ネパールでは「仮想通貨取引は違法行為」

各国が仮想通貨容認に向かう中、ネパールは禁止の方向へ

各国が仮想通貨容認に向かう中、ネパールは禁止の方向へ

中国の仮想通貨取引解禁、ロシアの独自仮想通貨開発、更には日本も独自のデジタル通貨開発を検討…などなど、世界各国が通貨を「リアル」から「バーチャル」に方向転換し、仮想通貨容認の方向に向かいつつあります。
インドの高額紙幣廃止のニュースもその一端をなすものでしたね。

しかし、ネパールは仮想通貨を禁止、一部取引業者を逮捕するまでの厳格ぶりを示しました。

仮想通貨取引業者7人が逮捕

今週、ネパール国内では違法とされるビットコイン交換事業を行ったとして、7人が逮捕されました。ネパール中央調査局(CIB)によれば、認可なくビットコイン取引を行った疑いがあるとのことです。警察管理部(DSP)副部長のJeevan Kumar Shrestha氏曰く、これほどの規模での仮想通貨取引による逮捕はこれが初めてとのことでした。

This week seven individuals were arrested for running illegal bitcoin exchange operations in Nepal. According to Nepal’s Central Investigation Bureau (CIB), the suspects were trading bitcoins without authorization and the agency’s Deputy Superintendent of Police (DSP), Jeevan Kumar Shrestha says this is one of the first cryptocurrency arrests of this magnitude.

仮想通貨事業者が逮捕されるのはネパール初

仮想通貨事業者が逮捕されるのはネパール初

逮捕された7人は、現在警察に拘留されているとのこと。
実際にどれくらい取引したかはこの後の調査によって明らかになる模様です。

また、この後の裁判で有罪判決が下りた場合には、取引量の3倍の罰金と3年以下の懲役刑が課されるようです。

仮想通貨取引所も閉鎖

ネパールのビットコイン業者・BitsewaのHPは既に閉鎖のお知らせのみ

ネパールのビットコイン業者・BitsewaのHPは既に閉鎖のお知らせのみ

そして、中央銀行の「ビットコイン取引は違法」の通知を受け、ネパールに拠点を置く仮想通貨取引所Bitsewaは7日、閉鎖をそのHPで発表しました。

お知らせ:Bitsewaは閉鎖しました(2017年10月7日)

ネパール中央銀行がネパール国内でのビットコイン取扱禁止の公示を発表したことを受け、我々はBitsewaのビットコイン交換業務を停止することを公的に決定しました。
全ての顧客データにつきましては、すべての法律問題から安全性を確保するため、Bitsewaのサーバーから永久削除しました。


BITSEWA CLOSURE NOTICE
(OCT 7, 2017)

We have officially decided to discontinue Bitsewa Bitcoin Exchange after Nepal Rastra Bank published a public notice banning Bitcoin in Nepal.
All customers data has been permanently deleted from Bitsewa servers to ensure our customers safety from any legal issues.

政府は仮想通貨規制ルールについて検討中|整うまでは「違法」扱い

ネパールの共産党政権はいまだに仮想通貨に対しては前向きではありません。というのも、ネパールの公的機関ではいまだに監査機関ガイドラインについて議論している最中だからです。今月6日、CIB出身の機動部隊により、ビットコイン交換業を営業していた7人を違法行為の疑いで逮捕しました。CIBは、「規制が施行されるまでは、ビットコインや他の仮想通貨の取引を違法とする」というネパール中央銀行の指示に対し、この経営者たちは違反したと説明しています。

The communist government of Nepal is not very friendly towards cryptocurrencies just yet, because Nepalese officials are in the midst of discussing regulatory guidelines. On October 6, 2017, a task-force from the CIB arrested seven suspects allegedly involved with running “bitcoin exchange” operations. The CIB explains that the operators violated the order of the National Bank of Nepal that stated until regulations are conceived bitcoin, and other cryptocurrency exchange businesses are “illegal.”

