ロイター通信の今月1日のニュースによれば、アメリカの主要な保険会社では現在、仮想通貨の盗難補償の保険商品を積極的に開発し、顧客に提供しようとする姿勢が強いそうです。
これには、先日のコインチェック事件が影響しているものと思われます。

主要な国際的保険会社は仮想通貨盗難対策の保険商品の提供を開始しようとしている。ボラティリティが高く規制がほとんどかけられていない一方急速に成長しているビジネス分野において、チャンスを逃すよりも、あえて困難なチャレンジを行おうという姿勢だ。

Major global insurers are starting to offer protection against cryptocurrency theft, willing to tackle the daunting challenges it brings rather than miss out on this volatile and loosely regulated, but rapidly growing business.

現時点では、仮想通貨関連の保険商品はXL Catlin, Chubb、三井住友海上しかやっていません。また、その保険の対象も企業であって個人向けではありません。さらに、その保険商品も保守的なものがほとんど。

しかし、これまで、個人の取引所ウォレットから盗難される事件は相次いでいます。仮想通貨はマネーロンダリングやテロ資金という「手段」として見られがちですが、実はそれ自体が盗難やハッキングと言う犯罪の温床ともなっているのです。

そしてそんな中、コインチェックがNEMを約580億円分盗まれるという事件が発生しました↓↓↓

リスクは明らかです。暗号通貨の投資家は、すでに何十回もの暗号通貨ハックや技術的なエラー、そして詐欺によって何百万も失ってきました。後々、ハッキングされた取引所は閉鎖に追い込まれました。

The risks are clear: digital currency investors have already lost billions from dozens of cryptocurrency hacks, technical errors and fraud. Many hacked exchanges later shuttered.

歴史の浅い仮想通貨の世界…どうやって保険商品を構築するか

とはいえ、仮想通貨の世界はまだ歴史が浅く、バランスのとれた保険商品を構築するのは困難を極めます。
保険商品を検討する場合、大抵は過去の事故率や盗難率からどれくらいの内容をカバーし、保険料率などをどうするかを決めていきます。
つまり、データがないと難しいのです。

実際に、既存の仮想通貨保険ビジネスも、カバーする対象は限定的となっています。

そこは、保険会社ごとに試行錯誤をしています。

American International Group Incの金融機関向けの北米サイバー保険訴訟を担当するクリストファー・リウ氏は、そお答えは似たようなリスクプロファイルを持つ既存ビジネスを探し、その手法を応用することだと述べた。

Christopher Liu, who heads American International Group Inc’s North American cyber insurance practice for financial institutions, said the answer is to find an established business with a similar risk profile and try to adapt what works there.

「事故や盗難のような問題が発生した場合、こういった被害をデータとしてすべて蓄積するようにしている」。
リウ氏はAIGが2014年に仮想通貨盗難補償の調査を開始したと述べ、さらにいくつかこのようなポリシーについても記しているが、現時点でまだ調査段階だ。

”If there is a problem – like an accident or a robbery - that’s going to be the accumulation of all these exposures.” Liu says AIG began researching cryptocurrency theft coverage in 2014 and has written a few such policies, but remains in an “exploratory phase.”

XL Catlinの北米犯罪被保険者引受責任者のGreg Bangs氏は、企業はビットコインの盗難保険を開発する前に、まずはその分野の専門家や潜在的な顧客と話をし、この新しい技術分野の専門家に自らがなることが大事だと述べている。

Greg Bangs, head of XL Catlin’s North America crime coverage underwriting recounts how the firm had to become its own expert on the new technology by talking to key players and potential clients before developing bitcoin theft insurance.

データ蓄積や市場調査だけでなく「顧客」を知ることも大事

データ蓄積や市場調査だけでなく「顧客」を知ることも大事

また、これだけでなく、顧客の調査、つまり、法令遵守しているクライアントとそうでないクライアントを区別することを主眼に置いている保険会社もあります。

関係者の範囲やオペレーションの規模、操作手順など、事細かく見ていかなければ、正確な保険対象や保険料の算定などを行うことが難しいのです。

「情報提供を拒否したり、あるいは法令遵守に関する質問に対する答えを持っていないような人は、大抵自己責任で保険対象から外れていく」

“If someone is hesitant to provide information and they don’t have answers to compliance questions, they tend to disappear on their own,”

逆に言うなら、こういった調査内容を踏まえた上で保険商品を構築すれば、企業の自己責任と保険会社のカバー内容とのバランスがとれるということでもあります。

今後の仮想通貨業界の発展を考えると保険は不可欠

仮想通貨がリスクを減らすべく様々なブロックチェーンでバックアップされているとしても、一定のリスクは避けられないものです。「リスクあるところに保険あり」なのです。

Although cryptocurrencies are backed by various blockchains designed to reduce risk, a certain amount of risk is unavoidable. And where there is risk, insurance follows.

統計やデータが不十分な仮想通貨の業界で完全にリスクをカバーできる保険商品の開発は現時点では不可能でしょう。
しかし、今後、仮想通貨が経済社会において不可欠になっていくと考えると、保険もまた必要になってくるものだと思われます。

仮想通貨で頻繁にビジネスを行っている企業は、既存の保険でどうにかリスクをカバーできないかと考えるのではなく、(ここに書いたような)仮想通貨対象の保険の導入を検討した方がいいでしょう。

Companies dealing frequently in cryptocurrency would do well to consider obtaining an insurance product, like one discussed here, rather than hoping that coverage can be found in one of their existing insurance policies.

仮想通貨の使用の幅が広がるにつれ、企業はこういった保険商品の導入を検討するようになるでしょう。企業が自らの主業務が技術関連と位置付けていなくてでも、です。新しいテクノロジーの波はあらゆる産業に波及する可能性があります。

As the use of cryptocurrencies becomes more widespread, companies may begin to consider using these products, even if they do not consider themselves to be primarily tech companies, as any new wave of technology has the potential to cause ripple effects throughout multiple industries.

感想

感想

先日のコインチェックのNEM流出事件は、加入していた東京海上日動のサイバー保険の対象外になる模様です。ただ、このような事件が連続して生じるようであれば、今後、さまざまな保険会社が対応した保険商品を検討するようになるのではないでしょうか。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。