タイ中央銀行、同国の各金融機関に「仮想通貨にかかわるな」

コインチェック事件による資産流出や世界的な規制傾向が強まる中、タイの中央銀行は12日、銀行やクレジットカードなどの金融機関に対し、仮想通貨取引にかかわらないよう警告を発しました。

具体的には、顧客へのサービス提供を含めて、仮想通貨への投資や取り引きを行わないことや、顧客がクレジットカードで仮想通貨の購入をできないようにすること、さらに仮想通貨への投資に関する助言を行わないことなどを求めています。
タイの中央銀行は要求の理由について、現状では仮想通貨が法律で定められた通貨にはなっておらず、規制する法律もないこと、マネーロンダリングのような不正行為の手段として使われる可能性があることなどを挙げています。

タイではすでに、仮想通貨の規制に関する法案の検討段階に入っています。
タイ中銀であるタイ銀行、タイ証券取引委員会、財務省、アンチマネーロンダリング局から成る仮想通貨の作業部会により、仮想通貨関連の法整備の進め方に関する報告書が作成、近く発表される模様です。

タイ財務省の事務次官は次のように述べています。

「政府の警告や管理が無いままにビットコイン取引を許すことは受け入れられない」

また、ICOに関しては、有価証券に該当する可能性があるとして、タイ証券取引委員会が合法化に向けて積極姿勢を見せています。

東南アジアの各国で仮想通貨規制が強化

中国・韓国から始まった2018年の「仮想通貨規制強化」。
当然東南アジアにも飛び火しました。
おおよその各国が、投機やマネーロンダリング、盗難などを理由に規制の色を強めています。

インドネシア

インドネシアの中央銀行であるバンクインドネシア(以下:BI)が2018年1月13日、仮想通貨の販売、購入もしくは取引を控えるよう、すべての関係者に強く求める声明を発表した。
「ビットコインを含む仮想通貨は、有効な決済手段として認められず、インドネシアにおいて決済手段としての使用は禁止されるべきである」
インドネシアの禁止の背景にはISへの警戒心あり

インドネシアの禁止の背景にはISへの警戒心あり

インドネシアは仮想通貨を含むフィンテック全体に関し規制を強化しています。
この背景には2016年に起きたジャカルタでのテロ事件があります。
このとき、首謀者のISの資金決済手段に仮想通貨が使われていたとのこと。

身近で起きたテロ事件があるからこそ、規制もより厳しくなるのかもしれません。

フィリピン

フィリピンでもすでに、仮想通貨への規制が行われています↓↓

ベトナム

ベトナムの中央銀行であるベトナム国立銀行が10月30日に声明を出し、仮想通貨はベトナム国内における合法的な支払い手段ではなく、ビットコインを含む仮想通貨の発行や供給、使用は禁止すると発表した。
来年2018年1月1日以降からは、仮想通貨による支払いに対して、6600米ドル相当以上の罰金が科せられるようだ。

ベトナムは中国と隣接し、経済的には中国圏とみられています。
そのため、経済政策などについても中国の影響を受けやすい国。
昨年夏以降の中国の規制強化に倣い、自国でも規制を行うのは自然なことかもしれません。

マレーシア、シンガポールは「規制なし」「規制の根拠なし」

ただし、全部が全部、規制強化一色なわけではありません。
マレーシアに関しては「規制なし」を明確化、シンガポールは規制に対して慎重姿勢を見せています。

マレーシア

マレーシアは、この規制強化風潮が強まる中、めずらしく「仮想通貨を規制しない」旨を明らかにしています。

マレーシア中央銀行(中銀)のムハンマド・イブラヒム総裁は、仮想通貨取引を規制する考えのないことを再度強調した。12日付ビジネス・タイムズが伝えた。
仮想通貨のイノベーションは重要なものであるとし、今後イノベーションを阻害するような事はしないと完全な排除を否定した上で、規制などの適切な措置はとっていく方針である

シンガポール

シンガポールも「仮想通貨規制はしない」

シンガポールも「仮想通貨規制はしない」

シンガポールもまた、仮想通貨の規制を行わない旨を明らかにしています。「規制の根拠がない」からです。
ただ、マネーロンダリングなどの犯罪に関しては目を光らせていくとしています。

シンガポールのターマン・シャンムガラトナム副首相は、同国の金融管理局(MAS、中央銀行)が仮想通貨の潜在リスクについて分析を進めてきたが、現時点で国内の仮想通貨取引を禁止する強い根拠はないと表明した。
副首相は「仮想通貨は実験段階にある。国際的に仮想通貨の数や種類は増えつつある。成功するかどうかを判断するのは時期尚早だ」と指摘した。
過度な規制強化によるブロックチェーン技術の弱体化を懸念

過度な規制強化によるブロックチェーン技術の弱体化を懸念

マレーシアもシンガポールも仮想通貨規制には慎重姿勢です。
この背景にはブロックチェーンの弱体化への懸念があるようです。
両国とも金融立国であり、効率化や安全性を促進するブロックチェーンには強い関心を持っています。
「台帳技術さえあればいい」が本音だとしても、その主体である仮想通貨が抑圧されることで技術までもが弱体化することを怖れているのかもしれません。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。