
大学生が仮想通貨投資で大儲けした時の注意点②|自分自身で行う税や保険の手続きとは
昨今大学生が仮想通貨投資に夢中になるケースが増えています。学生が投資やお金を学ぶことはよいことですが、反面、親の扶養から外れる、自分で税金や保険料を納めるなどの手続きが必要になることも。今回は、その手続きや申告などについてざっくりとお伝えします。
稼ぎすぎた学生が行う税金や保険の手続きとは
■前回の内容■
出典:大学生が仮想通貨投資で大儲けした時の注意点①|親の扶養控除から外れたその先のデメリットとは | 仮想通貨まとめ
所得税(+住民税):自分自身で確定申告を
参考リンク
出典:仮想通貨の所得(税金)の計算方法「9項目」に答える具体例|国税庁がQ&A事例公開 | 仮想通貨まとめ
出典:【国税庁Q&A】具体的な仮想通貨の計算方法|押さえておくべきポイント4つ | 仮想通貨まとめ
どういうのを申告しないといけないの?持っているだけで課税?それとも売ったとき?

申告すべきものは次の3つ
ここでまだまだ「???」となりやすいポイントが「何を申告しなくてはいけないか」です。
持っているだけで値上がりしたら課税なのか、それとも、売ったら課税なのか。
モノやサービスを買う時に仮想通貨を使ったらどうなのか。。。など。
課税すべきものは次の3つです。
・売った場合(=日本円に換金したもの。「利益確定(=利確)」と言います)
・仮想通貨でモノやサービスを買った場合
・手持ちの仮想通貨で他の仮想通貨を買った場合
後者2つについては分かりにくいですよね。
これは「一度、手持ちの仮想通貨を日本円に替えてから、モノやサービス、新しい仮想通貨を買った」という風に考えます。
この考え方は、外貨や土地、建物の譲渡の場合にも同じように考えます。
【仮想通貨の確定申告に関するFAQ】
こちらのリンクに国税庁の仮想通貨の確定申告に関するやり方が詳しく書いてあります。ぜひ読んでくださいね↓↓↓
出典:仮想通貨に関する所得の計算方法等について
勤労学生控除で節税を
勤労学生とは、その年の12月31日の現況で、次の三つの要件の全てに当てはまる人です。
(1) 給与所得などの勤労による所得があること
(2) 合計所得金額が65万円以下で、しかも(1)の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
例えば、給与所得だけの人の場合は、給与の収入金額が130万円以下であれば給与所得控除65万円を差し引くと所得金額が65万円以下となります。
(3) 特定の学校の学生、生徒であること
この場合の特定の学校とは、次のいずれかの学校です。
イ 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
ロ 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
ハ 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの
以上のいずれかの学校に当てはまるかどうか分からないときは、通学している学校の窓口で確認してください。
他、仮想通貨の所得税を節税する場合は、所得全般に対応した方法で行うことになります。具体的にはこんなカンジです。
・ふるさと納税
・医療費控除
・社会保険料控除、小規模企業共済など
・生命保険料控除、損害保険料控除など
それぞれのやり方については、用語で検索するといろいろな情報が出てきます。
国税庁のHPを中心に、いろいろ探してみてくださいね。
バイト学生の仮想通貨利益が年20万円以下の場合
今後も仮想通貨で自立して食べていく覚悟があるなら「青色申告承認申請書」を提出しよう

学生さんによっては、「仮想通貨で稼いで食べていこう」という気概のある人もいるかもしれませんね。
そういう人で、かつ、会計ソフトで複式簿記で記帳ができるのならば、青色申告承認申請書を提出するとよいかもしれません。
きちんと複式簿記で帳簿をつけ、必要資料を保存するなら、最高65万円の控除が受けられます。
他、青色申告だと、
・30万円未満の備品等はすぐに償却できる
・損益通算や損失の繰越などができる
で節税をすることができます。
ただし、ここまでになると、絶対避けてはいけないのが「親御さんとの話合い」です。
本来、学生は勉強が本分です。
仮想通貨で本腰を入れてやっていきたいというのなら、必ず親御さんときちんとお話をしてくださいね。
■青色申告の承認申請について(国税庁HPより)■
出典:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|申告所得税関係|国税庁
出典:No.2070 青色申告制度|所得税|国税庁
出典:白色申告と青色申告の違いを分かりやすく! - 個人事業主メモ
国民年金:自己納付のため、年金機構へ

仮想通貨で稼ぎまくっている場合、親が社会保険に加入しているなら、扶養家族には所得や年収に制限があるため、その扶養から外れることになります。
また、同時に、国民年金の加入義務が発生します。
そのため、年金機構に足をはこび、年金納付の手続きを行う必要が出てきます。
ただし、それぞれに事情があるかと思います。
払えない場合にも、年金機構に一度足を運んで相談にいくとよいでしょう。
無言で未納がもっともソンです。
なぜかというと、それが自分がけがや病気をしたとき、そして老後を迎えたときにはねかえってくるからです。
若い学生さんにはまだ「老後」はイメージつきにくいかもしれません。
インフルエンザで高熱が続いて判断力も思考力も体力もすべて落ちて、自分ひとりではどうにも動けなくなった状態を想像してみてください。
あれがずーーーーっと続く状態です。
そうなったとき、年金などの社会インフラは自分を助けてくれますよ。
出典:学生納付特例制度|日本年金機構
出典:保険料を納めることが、経済的に難しいとき|日本年金機構
関連するまとめ

税理士・ライター・心理セラピスト。
仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。
個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。
こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。
ブログ「税理士がつぶやくおカネのカラクリ」(心理記事メインです)https://ameblo.jp/mayusuzu8/
Facebook:「おカネのカラクリ」または「税理士鈴木まゆ子事務所」
Twitter: mayu_suzu8
この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。
2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。
前回、「学生さんが仮想通貨で稼ぎ過ぎると、扶養してくれている親御さんの負担が増えますよ」というようなお話をしました。
今回は、学生さんご自身でどのような処理が必要かをざっくりとお伝えしていきます。