「仮想通貨は銀行預金でも有価証券でもないからバレない」って思っていませんか?
そう思いたくなる気持ちも分かります。
銀行など第三者機関を通さずに送金する方法もありますしね。

だからといって「絶対バレない」などとは言えません。
このブームで国税庁が対策を急いでないとは言いきれないのです。

現時点での「バレそうな理由」とは

では、どのあたりがバレるポイントになるのでしょうか?
個人的には「銀行」「取引所」「海外送金」あたりかな、と感じています。

銀行送金でバレる

税務署は銀行口座などを確認できる権限があるため、銀行口座にあるからバレないなんてことはありえません。

まず、利確した場合、中には取引所にお金を保管するのではなく、銀行口座に送金して円として保管することが考えられます。

ここで収入などに対して不相応な送金があり、かつ、確定申告書や年末調整の内容とどうみても合致しない場合、不信感が抱かれやすくなります。

ちなみに、「個人情報保護があるからバレないだろう」と感じる人もいますが、税務調査については例外です↓↓↓

銀行に質問検査できるとしても個人情報保護法で保護されるのではないか、と疑問に思うかもしれません。しかし、個人情報保護法には例外規定があり、税務調査はその例外にあたります。

個人情報の保護に関しては個人情報保護法第16条に規定があるのですが、例外規定が設けられています。同条第3項第4号は、税務調査など「本人の了解を取るとむしろ行政などの事務を阻害することになりかねない場合」の例外規定にあたります。

第十六条 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。
2 個人情報取扱事業者は、合併その他の事由により他の個人情報取扱事業者から事業を承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を得ないで、承継前における当該個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、当該個人情報を取り扱ってはならない。
3 前二項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。
一 法令に基づく場合
二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

後述しますが、この情報開示は銀行だけでなく、取引所や一般企業、そして個人にも当てはまります。
ちなみにこの税務署による情報開示は、税務調査においては「反面調査」に該当します。

■反面調査とは■

端的にいえば「調査対象者と取引関係のある者に対して質問検査を行う」ということになるでしょう。

たとえば、仮想通貨の利確を確定申告しないで隠していたとしましょう。
これが税務当局に疑われた場合、利害関係者(銀行や取引所、P2Pで送金したとみられる第三者など)に質問検査が行きます。

この質問検査は、国税通則法により「正当な理由なく拒否した場合は罰則」となっているので、反面調査をされたらほぼ逃げられないと考えてよいかと思われます。

取引所への情報照会でバレる

仮想通貨の取引所にその顧客の取引情報を提出する義務は今のところありません。しかし改正資金決済法にて、顧客や取引情報の保管義務があります↓↓↓

仮想通貨の売買等に伴い想定されるリスク(情報不足に起因する利用者側の損害、利用者が預託した資産の逸失、利用者情報の流出等)に鑑み、改正資金決済法においては、仮想通貨交換業者に対して以下のような規制がなされています。
日本の税務署は世界的に見ても優秀です。

今はまだ税務当局もどのように今後調査などを進めるべきか業界を調べている段階かもしれません。

今後はシェアリングエコノミーなど新しい経済活動への課税についても検討していく中で、ビットコインなどの仮想通貨についても効率的・効果的税務調査を行う方向になるでしょう。
①:名義貸しの禁止(資金決済法63条の7)
②:情報の安全管理(同法63条の8)
③:委託先に対する指導(同法63条の9)
④:利用者の保護等に関する措置(誤認防止等のための説明・情報提供義務)(同法63条の10)
⑤:利用者財産の管理義務(同法63条の11)
⑥:指定仮想通貨交換業務紛争解決機関との契約締結義務等(同法63条の12)

さらに、取引所についても、銀行と同じく個人情報保護法第16条の例外規定が適用されます。
ゆえに「金融機関ではないから安心」ではなく、むしろ「いつばれてもおかしくない」のです。

さらに、「仮想通貨だからこそ」、ブロックチェーンからその取引内容を詳細に調べることも可能です。

一部の愛好者の持ち物であった時代ならいざしらず、もはやメディアで取り上げられることが当たり前になった仮想通貨。
税務署が目を光らせないわけがないのです。

海外送金でバレる

中には、海外の取引所で取引し、その利確した金額を日本の口座に送金させているケースもあるかもしれません。
逆に、日本の取引所で取引し、海外の口座に送っている場合もあるでしょう。
この場合、一定の条件をクリアすると、銀行には送金情報を税務署に提出する義務が課せられています。

金融機関などを通じて国外へ送金したり、国外からの送金などを受領したりする場合、当該金融機関に対して告知書を提出しますが、それを受けて金融機関が作成し、税務署長に提出する書類を国外送金等調書といいます。
適正な課税の確保のための制度で、調書には送金者、受領者、本人口座番号、取次金融機関、金額、送金目的などが記載されます。

ちなみに、100万円以下の国外への送金、本人口座からの振替による国外送金、国外からの送金等の受領にかかる為替取引などについては、調書の提出が免除されています。ただ、こういうところでバレることもあることは知っておいたほうがいいでしょう。

規制対象は金融機関となっています。今後、仮想通貨取引所が金融機関とみなされるようになったら、これも同じように送金等調書提出が義務付けられるようになります。

今後、仮想通貨の税務で発生しそうなこと

先日1日、仮想通貨に関する所得の計算方法についてPDFを国税庁が開示しました。9月にタックスアンサーで「仮想通貨は雑所得」見解が発表されたのに続き、きわめて素早い対処だと言えます(かつてのFXに比べるとかなりスピーディな気がします)。

これに関し、先日税務業界の専門誌でも話題と見解が取り上げられました。
すべてをご紹介することはできませんが、一部のみ、今後起こり得ることについてカンタンにご紹介します。

申告漏れがひどければ「調書制度」の義務付けがされるかも

申告漏れがひどければ「調書制度」の義務付けがされるかも

年末調整のこの時期、各種法定調書の提出が義務付けられています。
有名なところでは「不動産の使用料等の支払調書」などがあげられますが、他にも「先物取引に関する支払調書」などがあげられます。

過去の一時期、金地金等の譲渡所得の申告漏れが頻発したことがあり、これに伴い、「金地金等の譲渡の対価の支払調書」が規定されたことがありました。

仮想通貨についても所得の申告漏れが頻発すれば、このような法定調書の提出が取引所などで義務付けされるかもしれません。

ちなみに、アメリカでは、仮想通貨の一部の取引について、報告義務が課せられています。

その他、現段階でも、「財産債務調書制度」や「国外財産調書制度」で、その保有財産について申告することが一部の納税者に義務付けられています。
この場合、仮想通貨を12月31日時点の時価で申告しなければなりません。

E-taxが導入される以前から「日本の税務情報網は、すでに制度でかなりの部分が賄えているから電子化なんて今さら要らない」と言われていました。
日本の税務当局の目をかいくぐるのは、仮想通貨であっても困難な時代となってきてます。


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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。