的には、証券トークンは以前から早く良いレギュレーションがされるべきと主張していました。
多くのICOは価値のあやふやな「ユーティリティトークン」を発行していることが、ICOが詐欺的になる要因の1つであることに対し、配当がある証券型であればトークンの価値は説明ができます。

証券型のメリット:潜在投資家の拡大

証券トークンが利用されるようになれば、資産所有者はインターネット接続(規制制限内)を持つ相手であれば、見込み投資家になりえます。投資家を募る対象が、インターネット接続を持つ全ての人まで開かれた場合、潜在的な投資家ベースは大幅に増加します。
また、正当な資産評価がされていなかった(市場に歪みがあった)評価額のアセットが自由市場に放り出されて、適正価格と流動性を得るという事例もでるかもしれません。
例えば、今Airbnbの物件を運用したいと思って、銀行で融資を得るのは困難かも知れません。ですが、ちゃんと過去1年くらいのキャッシュフローでも証明できて、数字のプランが説明できれば投資をしたい人は沢山いるのです。

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鈴木まゆ子 / 1075 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。