稼ぎすぎた学生が行う税金や保険の手続きとは

前回、「学生さんが仮想通貨で稼ぎ過ぎると、扶養してくれている親御さんの負担が増えますよ」というようなお話をしました。
今回は、学生さんご自身でどのような処理が必要かをざっくりとお伝えしていきます。

■前回の内容■

所得税(+住民税):自分自身で確定申告を

原則「雑所得」、自立して食べていける額なら「事業所得」

原則「雑所得」、自立して食べていける額なら「事業所得」

まず、所得税についてです。
みなさんご存知かとは思いますが、所得税の確定申告を行う必要があります。
原則として雑所得として申告します。
ただ、親御さんからの仕送りがいらない、つまり、自分の稼ぎだけで食べていけるよ、という場合には事業所得として申告するのもOKです。
ただし、事前に青色申告の承認申請書を提出していない場合には白色申告を行うことになります。

参考リンク

どういうのを申告しないといけないの?持っているだけで課税?それとも売ったとき?

申告すべきものは次の3つ

申告すべきものは次の3つ

ここでまだまだ「???」となりやすいポイントが「何を申告しなくてはいけないか」です。
持っているだけで値上がりしたら課税なのか、それとも、売ったら課税なのか。
モノやサービスを買う時に仮想通貨を使ったらどうなのか。。。など。


課税すべきものは次の3つです。


・売った場合(=日本円に換金したもの。「利益確定(=利確)」と言います)
・仮想通貨でモノやサービスを買った場合
・手持ちの仮想通貨で他の仮想通貨を買った場合


後者2つについては分かりにくいですよね。
これは「一度、手持ちの仮想通貨を日本円に替えてから、モノやサービス、新しい仮想通貨を買った」という風に考えます。
この考え方は、外貨や土地、建物の譲渡の場合にも同じように考えます。

【仮想通貨の確定申告に関するFAQ】

こちらのリンクに国税庁の仮想通貨の確定申告に関するやり方が詳しく書いてあります。ぜひ読んでくださいね↓↓↓

経費は書籍代やセミナー代、電話代など

経費は書籍代やセミナー代、電話代など

また、雑所得であっても事業所得であっても、この計算の際の経費とは「仮想通貨で稼ぐにあたり直接必要となった支出」です。具体的には・・・


・書籍代
・セミナー代
・セミナーに通うための交通費
・ネット代や電話代 ※それ以外の物との按分が必要です
・利確や送金などの手数料など


が、これにあたります。

確定申告の本やサイトに詳しく色々と出ているので、そちらを参考にしてみてくださいね。

勤労学生控除で節税を

また、学生さんの場合、勤労学生控除というのがあります。
これは働きながら学校に通う人向けの制度。所得控除で27万円の控除が受けられます。
ただし、学生さん自身の所得額の上限があり、それを超えると受けられません。

 勤労学生とは、その年の12月31日の現況で、次の三つの要件の全てに当てはまる人です。

(1) 給与所得などの勤労による所得があること
(2) 合計所得金額が65万円以下で、しかも(1)の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
 例えば、給与所得だけの人の場合は、給与の収入金額が130万円以下であれば給与所得控除65万円を差し引くと所得金額が65万円以下となります。
(3) 特定の学校の学生、生徒であること
 この場合の特定の学校とは、次のいずれかの学校です。
イ 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
ロ 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
ハ 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの
 以上のいずれかの学校に当てはまるかどうか分からないときは、通学している学校の窓口で確認してください。

他、仮想通貨の所得税を節税する場合は、所得全般に対応した方法で行うことになります。具体的にはこんなカンジです。

・ふるさと納税
・医療費控除
・社会保険料控除、小規模企業共済など
・生命保険料控除、損害保険料控除など


それぞれのやり方については、用語で検索するといろいろな情報が出てきます。
国税庁のHPを中心に、いろいろ探してみてくださいね。

バイト学生の仮想通貨利益が年20万円以下の場合

所得税の確定申告不要、でも住民税の確定申告は必要

所得税の確定申告不要、でも住民税の確定申告は必要

バイトしている先が1つだけで、そこからバイト代(=給与所得)を貰っている人の場合には、仮想通貨の雑所得など、その給与所得以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は要りません。
ただし、住民税では、市区町村などでの確定申告が必要になります。

ここでいう所得とは基本的に「利益」、つまり「収入金額ー必要経費」になります。
ただし、所得の種類によって細かく異なるので、ご注意くださいね。

今後も仮想通貨で自立して食べていく覚悟があるなら「青色申告承認申請書」を提出しよう

学生さんによっては、「仮想通貨で稼いで食べていこう」という気概のある人もいるかもしれませんね。
そういう人で、かつ、会計ソフトで複式簿記で記帳ができるのならば、青色申告承認申請書を提出するとよいかもしれません。

きちんと複式簿記で帳簿をつけ、必要資料を保存するなら、最高65万円の控除が受けられます。
他、青色申告だと、

・30万円未満の備品等はすぐに償却できる
・損益通算や損失の繰越などができる

で節税をすることができます。


ただし、ここまでになると、絶対避けてはいけないのが「親御さんとの話合い」です。
本来、学生は勉強が本分です。
仮想通貨で本腰を入れてやっていきたいというのなら、必ず親御さんときちんとお話をしてくださいね。

■青色申告の承認申請について(国税庁HPより)■

国民年金:自己納付のため、年金機構へ

仮想通貨で稼ぎまくっている場合、親が社会保険に加入しているなら、扶養家族には所得や年収に制限があるため、その扶養から外れることになります。
また、同時に、国民年金の加入義務が発生します。

そのため、年金機構に足をはこび、年金納付の手続きを行う必要が出てきます。

ただし、それぞれに事情があるかと思います。
払えない場合にも、年金機構に一度足を運んで相談にいくとよいでしょう。

無言で未納がもっともソンです。
なぜかというと、それが自分がけがや病気をしたとき、そして老後を迎えたときにはねかえってくるからです。

若い学生さんにはまだ「老後」はイメージつきにくいかもしれません。
インフルエンザで高熱が続いて判断力も思考力も体力もすべて落ちて、自分ひとりではどうにも動けなくなった状態を想像してみてください。
あれがずーーーーっと続く状態です。

そうなったとき、年金などの社会インフラは自分を助けてくれますよ。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。