今回の暴落でもっとも痛手が深いのが「証拠金取引」

今回の暴落でもっとも痛手が深いのが「証拠金取引」

今回の暴落により、ほとんどの仮想通貨は半値~3分の1に下落しました。
「それでも昨年同月よりは価格が上だからいい方」とはいえ、年初の高騰を見て仮想通貨取引に算入した方々にとっては、思わぬショックだったのではないでしょうか。

とりわけ、証拠金取引をしていた方々は、痛手が深いようです。

下落が加速した背景には元手を上回る取引ができる証拠金取引の広がりがある。
「ここまで損失が膨らむとは思わなかった」。仮想通貨取引歴5年のSHIN(27、ハンドルネーム)さんは見込みの甘さを痛感したという。
活用していたのは元手より大きな金額を取引できる証拠金取引だ。500万円の証拠金を差し入れてビットコインを売買していたが、24時間で価格が2割下がると取引所は強制的に損失を確定する反対売買(強制ロスカット)を発動した。
SHINさんの損失額は元手を大きく超える約1600万円。証拠金を失い現物で持っていたビットコインも売却した。さらに証拠金を450万円追加する必要がある。

この他、証拠金取引に関しては、「元手は数百万だけど、数千万円を借り入れて、今回の暴落の結果、口座のマイナスが1000万円を超えてしまった」という声も聞こえています。

証拠金取引とは何か?

よく「仮想通貨FX」というネーミングで知られる仮想通貨の証拠金取引。
FXとは正しくはForeign Exchange(外国為替証拠金取引)なので、仮想通貨のレバレッジそのものを意味するには妥当とは言えません。。。が、イメージしやすいし何よりカンタンに言いやすいのでこの言い方が定着したものと思われます。

具体的な内容は次の通りです。

仮想通貨でもFXの様に証拠金を使った取引、つまりは元手の金額よりも大きな金額を取引できる、レバレッジ取引が可能になったということです。
仮想通貨FXやFX、先物取引など他の信用取引は、”差金決済”という方法が使われています。
差金決済とは売りと買いだけで決済を行う仕組のこと

差金決済とは売りと買いだけで決済を行う仕組のこと

例えば、預かり金が100万円ある場合に、1BTCを60万円で買い→70万円で売り→80万円でまた1BTCを買う…という取引を行ったとします。

この取引は、2BTCを140万円で買ったと同じと考えられます。
すると、本来140万円(60万円+80万円)に必要な取引を、預かり金100万円で行い、不足する40万円をビットコインの売り代金と買い代金の差額で決済してしまうことになります。

そして通常、140万円分のビットコインを100万円のおカネで買えるとは思いません。
「40万円足りないから買えない」と考えます。

しかし、ビットコインが確実に買った金額より高く買えること、そして利益が出ることを考えるとするなら、この場合の「40万円足りない」で取引をやめてしまうことは機会損失につながります。そこでチャンスを逸することなく迅速に利益を手にできる仕組みが「差金決済」なのです。

そして、その利益の度合いを大きくするのが「レバレッジ」です。

証拠金取引については先ほど述べたとおり、その会社によっても異なりますが、レバレッジ(てこの原理)を利用して少ない証拠金で大きな金額を取引することが出来ます。本来なら1000円の物を仕入れるのには1000円が必要ですが、20倍のレバレッジ取引の場合、50円で購入することが出来てしまいます。

メリット1:少ない元手で大金を稼ぐことができる

例えばレバレッジが20倍の取引の場合、5万円の元手で100万円分のポジションをとることが出来ます。極端な話、ビットコインが100万円の時に買って、200万円の時に売却できれば、5万円の資金を元に100万円を稼ぐことが出来る、ということです。少ない資金でも効率よく取引を行うことが出来ます。

メリット2:空売りで値下がりポジションになっても利確が可能

これは株式の売買でもよく用いられる手法ですね。
株主優待目当てで株を購入する人が、権利落ちによる価格の下落に備えるためにあえて空売りを行うというのがよく見られます。
こういった「予測できる下落」に備えるには、証拠金取引はうってつけなのです。

メリット3:365日24時間取引が可能

これは証拠金取引のメリットというより仮想通貨取引のメリットというべきでしょう。
仮想通貨市場は株式市場と違い、24時間365日動いています。
そのため、いつでもどんなときでも取引することが可能なのです。

デメリットは?

注意:メリットはそのままデメリットにつながる

注意:メリットはそのままデメリットにつながる

ただし、ここで注意していただきたいのが「メリットはそのままデメリットにつながる」ということです。

レバレッジを利かせるということは、価格が上昇すれば利益が膨らみますが、下落すれば損失が膨らむということでもあります。
また、常に先が予測できるわけではありません。
さらに、24時間365日取引できるということは、その分、心も身体も「休む時間が減る可能性がある」「常に価格に興奮しっぱなしになる」ということでもあります。

事実そのものはニュートラルであり、メリットだけを享受することはできないのです。

そして、仮想通貨市場のボラティリティを狙って証拠金取引を行う人も少なくありませんが。。。

ボラティリティが高いということは「流動性が低い」ということの裏返しでもあります。

外国為替に比べて圧倒的に価格変動の激しい仮想通貨市場。
それは、外国為替にくらべ、「市場が小さい」ということを表してもいます。

ビットコインはマイナー通貨のFX取引に似ている
外貨の売りと買いが交錯していれば良いが、外貨の売りと日本円の引き出しが集中したら業者の持っている日本円は底をつき資金ショートで即死する
実際にアイスランドクローナでは収益が得られた投資家も取引停止になり利益を確定できなかった

そして、ビットコインの証拠金取引をしていて、暴落により100万円の借金を抱えた人はブログで次のようにつぶやいています↓↓↓

相場の世界で一番恐ろしいことは、注文が通らないことだと実感しました。

利益は確定して初めて利益です。
何に確定するか?
それは現時点では「私たちが日常使っている通貨」です。

しかし、その取引がうまく成立しない場合、狙った利益は絵に描いた餅で終わり、残るは借金だけとなるのです。

さらに、利益ばかりではありません。それなりにコストもかかります↓↓

仮想通貨FXの場合、取引所によって若干異なりますが0.04%前後の保有手数料を取られてしまいます。0.04%と聞くと少なそうですが年利に直すと14.6%にもなります。実に消費者金融並みの高さですね。

証拠金取引での注意点とは

それでも「億万長者になりたい」「○○万円ほしい!」という人間の願望はつきないものです。
今回の暴落で痛みを感じている人も、ほとぼりがさめれば証拠金取引に再びチャレンジすることを検討することでしょう。

この場合、何に気をつければいいのでしょうか。

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鈴木まゆ子 / 4790 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。