ベネズエラ、新仮想通貨「ペトロ」のマイナー募集

ベネズエラ、新仮想通貨「ペトロ」のマイナー募集

昨年末、新仮想通貨「ペトロ」構想を発表したベネズエラ。
国内野党からの批判にも関わらず、マドゥーロ大統領は実現に向けて着々と歩みを進めています。
今年3月中旬、マイニングのための設備を用意、目下、国民に向けてペトロマイニングへの参加を呼び掛けました。

2月のプレセールでは、ICOで700億円近くを集め、すでに資金的な面では5300億円が確保できていると発表しています。
ただ、どの技術をベースにしているのかなど、すべての情報が明らかにされているわけではありません。

ベネズエラ政府は、国の政策として仮想通貨のマイニングを行う予定だ。ニコラス・マデューロ大統領は、100万人規模の市民を動員してマイニング事業を展開する考えがある。

仮想通貨マイニングを雇用支援や技術向上につなげる考え

100万人もの人間をどう動員するのか?
命令して無理やり動かすのか?と一瞬思いましたが。。。

そういうことではなく、就業支援や技術の向上につなげる考えがあるようです。
ハイパーインフレでもはや既存の紙幣が紙屑同然となったベネズエラ。
通常の就業で得られる賃金が生活の糧になるはずもありません。

そこで、マイニングを身に着け、活かすことで、彼らの生活控除に繋げる目論見があるようです。

マデューロ大統領は、今回のマイニング政策を「青年デジタル就業プラン」と名付けた。高インフレで苦しむ市民への就業支援をするという狙いもあるようだ。就業プランは35歳以下で、大学生から失業者、シングルマザー、ホームレスと幅広い層からの参加を想定している。
ベネズエラの首都にあたるカラカスでは2月、仮想通貨に関連する技術を教えるスクールが開校されている。取引時のペトロの使用方法を教えるレクチャーもあり、政府は市民のペトロへの理解度を高める狙いがあるようだ。

マイニングに関するレクチャーはもしかしたらもはや必要ないかもしれません。
すでにベネズエラ国内ではビットコインやイーサリアムのマイナーが10万人規模で存在していると言われています。

■参考記事↓↓

ベネズエラは、2月20日に独自の仮想通貨ペトロの販売をスタートしている。すでに5300億円ほどの資金が集まっていることをマデューロ大統領は明かしている。

「資金的な面ではすでに確保できているし、準備万端OK」と言いたいのかもしれません。
そのペトロの担保となるものはベネズエラの石油など自国資源となっています。

ただ、その全貌が明らかにされているわけではありません。
そのベースとなる技術すら、いまだきちんと確定されていません。

NEMだともイーサリアムだとも言われています。

米「ペトロ取引禁止」

米トランプ大統領「ペトロの取引禁止!」

米トランプ大統領「ペトロの取引禁止!」

この一連の動きに対し、怒りをあらわにしたのがアメリカです。
社会主義色を強めていくベネズエラをけん制すべく、経済制裁を行ったわけですが、その網の目をくぐるかのような仮想通貨対策を講じられたわけです。
当然ですが、ペトロの取引禁止令を発します。

アメリカ、トランプ大統領が、1月19日以降に発行したベネズエラ仮想通貨「ペトロ」の使用・購入共に違法とする、と大統領命令を発しました。
ペトロに対しても「ベネズエラの人々の資源をさらに奪う一方、マドゥロ体制を支えるもう一つの試み」と位置付け、対抗姿勢を明確にしている。

この他、米財務省は、ベネズエラの経済失政と汚職まん延の責任を問う形で、ベネズエラの国立銀行幹部ら4人を制裁対象に指定しました。
さらにアメリカでは、ベネズエラの石油業界そのものに制裁を加えることを検討しているとも言われています。

「ペトロは詐欺通貨」の声も少なくない

ペトロの危うさはアメリカによる経済封鎖や非難だけではありません。
その存在そのものにも危うさがあると言われています。

例えば、「ペトロの価値の裏付けはベネズエラの資源である石油だ」とされていました。
しかし、現実には↓↓↓

ベネズエラ政府は仮想通貨「ペトロ」と石油の取引を保証していないため、取引できるのは、国の通貨「ボリバル」だけとなります。

「なぜこんなことが起きるのか?大統領は『ペトロは埋蔵された石油資源がペトロの裏付けだ』と言っているのに」
と感じますよね。

言っているのは大統領であって、政府そのものではないようです。

仮想通貨「ペトロ」が使えるとしてもそれはマドゥーロ政権の時代だけ

仮想通貨「ペトロ」が使えるとしてもそれはマドゥーロ政権の時代だけ

現在、大統領の地位を占めているのはマドゥーロ氏ですが、野党は根強く彼の独裁に反対しています。
今年4月に大統領選が前倒しされ、野党はこの選挙を「まっとうになされるとは思えない」としてボイコット。
マドゥーロ氏の独裁傾向がますます強まっています。

「発行者の信頼がゼロなら仮想通貨の価値もゼロ」

通貨の価値は原則として「信頼」から成り立っています。
これはデジタル通貨だけでなく、日本円、アメリカドルなど一般の通貨のすべてに共通する原則です。
そこから、そもそも「なぜベネズエラの既存通貨であるボリバルが紙屑同然となったか?」を考えることも大事なことです。

ボリバルが紙屑となったのは、発行者であるベネズエラという国への信用が落ちたからなのです。
大国アメリカからの経済封鎖を受け、政情が安定しない国との取引が危険とみなされれば、当然その国の紙幣も信用が落ちます。

ということは、言い換えると、経済封鎖の原因を作ったマドゥーロ大統領への信頼も著しく低下しているということでもあります。

ベネズエラのハイパーインフレを引き起こした当の本人が新たな通貨を作ったとしても、「詐欺」と言われてしまうのはやむを得ないことなのです。

テクノロジーによってハイテク商品のように見せかけているものの、ペトロは実質的に国債(国の借金)に似たものだと多くのアナリストは指摘する。

1000%を超えるとも言われるベネズエラのハイパーインフレをどのように解決し、どのように国をまとめて立て直していくか。

それは野党との対立構造を維持し、アメリカからの経済封鎖を受け続けている状況ではおそらく至難の業でしょう。

個人的見解ですが、社会主義を打ち出しながらも柔軟姿勢を見せる中国やその他の社会主義国をお手本にしていくことが一つのヒントになるかもしれません。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。