「控除」も節税ミスの発生しやすいポイント

「控除」も節税ミスの発生しやすいポイント

仮想通貨の確定申告の節税第三弾。
今回は「控除」についてお伝えします。

「控除」も意外や意外、うっかりミスの発生しやすいポイントです。
単に忘れていた・・だけでなく、「知らなかった」ことで損することも。
そのようなもったいないことはなるべく避けたいところですよね。

どんなところに注意したらいいかについて解説していきます。

※参考:これまでの記事※

「控除」って何?

控除は簡単に説明すると所定の条件に適合することで、所得や税額から引くことができる金額を指します。確定申告の際に納税額を減らすためには、控除に関する正しい理解が必須です。
控除には「所得控除」「税額控除」がある

控除には「所得控除」「税額控除」がある

「控除」とは「差し引く」という意味です。そして、所得税の控除には2種類あります。
「所得控除」と「税額控除」の二つですね。

それぞれをしっかり漏れなくダブりなく…なんて思っていても、案外うっかりしているもの。
特に、一般的なメディアやネットの情報のイメージだけでやっている場合は、「落とせるものも落としてない」がために損していることもあります。

どんなところがポイントになるのでしょうか。

所得控除について

所得控除は税金計算前、所得の段階で差し引くもの

所得控除は税金計算前、所得の段階で差し引くもの

まず、所得控除についてです。
これは税率を乗じる前の、課税所得額計算の段階で合計所得額から差し引く部分になります。

実際の税金への効果については、一般的に、この金額に自分の税率を乗じて計算してシミュレーションすることになります。

が。

ここの控除額如何で税率も変わります。
つまり、うっかり漏れのために、本来なら23%税率で済むところが、33%税率になってしまったりするのです。
住民税の所得割の税率が10%なので、実際の実効税率として考えると33%→43%という具合に大きく変化します。

この率の違いの大きさは、日頃仮想通貨の価格変動に感情を揺さぶられている皆さんならご理解いただけるのではないでしょうか。

所得控除には12種類あります。順を追って説明していきますね。

■雑損控除

雑損控除は、自身の資産について災害や盗難などによって損害を受けた場合に、その損失の一部を所得から差し引くことができる所得控除の一種です。
雑損控除の対象になる資産は、納税者本人のものか、納税者と同じ財布で生活している配偶者などの親族で総所得金額等が38万円以下の人のものとなります。
ただし、事業所得あるいは雑所得で仮想通貨所得を申告するなら雑損控除は適用外

ただし、事業所得あるいは雑所得で仮想通貨所得を申告するなら雑損控除は適用外

雑損控除というと一般的には「震災などで被害を受けた場合に適用」のイメージが強いのです。では、仮想通貨にも使えるのではないか?と思いますよね。
それもOKではないかという考えもありますが、仮想通貨の所得は事業所得か雑所得に該当すると考える点から、私は雑損控除の適用対象外と考えます。

なぜかというと、次の要件に合致するからです。

また、その資産は生活に通常必要な資産であることが条件ですので、次のようなものは除かれます。

1.棚卸資産や事業用の固定資産等
これらの損失は事業所得などの所得の計算上で必要経費になります。

2.生活に通常必要でない資産
別荘など娯楽や保養などの目的で持っている不動産やゴルフ会員権など、また貴金属や書画骨董などで1個または1組の価額が30万円を超える生活に通常必要でない動産のことをいいます。これらの損失の額は譲渡所得から控除することができます。

仮想通貨の盗難による損失は上記1に該当すると思われます。
売買や使用の規模の程度により、事業所得か雑所得かになりますが、購入した仮想通貨は原則としてその取得価額は必要経費に算入されることには変わりがありません。

事業所得あるいは雑所得計算の際に必要経費に算入したのに、さらに雑損控除となると、経費の二重計上になり、適正な所得計算になりません。

そのため、盗難による被害は、所得控除ではなく、必要経費として処理すべきだと考えるのです。

日本円あるいは外貨での盗難は雑損控除で

日本円あるいは外貨での盗難は雑損控除で

ただし、雑損控除適用外になるのは「仮想通貨の状態」のときです。
日本円や外貨などいわゆる「通貨」に換算して盗難に遭った場合は、雑損控除の適用対象になるかと思われます(ただ、その外貨でさらにFXやっていたら、「取得価額でやってね!雑損控除はダメよ」ってなるかと思いますが。。。)

その他、震災や風水害などでご自宅が被害に遭い、実損が出ていたならば、雑損控除を検討してみてくださいね。

ただし、詐欺による盗難は雑損控除の対象になりません。

↓↓↓詳しくはコチラ↓↓↓

■社会保険料控除

社会保険料控除は、自分や「生計を一にする」親族の負担すべき社会保険料を支払った場合などに受けられる控除です。病気や怪我の有無にかかわらず、支払った全額が控除されます。個人事業主の場合には、国民健康保険や国民年金などが対象となります。

社会保険料控除もよくある控除の一つです。「大丈夫!」と思いがちですが…個人事業主の場合、国民健康保険料の領収書をうっかりどこかにやっていて集計漏れが発生したり、家族分を忘れていたり、なんてことも発生します。
また、年の途中で会社をやめて、国保や国民年金に切り替えた人も要注意です。
また国民年金基金などもこれに含まれます。

漏れがないように、十分注意しましょう。

■生命保険料控除、損害保険料控除

生命保険料控除とは

生命保険料控除とは

生命保険料控除は、生命保険料を支払った場合に受けることができます。

控除額は、年間の支払生命保険料によって変わってきます。
・平成24年1月1日以降に契約した生命保険料は、支払保険料が8万円を超えた時点で一律4万円
・平成23年12月31日以前に契約した生命保険料は、10万円を超えた時点で一律5万円
が控除される金額となります。
地震保険料控除とは

地震保険料控除とは

地震保険料控除は、損害保険などに契約した際に、オプションで地震での損害に対する保険料を支払った場合に受けることができる控除です。最高で5万円の控除を受けることができます。確定申告の際に、契約を結んだときに送付される地震保険料控除証明書が必要となります。

いずれも、年末年始になると、保険会社から控除証明が送られてきます。
なので、おそらくほぼ漏れはないものと思われますが。。。うっかり捨ててしまっていることがなきにしもあらず。
自分が何に加入していたかをリストアップし、その控除証明がちゃんと届いているかどうかを確認してくださいね。

■小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除は、個人事業主の退職金といわれている小規模企業共済等掛金を支払った場合に受けることができる控除となります。

払い込んだ掛金全額が控除対象となるのが特徴です。例えば、小規模企業共済で掛金を月額7万円を払っている場合、年間84万円が全額控除されます。

この小規模企業共済等掛金控除の対象となるのは次の3つです。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。