コインチェック、マネックスグループの完全子会社化決定

先日お伝えしたように、コインチェックがマネックスグループの完全子会社となることが決定し、発表が行われました。
創業者を含む経営陣の保有株を含めすべての株式をマネックスグループが買い取り、現社長とCOOは執行役員に。
代わりに、今後のコインチェックの経営にはマネックスグループの経営陣が参画することになります。

ネット証券大手の マネックスグループは5日、仮想通貨交換業者の コインチェック(東京・渋谷)を36億円で買収すると発表した。巨額の仮想通貨流出を起こしたコインチェックの経営再建に向け、セキュリティーの強化やガバナンス(企業統治)の再構築を急ぐ。
 コインチェックの新社長にはマネックスGの勝屋敏彦常務執行役が就任するほか、松本大社長も取締役に就任する。1月に発覚した約580億円分の仮想通貨NEMの流出の責任をとる形で、コインチェックの和田社長や大塚取締役は退任するが、執行役員として残る。

コインチェックの新経営陣はどんな人?

新社長はマネックスグループの勝屋敏彦COO

新社長はマネックスグループの勝屋敏彦COO

勝屋氏は1989年に三菱銀行に入行、2006年にマネックスグループに入社しました。以来、同グループ内の企業で役員を歴任しています。

勝屋氏は旧三菱銀行(現三菱UFJ銀行)出身で、平成18年にマネックスに入社。27年11月から約2年にわたり傘下のマネックス証券の社長を務めた後、昨年10月にマネックスグループのCOOに就任。金融ビジネスに精通しており、コインチェック立て直しに適任と判断したとみられる。
マネックスグループ代表の松本大氏も取締役就任へ

マネックスグループ代表の松本大氏も取締役就任へ

マネックスと言ったらこの方、松本大氏もまたコインチェックの取締役に就任するとのことです。
コインチェック買収の決断については、営業利益率の高さに着目。
新規事業展開のコスト、新規参入業者としての金融庁登録にかかる時間的コストとのバランスから、今回の買収に踏み切った模様です。

ちなみに、コインチェック社の2017年3月期売上高は9億8000万円。2017年3月期の売上と営業利益は7億1900万円で営業利益率は73%にのぼります。

ガバナンスに強い久保利英明弁護士も取締役就任

ガバナンスに強い久保利英明弁護士も取締役就任

また、株主総会から総会屋を排除したことで有名なビジネス弁護士の久保利英明氏もコインチェックの取締役に就任することが明らかとなっています。
今回のコインチェックの不祥事についても原因究明を厳しく行い、法令遵守を徹底していくことが期待されます。

今回の買収の報道を受け、マネックスG株価ストップ高

マネクスG株は午後の取引で一時20%高の480円とストップ高まで上昇した。

また、今回のマネックスによるコインチェックの完全子会社化のニュースを受け、マネックスグループの株価が連日高値をつけています。

ビットコイン価格も影響を受けたか、5日に上昇傾向へ

ビットコイン価格も影響を受けたか、5日に上昇傾向へ

また、連日下落が続くビットコイン価格も、今回の買収報道を受けたためなのか、5日になって一転し、価格が上昇しています。
とはいえ、マネックスGの株価に比べて圧倒的に弱気です。

今後は、こういった買収劇の行方も仮想通貨価格の判断材料の一つになっていくのかもしれません。

マネックスグループによる今後のコインチェック経営方針とは

マネックスグループの仮想通貨事業へのスタンス

マネックスグループの仮想通貨事業へのスタンス

今回の買収劇により、一気に仮想通貨事業への参入スピードが速まったマネックスグループ。
突然の出来事のように思えますが、これは「来るべきチャンスがやっと来た」程度の出来事なのかもしれません。
既にGMOやDMMなどは仮想通貨事業に参画、他のYahooグループなども仮想通貨ビジネスへの事業展開に積極的な姿勢を見せています。

