中国がマイニング用電力を制限|世界で行われる様々なマイニングの試み | 仮想通貨まとめ

ICO禁止、そして仮想通貨取引そのものへの制限を開始した中国。
ついに、マイニングについても、待ったがかかるようになりました。

格安の電気代をベースに仮想通貨市場がにぎわっていた中国。
その中国が仮想通貨を禁止したことにより、韓国や日本では、仮想通貨取引が一層盛んに行われるようになりました。

今回の電力供給制限は、世界にどのような波紋を広げることになるのでしょうか。

中国・四川省の公営電力会社Sichuan Electric Power Corporationが、ビットコイン採掘(マイニング)を行っている企業に対する電力供給を止めたという
報道によると、この電力会社は水力発電によって低廉な電力を提供していたという。
同社は報道に対し、複数のビットコイン採掘業者への電力供給を止めたことは認めたものの、この決定には中国政府によるビットコイン規制などは関与しておらず、国営の電力会社を経由せずに発電所が業者に直接電力を供給することを問題視した結果だとされている。

中国の電気代は日本の8分の1程度。
この電気代は世界でも類をみません。
日本で30円、ドイツで25円、イギリスで20円、アフリカで15円、アメリカで12円。
インドならば最安値で0.1円という地域もありますが、一般的には9円程度です。

中国は、その豊富で低廉な電気量を元に、仮想通貨により莫大な収益を誇ってきましたが、もうそれは過去のこと。

そして一方、「中国仮想通貨禁止」のニュースの前後から、マイニングもできなくなるかもしれないという不安を持った層が、さまざまな試みを行っていた模様です。


参考:マイニングに必要な電力のイメージ

ビットコインによる1回の取引のために、アメリカの住居1軒が1週間電力を供給する量に相当する電力が必要になる。最近の試算では、採掘の作業はエクアドルで必要とされるよりも多くのエネルギーを要求する。

ビットコインレベルになると、2万5千台のマイニングマシンを同時に動かし、かつ、発熱を抑えるべく、同規模の冷却機器も必要になります。
つまり、「個人レベル」をもはや超えています(だからこそ、マイニングによる所得は、基本的に「事業所得」扱いとなります。生計を立てようとするなら片手間では無理なのです)。

個人で生計を立てるレベルでやろうとする場合は、マイニングマシンが火事になる覚悟も必要です。
そのため、GMOやDMMが提供しようとしているマイニングプールの需要が今後より高まってくるものと思われます。

試み1:省エネマイニングの開発にチャレンジ

ビットコインを維持するには非常に多くの電力を必要とする。そこで、かつてBitTorrentを開発したプログラマーのブラム・コーエンは、取引の検証にローカルストレージを使うことで電力消費を抑える新しいシステムの開発に取り組み始めた。
コーエンが立ち上げたばかりの会社Chia Networkを通じてしようとしているのは、プルーフ・オブ・ワーク(取引を検証するためのメカニズム)を用いないタイプの暗号法を世に送り出すことである。この手法がマシンのパワーと計算能力、つまりは電力を多大に消費することを要求していたからだ。
ブロックチェーン(これがすべての取引をまとめる)を検証するために、Chiaはハードディスク上の使われてないアーカイヴ領域(より安価だ)を使用しようとしている。
プルーフ・オブ・ワークの代わりにプルーフ・オブ・スペースとアーカイヴを用いるのだ。
参考:プルーフ・オブ・ワークとは

参考:プルーフ・オブ・ワークとは

プルーフ・オブ・ワークとは、各取引を認証するために算出しなければならないデータまたはそのようなシステムのことです。ビットコインをはじめとするほとんどの暗号通貨では、プルーフ・オブ・ワークを計算する手段としてハッシュ関数が用いられています。
実際の取引の承認作業を説明しましょう。まず、ビットコインの各取引単位(ブロック)には送金額や送信者等の取引情報のほかに、nonceと呼ばれるランダムな変数が含まれなければなりません。ビットコインにおけるプルーフ・オブ・ワークは、一定回数の「0」の連続から始まるハッシュ値(0が一定の回数続けば残りのデータは任意)であり、取引の承認とは、総当たり式にnonceを増加させることによりハッシュ計算からプルーフ・オブ・ワークを求めることです。正しいnonceを見つけること、とも言えます。ハッシュ値から元の値を計算することはできないので、総当たりに計算する必要があるのです。

つまり、正しいものを見つけるために力技で体当たり的に突き進む膨大な計算を行う…という具合です。
この作業がビットコインをはじめとする仮想通貨の安全性を担保しているわけですが、同時に大量の電気代をも犠牲にしているということになります。

ならば、より効率的に計算することで電気代を圧縮できないか?と考えるわけです。

また、「プルーフ・オブ・スペース」ではなく「プルーフ・オブ・ステーク」という手法も注目されています↓↓↓

プルーフ・オブ・ワークの代替案としてもっとも有力なのは、「プルーフ・オブ・ステーク」と呼ばれる方法だ。
プルーフ・オブ・ワークが計算リソースを消費することに対して報酬を出していたのに対し、プルーフ・オブ・ステークを使うブロックチェーンは、参加者のステーク、つまり資産保有量に基づいて承認者を決定する。この方法では、エネルギーを大きく節約できる。

試み2:他人の電気をハッキング

ビットコインを“動かす”ためにエネルギーが必要であることは、マイニング(採掘)の作業を行うために他人のマシンパワーを利用するハッカーの攻撃が存在するという事実が証明している。

非常に残念なハナシですが、他人の電力でマイニングを行う…というケースも相次いでいます。
その手法も様々です。ウィルスによるもの、ブラウザにあえてマイニングスクリプトを仕込んで閲覧者CPUを使うもの、そしてスマホアプリに組み込むもの。。。
中には、サポート詐欺との組み合わせというより悪質なものもあります。

とある有名ブロガーもこういったマイニングスクリプトを短期間、所有サイトに仕込み、後日「マイニングさせてもらいました~」と告白していました。
批判が集まると「そんなけち臭いこと言っているようではダメだね」と言っていましたが…

この「勝手にマイニング」行為は窃盗罪に該当するものと思われます。

↓↓参考リンク↓↓

試み3:クリーンエネルギーの利用

オーストリアの新興企業、ハイドロマイナーが解決策を考えた。
ウェブサイトによると、同社は15日までに初の新規仮想通貨公開(ICO)を完了し280万ドル(約3億1400万円)を調達した。この資金を使って高性能コンピューターを水力発電所に設置するというのが同社のアイデアだ。
これによってより安く、環境への悪影響を抑えて仮想通貨の採掘ができるようになるという。
そこでハイドロマイナーが登場する。同社は既にオーストリアで使われなくなった水力発電所2カ所に仮想通貨サーバーを設置。空調設備は使わず、アルプスの冷たい水をパイプの中に巡らせてコンピューターを冷却している
水力発電はもっともクリーンかつ効率的

水力発電はもっともクリーンかつ効率的

この手法はクリーンかつ効率的だと言えます。
なぜかというと、マイニングは単に電気量が必要というだけでなく、発電によりマシーンが過熱するという問題を抱えているからです。
ソロマイニングをする人の間では「マイニングマシンは冬の間は暖房代わりになるけど、夏になると邪魔で仕方がない」という話が交わされるほど。

冒頭の四川の電力供給も水力発電によるものでした。
水力を使えば、再生可能かつクリーンなだけでなく、発熱したマシーンを同時に冷やすということもでき、一石二鳥です。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 9669 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。