税額控除もチェックしよう

税額控除もチェックしよう

主たる節税は主に所得額の算定(総収入金額-必要経費)と所得控除で行われることが多いもの。
しかし、税額控除もまた大事な節税ポイントとなっています。

※「仮想通貨の節税」過去記事※

税額控除とは

では、税額控除とはどのようなものでしょうか。

この税額控除の前に、実は次のような作業がすでに行われています。




合計所得金額-各種控除の合計=課税される所得金額
 ↓
課税される所得金額×税率(累進税率)=所得額に対する所得税額



「あなたたち国民の事情もすべて配慮して控除という仕組で税金が適正になるようにしてあげた。所得額も出たし、税率も適正だよね。さあこれが税金だ!納めなさい!」

と言ってもいいのですが(一応申告納税制度だけど、税金は強制力ありますよね(;´Д`))、
それでも人によっては住宅ローンを抱えていたり、認定NPOや政党などに寄附をしまくっていたり、あるいは海外に収入があったりして、そのまま納税をさせては国家政策から鑑みて不適当だったり、二重課税をさせてしまうことになります。
これでは適正な課税を行うことはできません。

つまり、それぞれの人の事情を基本的人権の尊重の見地から配慮はしてあげたけど(所得控除)、その先は国家的見地から控除を行う必要があるのです(税額控除)。所得税法だけでなく、租税特別措置法や震災特例法によって更なる控除を配慮する必要があります。


これが、税額控除というシステムです。

税率に影響されない箇所に設置されているのは、個々人の担税力と関係のない箇所だからだと言えます。

税額控除とは、課税所得金額に税率を乗じて算出した所得税額から、一定の金額を控除するものです。
税額控除は、所得控除を差し引いた後の金額(課税所得金額)に、税率をかけて計算した税額から
 直接、控除が適用されます。
 そのため計算された所得税額を限度として、控除の金額がすべて税額から差し引かれます。

どんな税額控除があるの?

では、どんな税額控除があるのでしょうか。
おおよそ次のようなものがあります。

・配当控除
・外国税額控除
・寄附金控除
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除 など


この他、青色申告者や青色申告を行っている一定の中小企業者を対象とした税額控除などがあります。

配当控除

配当控除とは、国内株式等の配当等について、総合課税を選択して確定申告をした場合に適用される税額控除です。
例えば、国内株式の配当は、通常、法人税が課された後の利益を株主に分配するものですが、ここにさらに所得税が課されると二重課税になってしまいます。これを排除する意味で、税額控除として設けられたものが配当控除です。
配当控除率は課税総所得(申告分離課税分の所得を含みますが、山林所得・退職所得は除きます)の金額により異なり、所得税については配当所得の10%又は5%(住民税については配当所得の2.8%又は1.4%)が算出税額から差し引かれます。
ただし、申告分離課税を選択したら適用は受けられない

ただし、申告分離課税を選択したら適用は受けられない

基本的に、配当金に係る所得税は源泉徴収されています。
そのため、特段確定申告をしなくてはいけないわけではありません。
「した方がオトクじゃない?」___それだけです。
軽減税率も終わっちゃったことですし。

ただ、これは、配当金を総合課税で申告をした場合のみです。
配当金について、株式などの譲渡損と損益通算すべく分離課税を選択した場合は、配当控除の適用は受けられません。

<配当金の税金の支払い方法は3つ>

1.配当金に対して20%の源泉徴収で終了。
2.確定申告をして、配当控除の適用を受ける。(※総合課税を選ぶ)
3.確定申告をして、株などと損益通算をする。(※申告分離課税を選ぶ)
●「総合課税」で申告すると得をする人 ♪

配当を含めた課税所得が695万円以下↓の人
配偶者控除などの適用を受けている人で、配当以外に所得がなく(専業主婦など)、株の利益や配当所得などの合計が38万円以下↓の人
●総合課税を選ぶと損をする人

配当を入れた課税所得が695万円超↑の人
配偶者控除などの適用を受けている人で、配当以外に所得がなく(専業主婦など)、株の利益や配当所得などが38万円超↑の人(扶養から外れてしまいます)

ちなみに、適用対象は次の通りです。

・国内株式(非上場株式を含む)の配当金
・国内上場株式投資信託(不動産投資信託「J-REIT」(☆)を除く)の分配金
・国内優先出資証券の配当金

外国株式やREITは対象外となります。

■配当控除に関する参考サイト↓↓↓■

外国税額控除

外国と日本での二重課税を調整するために設けられた制度です。外国で生じた所得には、外国の税制により税金が徴収されることがあります。また日本に居住していれば、国内外を問わず、すべての所得に税金が課されます。そうなると外国で生じた所得には、二重に税金が課されることになります。

この二重課税を調整するために、一定の金額を所得税の額から差し引くことができます。これを外国税額控除といいます。
配当控除アウトの外国株も外国税額控除の適用はOK

配当控除アウトの外国株も外国税額控除の適用はOK

先ほど「外国株は配当控除の対象外」とお伝えしましたが、外国税額控除の対象にはなります。
なぜかというと、配当金にもその外国の現地の所得税が課税されており、さらに日本でも課税となると二重課税になってしまうからです。

なお、この外国税額控除、海外の取引所で売買を行い、海外の国でキャピタルゲインに対し所得税を課税されている場合も適用されることになります。

※注意※

外国と一口にいっても、税制は国によってさまざまです。
キャピタルゲインや配当利益に課税しない国もあれば、源泉徴収などでしっかり課税していく国もあります。

その国の税制をしっかり調べ、もし、難しいようであれば、国際税務専門の会計事務所に相談なさることをおススメします。

■外国税額控除の参考サイト■

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鈴木まゆ子 / 5043 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。