大学生の仮想通貨投資家を、Twitterやブログなどでよく見かけるようになりました。
中には数百万、数千万円を稼いでいる人もいるようです。

自立して稼ぐ方法を学び、自分で稼ごうとする姿勢はすばらしいものです。
ただし、同時に「学生ならでは」の注意点にも配慮したいところです。

所得税&住民税:親の扶養控除から外れる

扶養控除は年間合計所得が38万円超えると外れる

扶養控除は年間合計所得が38万円超えると外れる

高校生や大学生は親の扶養親族となっていることが一般的です。
生計を一にする親族であるがゆえに、親はその扶養親族(16歳以上)1人につき38万円(19歳以上23歳未満は63万円)の扶養控除が受けられます。

ただし、これも、その扶養親族の年間合計所得が38万円未満の場合(もらっているのが1カ所のバイト先などからの給料だけならば年間収入103万円未満)に限ります。
稼ぎすぎれば当然扶養親族から外れるのです。

■扶養親族の対象となる人の範囲

 扶養親族とは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。

(注)出国とは、納税管理人の届出をしないで国内に住所及び居所を有しないこととなることをいいます。

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。

(2) 納税者と生計を一にしていること。

(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

親の負担が増えるイメージは具体的にはこんなカンジです↓↓↓

例えば、親の年収が500万円で社会保険料が年間65万円くらいで大学生の子どもが1人いるとします。

所得税と住民税を合わせてざっくり約30万円の税金の負担になります。
これが、大学生の子どもの年収が103万円を超えると、扶養控除が使えなくなるので、ざっくり言って約40万円の税金の負担になります。
つまり、アルバイトで年間103万円を超えたら、10万円くらい親の税金が増えると思ってください。

しかも、父親の年収がもっと高ければ、所得税の税率は高くなるので、この金額はもっと増えます。

大学生や高校生が年間合計所得38万円超で稼いじゃった場合、親の負担が増える金額は次のように考えます。

「大学生65万円(高校生38万円)×親に適用される所得税率+大学生45万円(高校生33万円)×住民税所得割率10%」

ざっくり計算ですが、これくらい迷惑かけることをあえてちゃんと伝えましょう。

参考:所得とは

多くの方が迷う所得税法の用語に「収入」と「所得」があります。毎月給料を受け取る会社員の場合、年収が税法上の収入にあたります。すなわち、給与と賞与の合計額のことで、源泉徴収前の金額です。所得は給与所得とよばれ、収入金額から会社員の必要経費とみなされる「給与所得控除額」を差し引いた金額となります。

所得は基本的に「収入金額ー必要経費」として計算します。
給与所得はちょっと特殊で、「年収額ー給与所得控除(いわゆるサラリーマン経費)」が所得の金額となります。

各種所得の細かい計算方法は、所得の種類によって異なります。
気になるようであれば、下記リンクからご自分で見ていってくださいね。

社会保険:親の扶養から外れる

多くの親御さんは、会社の社会保険に加入し、高校生や大学生の子どもを被扶養者としていることと思います。
この場合も、被扶養者である学生が稼ぎすぎると親の社会保険から外れることになります。

基本的に、年間収入が130万円を超えると、親の社会保険の被扶養者の対象外となります。
つまり、病院に行ったとき、親の被扶養者であるがゆえの健康保険証が使えない、自分で国民年金に加入しなければならないということです。

社会保険は「健康保険+厚生年金」で成り立っています。
それぞれの被扶養者となる条件は次の通りです。



■ 健康保険上の被扶養者の条件

1. 同居していても別居していても関係なく被扶養者となる人
・配偶者(内縁関係であっても可)
・子(養子でも可)、孫、弟、妹
・父母や祖父母といった直系尊属(尊属とは、父母と同列か、父母よりも目上の血族をいいます)
被扶養者として認定されるには、2)の条件に加えて「収入」が条件となります。

1. 同居している場合
 年間収入が130万円未満であって、かつ被保険者の年間収入の半分未満の場合は、被扶養者に該当します。この「130万円未満」という金額は、60歳以上であったり、障害厚生年金に該当するほどの障害がある人の場合は「180万円未満」と金額が緩和されます。

 また、仮に被保険者の年間収入の半分よりも収入が多くても、130万円未満で被保険者の収入を上回らない場合は、被扶養者に該当します。

2. 同居していない場合
 年間収入が130万円未満であって、かつ被保険者から受け取っている援助(仕送りなど)の合計額よりも、年間収入が少ない場合は被扶養者に該当します。

■厚生年金上の被扶養者の条件

厚生年金上の被扶養者は、「20歳以上60歳未満の配偶者」に限定されます。年齢での区分に加え、「配偶者」に限られるため注意が必要です。

 収入条件は健康保険と同じものとなります。厚生年金に加入する際は、健康保険に加入しないと厚生年金に加入できませんので、健康保険の収入条件がそのまま厚生年金の収入条件となります。

国民年金:学生免除から外れる

年金保険料の免除も、収入がないOR少ない学生が受けられる特典のひとつです。
ただし、これにもきちんと所得に関する条件があります。

稼ぎすぎている学生は、一人の責任のとれる社会人とみなされ、免除がはずされるのです。

日本国内に住むすべての人は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられていますが、学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。
本人の所得が一定以下(注1)の学生(注2)が対象となります。なお、家族の方の所得の多寡は問いません。
(注1)
本年度の所得基準(申請者本人のみ)
118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。