金融庁関係者、ブルームバーグインタビューに回答

金融庁関係者、ブルームバーグインタビューに回答

先日、金融庁関係者がブルームバーグのインタビューに匿名で答えました。

昨年アメリカで上場した仮想通貨先物が話題となり、日本の関係者も興味を示しています。
ですが、金融庁としては、現時点では、こういった関連金融商品に対応した法改正は検討していないとのことです。

回答1:先物上場に対応した法改正は検討の予定なし

金融庁は、ビットコインなど仮想通貨の先物上場を模索する動きが出始めているのに対し、上場に必要となる法改正を検討する予定は当面ないと否定的な見解を示した。
先物などの金融派生商品を検討するということは「金融商品取引法」を改正するということ

先物などの金融派生商品を検討するということは「金融商品取引法」を改正するということ

昨今話題となっている先物や投資信託(ETF,ETNなど)が日本でも、、、と期待する声が少なくありません。
国内法では、そのような金融商品にする場合、金融商品取引法の対象として法改正を行う必要があります。
日本でも、このような金融商品を期待する声も上がっていますが、「投機商品としての要素が強い現段階では検討対象ではない」ようです。

ただし、ボラティリティが下がり、投機商品としてではなく決済手段としての需要が高まった場合、一商品としてリスクヘッジをする=先物として取引する必要性が出てきます。
そうなった場合には、先物上場に向けた法改正の検討の可能性が出てきます。

回答2:目下の仮想通貨の課題は「安全性」「犯罪防止」

金融庁監督局審議官の回答から

金融庁監督局審議官の回答から

さらに昨年12月、Business Insider Japanのインタビューに金融庁監督局の水口審議官が回答。

資金決済法の意図を含め、金融庁が仮想通貨に関し、何に焦点を当てているかについて答えました。

資金決済法の最大の目的は「犯罪防止」

資金決済法の改正の経緯・趣旨から説明したい。2015年6月に開かれたG7エルマウ・サミット(ドイツ)等を踏まえ、同年6月のFATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会=Financial Action Task Force on Money Laundering)という国際機関において、仮想通貨と法定通貨との交換について登録・免許制を課すとともに、顧客の本人確認や疑わしい取引の届出・記録保存義務等のマネーロンダリング防止とテロ資金供与に関する規制を課すべきとの国際的な要請が出てきた。
改正資金決済法では、仮想通貨には事実上支払決済手段としての機能があること等も踏まえ、一定の要件を満たす財産的価値として仮想通貨を定義した。
「犯罪に使われる恐れ」→「財産的価値がある」→「安全性管理が大事」という流れ

「犯罪に使われる恐れ」→「財産的価値がある」→「安全性管理が大事」という流れ

つまり、「仮想通貨の通貨としての価値」云々が先ではなく、現状を鑑みての規制と対策の必要性から生じたのが資金決済法の改正だったと言えます。
秘匿性の高い仮想通貨。同時に、その昨日から決済手段としても用いることができます。

秘匿性が高い=匿名取引を放置してはマネーロンダリングやテロ資金を野放しにすることにつながります。

くわえて、個人投資家の保護という観点から、取引所そのものに安全性の管理や自己資本と預かり資本の区別の必要性が出てきたとも言えます。

よく「マウントゴックスの事件が資金決済法の改正の背景にある」と言われていますが、むしろそれ以上に犯罪やテロ対策としての側面が強いようです。

そして、取引所の登録審査では、次の4つがポイントとなっています↓↓↓

1.サイバー対策を含めシステムの安全性が確保されているか

2.マネーロンダリング防止とテロ資金対策を踏まえた顧客の本人確認の態勢が整備されているか

3.顧客の資産と交換業者の資産を分別して管理する分別管理がなされているか

4.仮想通貨に関するリスクを利用者に適切に説明する態勢が整備されているか

投資家保護についても注視、ただし現状は「取引所同士の自主規制」に期待

また、詐欺などの横行がしばしば話題となるICOについても注意を述べています。
野放しでよいわけではなく、規制が必要であるとしています。

また、同インタビューでは、投資家保護についても回答をしています。
株式市場と違い、投資の際のファンダメンタルズ(基礎的条件)がなく、どちらかというと風評やポジショントークによる相場の操作が目立ちます。また、インサイダー取引の疑いもしばしば発生します。

金融庁としても、放置してよいとは考えてはいないのですが、現時点では「取引所同士の自主規制頼み」になっているようです。

改正資金決済法上は仮想通貨交換業者の監督という側面に着目して制度化されているが、現状において仮想通貨の相場操縦やインサイダーといった不公正取引防止のための直接的な規制は含まれていない。しかし、そのままでよいのかと言えば、そうは思っていない。
まずは業界の自主的な取組みで利用者の保護を図っていく必要があると考えられる。
金融庁としても、例えば、各業者が運営する取引市場において不自然な動き等があった場合には、利用者保護の観点から、検査・監督権限に基づき、当該業者の取引状況を確認するなど実態把握に努め、必要な対応を行うこととなる。

ICOは取引所としての登録が必要

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ICOを実施する事業者についても、例えば、法定通貨で払い込み、運用を行い、法定通貨で配当するようなスキームを業として行えば金融商品取引法上の規制対象となるが、仮想通貨での支払いや配当を行う場合でも実質的に法定通貨での購入と同視できるスキームについては、規制対象になると考えられる。
ICOにおいて発行される一定のトークンは資金決済法上の仮想通貨に該当し、その交換等を業として行えば、交換業の登録が必要になる。上記の意味で、事業者の動きも注視していく必要がある。

また、金融庁はすでに自らICOに対して投資家に注意喚起をしています↓↓↓

回答3:仮想通貨単体よりもフィンテックの促進が重要

仮想通貨そのものというより、むしろ、それを支えるブロックチェーン技術、より広くIT技術の進展によるフィンテックを日本としてどう促進していくかが重要であると思う。

企業だけでなく、国としても、ブロックチェーンを含めたフィンテックには大いに関心があります。
財政難の中では、決済を含めた行政の効率化が目下の課題だからです。

「仮想通貨への規制とは何か」を見極めることが重要

「仮想通貨への規制とは何か」を見極めることが重要

資金決済法の改正による仮想通貨の定義、そして取引所の登録制度の登場時、我々は脅威に感じるどころかむしろ「仮想通貨市場が広がる!」と期待を寄せていたものでした。

しかし、昨今の中国・韓国、そしてヨーロッパでの規制強化の波には、なぜか市場は弱気に反応しています。

なぜでしょうか。

それは、中身をよく見もせず、反射的に「規制=禁止」として反応しているからではないでしょうか。
感情的に反応するのは人間なので仕方ないところではありますが、だからといって事実をよく見、考えようとしないのは、健全な市場形成を阻むことにつながりかねません。

じじつ、韓国での規制は「匿名取引を実名取引に変える」という内容です。
つまり、取引所の登録制度の際に導入された「身分証明などの徹底」とほぼ同じ内容です。

「仮想通貨の市場が拡大するように法改正を」という声がよく聞こえますが、投資家の我々も感情的に反応するのではなく、理性的に対応することが求められているのではないでしょうか。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。