マネックスグループもその一つ。
静かに既存事業を続けつつも、水面下ではじっと仮想通貨事業の現状と将来性を研究・検討していました。

実際に当社は、かなり早い段階からビットコインには関わっている。(中略)現時点においても特にブロックチェーンに関しては、金融ビジネスの様々な部分においてコストを下げ、間違いのリスクを減らす可能性を持っているので、ブロックチェーンや仮想通貨についてはしっかりとフォローしていきたいと考えている。

2017年の株主総会で株主から「ビットコイン、イーサリアム等、仮想通貨に関して当社グループとして、どのような取り組みをしているのか?」と聞かれた際の松本氏の解答です。つまり、早い時点から資産としての価値、そしてインフラとしての価値を見出してた、ただチャンスをうかがっていたということになります。

また、4月6日の記者会見では次のようなコメントを松本氏が発しています。

■記者会見での松本氏の発言内容

「(両社が保有する口座数をあわせると)かなりの規模がある。若年層は仮想通貨のお客様がはるかに多いと思う。マネックスの新卒採用のプロセスの中でも、株式投資信託は触ったことがないが、ビットコインは持ってますという学生も多い」
法定通貨を扱うメガバンクのように、クリプトアセット(以後:仮想通貨)を扱うバンクが今後ますます重要になっていく。仮想通貨はすでにゴールドの時価総額の5%に達しており(一時期は10%)、世界でも重要な資産クラスになっている。資産をキープする手段としてますます重要になることは間違いない。

■仮想通貨交換業者登録と事業再開の見通しについて

仮想通貨交換業者への登録と事業の再開時期について「2カ月程度を目標にしている」

■今後のIPOの可能性も示唆

「仮想通貨の交換業は、ますます銀行に近くなってくる」
完全子会社化する仮想通貨業者のコインチェック(東京・渋谷)に関し、将来的に同社の新規株式公開(IPO)を目指すと表明した。

記者会見(4月6日)の詳細についてはコチラ↓↓↓

まとめ:「金融業」としての資産保護と法令遵守を意識しない交換業者は淘汰される

今回の買収劇は、今後の仮想通貨業界を占う上で非常に重要なキーポイントになります。
というのも、既存の仮想通貨業の問題点、金融業界の仮想通貨への見方・考え方、そして今後の仮想通貨と金融の融合がどのようになっていくかがきわめてクリアになったからです。

もっとも、その前段階として、Zaifやコインチェックへの業務改善命令や一部交換業者の撤退などから、すでにある程度は予測がついていたのですが。。。。

価格の低迷とは裏腹に、仮想通貨はどこかの(仮想通貨を大してよく知らない)経済学者の発言と異なり、投資家だけでなく消費者の生活にも浸透してゆく可能性が非常に濃厚です。
短期的な投機手段としてだけではなく、資産保全の手段、そしてスピーディな支払手段としての機能を併せ持つ仮想通貨。
より便利かつ安全な方法を望む人々の要望に応えるものであることは間違いありません。
ただ、現段階においては、そのデジタル的な要素があまりにも強く、金融としての位置づけがあやふやだったため、生じうるべきトラブルが生じ、起こり得るべき規制が行われた____そう考えるのが自然であるように感じます。

私見ですが、今後は次のようになっていくのではないでしょうか。


・既存の銀行、証券など金融業が既存の仮想通貨交換業者の買収に積極的に関与していく
・自社で仮想通貨を独自発行するよりも、むしろすでに知名度を持っているビットコインやイーサリアムなどが金融商品としての位置づけを得ていく(逆に言うと、知名度の低い草コインは淘汰)
・仮想通貨取引所のウォレットにも金融並みのセキュリティが要求される

発展期では「国家や組織の縛りのない世界を」の構想の強い人が参画することが多かった仮想通貨。
しかし、徐々に市民に普及していくうち、個人ですべて資産を保護しなければいけないストレスや技術のすべてに精通できない人も出てくるようになりました。
「それぐらいどうにか自力でやれよ」と吐き捨てるのはカンタンですが、それを言っていてはいつまでも仮想通貨の母集団は大きくなりません。

誰でも気軽にカンタンにかつ不安なく参入できる市場が今、仮想通貨には求められています。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 5324 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。