元祖ボランティア運営の知識集積型メディアのWikipediaの創業者は「ICOもブロックチェーンもNO」と言っていますが▼

時代は今や「非中央集権嗜好」(中央集権がまったくいらないというわけではありません)。

メディアも、その仕組みを上手に活用し、より質の高く、コストの低い仕組みを構築していく必要に迫られています。

”分散型Wikipediaめざす”企業、Coinbaseなどから3億円調達

分散型の構造化データ事業を行うダート・プロトコルが先月半ば、Coinbaseの共同出資者など主要ベンチャー投資家から300万ドル(約3億3000万円)を調達したことが明らかになりました。

この調達資金はブロックチェーンを使ったデータプラットフォームの構築に使うとのこと。

出資元は26に及び、有名ベンチャーキャピタルの「Greylock」や「General Catalyst」、さらに仮想通貨関連では「Digital Currency Group」らも出資した。

ダート・プロトコルのCEOであるYin Wuは29歳、スタンフォード大学出身。
連続起業家で、2社目の企業「Double Labs」を2015年にマイクロソフトに売却しています。

ICOのための”分散型ウィキペディア”を目指す

その彼女がめざすのは「トークンベースのウィキペディア的情報プラットフォーム」。

ただ、まったく”ウィキペディアのような知識の集積”というものではありません▼

Dirt Protocolのプラットフォームは仮想通貨の情報レジストリーとして機能し、ICOを行なうチームが情報掲載を行なう場合には、「ステーク」トークンを用いて信頼性を担保する。
また、異議を申し立てる場合にもトークンを用いた投票が必要となる。
同社の最終的なゴールは信頼性の高いICOプロジェクトのリストを作ることだ。
ウィキペディアと同様に、情報の編集も可能だが、ステークホルダーの承認を得ることが必要となる。

多くの方がご存知かと思いますが、「ICOの90%は詐欺」と言われています。

その理由の一つには「信頼性の水増し」。

つまり、ICOのプロジェクトには全く無関係な人物(芸能人などの著名人)の名前を連ねることで、

「プロジェクトそのものはどうであれ、こういう有名な人物がかかわっているのだから大丈夫だろう」

と投資家を信じ込ませ、お金を引き出させているのです。

だからといって「詐欺的な世界だからICOをばっさり切り捨ててしまえ!」というのは非常にもったいないことです。

既存の株式市場を通すのも確かにアリですが、それでは時間や金銭などのコストがかかりすぎ、有望なプロジェクトがつぶれてしまう可能性すらあります。

仮想通貨で第二位の規模を誇るイーサリアムも、もとはICOです。

「詐欺的だからICOそのものをつぶす」ではなく、「詐欺を防ぎ、まっとうなICOを伸ばす」スタンスこそが大事。

その第一歩として、真面目な情報収集が必要です。

「預金システム」を採用したトークンエコノミー

なお、このダート・プロトコルのプロジェクトがいう「トークンエコノミー」で特徴的なのが次の点▼

ウィキペディアのように全ての人が情報提供できるが、書く際にトークンを預け入れないといけない
もしデータが間違っていれば、それを指摘した人がトークンを稼げる仕組みだ
もちろんウィキペディアと異なり分散型で、中央がキューレーションを管理することはなくなる。

インセンティブ設計がフェイクニュースを防ぐ

情報の世界とブロックチェーンの世界が相いれるようには一瞬感じないものですが、、、

人間は基本的に欲があり、エゴを備えている生き物です。

ということは、純粋な善意だけでこの世が動いているわけではなく、悪意をもってフェイクニュースを流す可能性はいくらでもあるわけです(というか、それが現実です)。

そういった状況を見据えた上で、じゃあまっとうに物事を動かし真実を証明していくにはどうしたらいいかを設計したのがブロックチェーンシステムであると言えます

(ただ、最初になされた改ざんについてはどうにもできないという欠点はありますが)

この「メディア×ブロックチェーン」の有用性について、ニュースアプリ”グノシー”のCTOは次のようにコメントしています▼

ブロックチェーンが持つ「インセンティブ設計」の機能を活用すると、他の業界でも新しい世界感を作れるのではないか

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鈴木まゆ子 / 687 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。