この夏、Bitcoin.comのニュースは、ネパール政府がビットコインのような仮想通貨に関し、近い将来規制について議論を行うであろう旨を報道しました。ネパールの指導者たちは、仮想通貨についてかなり長い間研究をしている一方、長年にわたってビットコイン事業は違法扱いとなっていました。現在、国内にはネパールのLocalbitcoinのミラーサイトがありますが、バイヤーが2人いるだけで、売り手は一人もいません。

This summer news.Bitcoin.com reported on Nepal’s government talking about regulating virtual currencies like bitcoin in the near future. Nepal’s leaders have been researching virtual currencies for quite some time, and there have been reports of bitcoin operations being deemed “illegal” in Nepal throughout the years. Presently, the country does have a Nepalese Localbitcoins mirror site, but has only two buyers and no individuals selling.

ネパール政府「規制が成立してもユーザーは常に監視する」

ここ最近ネパール金融大臣であるKrishna Bahadur Mahara氏は2017年から2018年の予算演説で、次のように述べています。

「仮想通貨関連の規制が整備されたとしても、我々政府はユーザーを監視するだろう。」

現在、ネパールで営業を試みているビットコイン愛好家と仮想通貨事業者にとっては、この状況は厳しいものとなっています。少なくとも、政府が規制ガイドラインを発表するまでは、この状況は続くでしょう。

Just recently, Krishna Bahadur Mahara the Finance Minister of Nepal had stated during a 2017-2018 budget speech, that if virtual currencies are to be regulated the Nepalese government will monitor users. Currently, the situation for both bitcoin enthusiasts and cryptocurrency businesses trying to operate in Nepal looks grim; at least until the government reveals its regulatory guidelines.

なぜここまで厳しい?背景には共産色、政党同士の対立など「政治の不安定」

「長年にわたって仮想通貨を研究してきたというなら規制草案くらい出てもいいはずだろう」

日本人の中には、そう感じる人もいるかと思います。

しかし、日本と異なる背景がネパールにはあります。

ネパールは王政から共産主義(毛沢東主義)の政治へ、そして連立政権による共和制へ…と変遷を繰り返してきました。
2016年秋に首相が選出されたのもつかの間、今年になってその首相が辞任したというありさまです。
日本も一時期首相がコロコロ入れ替わる時期がありましたが、今まさにネパールはその状況です。

さらに、ネパールはいまだ憲法すらなく、その案すら政党同士の意見の対立でまだまとまらない状況です。

こういった状況で、仮想通貨という新しい波に迅速に対応せよ、というのも無理な状況。
さらに、長年共産主義政権による支配が中心だった国でもあります。中国のように、上手に市場開放を一部行うということも未経験です。

管理統制の行き届かない仮想通貨についてのレギュレーションについても難航するのは無理もないことといえるのではないでしょうか。

新しい国づくりに不可欠な民主憲法の制定作業も難航しています。2008年4月、ネパールで初めての制憲議会選挙が実施され、数年前まで反政府組織だったマオイストが、過半数には及ばなかったものの「第一党」に躍進し、ダハール党首が首相に選出されました。同年5月の第1回議会において、王制が正式に廃止され、「連邦民主共和制」へと移行することが宣言されました。その後、2010年5月28日までの新憲法公布が約束されましたが、ネパールは近代的な法制度整備の経験に乏しいことに加えて、連邦制のあり方などに対する各政党間の意見の相違などにより、起草作業は見込みよりも大幅に遅れています。

まとめ

中国と同じ足取りをたどるか

中国と同じ足取りをたどるか

ネパールは古くから中国とのかかわりの深い国です。
マオイスト(毛沢東主義)政権時代が長かったこともあり、政治や行政の参考にするのはおそらく中国ではないかと思われます。

そして、中国自身、現時点では仮想通貨やICOの禁止を行っています。
同じ文化として考えるならば、ネパールの厳戒態勢もなるほどと思えてきます。


本サイトでも、また他の有識者が伝えているように、仮想通貨をはじめとするバーチャル貨幣の波は防ぎようがありません。
今は厳戒態勢を敷いているネパールですが、規制を敷いたならば、中国と同様、取引解禁となるかと思われます。

そして中国やネパールなど共産主義国にとって目下の課題となるのは

「秘匿性の高い仮想通貨の関係者をいかに割り出し、いかに監視するか」

ということでしょう。

それは犯罪防止とともに、経済を含めた国内のコントロールを脅かさないことにつながるからです。


長期的なスパンで、今後の動向を見ていく必要がありそうです。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。