英国の国際シンクタンクからICOで資金調達開始

中国ICO禁止以来、世界的にICO規制ブームが広がる昨今。
そんな中、英国の国際シンクタンクが10月からICOをスタートする旨を発表しました。

中国や米国などで規制当局によるICOや仮想通貨の締めつけが目立つ中、英国の国際シンクタンク、CCEG(市民権センターエンタープライズおよびガバナンス)が、10月1日からICOを開始する 。
ホワイトペーパーによると、今回のICOは完全に英国の規制の枠組み内で実施され、ブロックチェーンを通して財務価値・非財務価値の両方が初めて記録・取引されることになる。

CCEGとは?

2011年に設立されたCCEGは、「非財務および社会価値の移動」に関する研究で世界をリードするシンクタンクだ。
無形価値の社会への影響を測定し、「財務的な価値を有さない通貨」を促進することで、将来的には通貨と同等の価値に引き上げる意図がある。

そうは言っても、英国はICO投資について厳戒態勢中…

中国ICO禁止を受け、ICO警告を発したばかりの英国

中国ICO禁止を受け、ICO警告を発したばかりの英国

一見明るいニュースなのですが、実はイギリス、先日の中国ICO規制の流れを受けて、投資家に向けてICOについての警告を発したばかりなのです。
つまり、現在のイギリスにおいて、ICOを行うというのはとてもチャレンジングなことなのです。

英金融規制当局の金融行為監督機構(FCA)は12日、仮想通貨を使って資金を調達する「新規仮想通貨公開(ICO)」について、「極めて高リスクの投機的な投資だ」と警告した。ICOが詐欺に悪用されるリスクがあるとして、投資する場合には全損を覚悟するよう投資家に注意を喚起した。
FCAはICOに投資する場合は、投資経験があり企業の事業に確信がある場合に限るべきだとの見解を表明した。多くのICOは金融規制の管理下になく、損失が発生しても投資家保護を受けられないと説明。価格変動が激しく、詐欺の疑いや情報の公開が不適切なおそれがあるとした。

厳戒態勢の中、CCEGが目指すICOとは?

CCEGが目指すICOは100%規制に準拠

CCEGが目指すICOは100%規制に準拠

ICO自由化の波があるならいざしらず、規制強化の中でのICOへの試みはとてもリスキーなはずです。
しかし、そこであえてチャレンジするCCEG。
「規制に100%準拠」と言っていますが、実際、どのようなICOなのでしょうか。

特徴1:イーサリアムベースの独自トークンの発行

ICOにあたり、UNブロックチェーンラボの協力を得て「セラティオ・エンタープライズ・ブロックチェーン・プラットフォーム」を立ち上げた。10月1日から30日まで、イーサリアム・ベースの「セラティオ・トークン(SER)」を発行する。
イーサリアムの強みは「スマートコントラクト」

イーサリアムの強みは「スマートコントラクト」

イーサリアムと他の仮想通貨の違いのひとつとして挙げられるのが「スマートコントラクト」という機能です。
コントラクトとは「契約」の意味。つまり、取引で行われる契約を自動的に保存・実行していきます。
スマートコントラクトを使うと、例えば誰にいつ送金するといった契約内容が自動的に実行されるのです。契約が実行されると、その実行内容はネットワーク上に保存されます。
契約内容や経緯が半永久的に保管されることから、イーサリアムはより信頼性の高い仮想通貨として知られています。

ホワイトペーパーによると、今回のICOは完全に英国の規制の枠組み内で実施され、ブロックチェーンを通して財務価値・非財務価値の両方が初めて記録・取引されることになる。

特徴2:各界の専門家をメンバーに迎えての強力体勢

仮想通貨や法律の専門家を迎え入れての強力なバックアップ

仮想通貨や法律の専門家を迎え入れての強力なバックアップ

ICOそのものが安全だったとしても、規制から外れては元も子もありません。
いくら意気込みがあったとしても、ルールに逸れていればつぶされるのはあっという間です。

今回の場合、英国のICO規制に100%準拠するという姿勢なだけあって、その体勢は万全です。
国際法律事務所や仮想通貨の第一人者、ブロックチェーンのパイオニアなどをメンバーに迎え入れています。

国際法律事務所エヴァーシェッズ・サザーランドが法律顧問を担当するほか、著名ビットコイン投資家のチャンドラー・グオ氏やブロックチェーンのパイオニア、エリック・グー氏をICO顧問に迎え入れている。

監査はブロックチェーン・コンサル企業サンドブロックス・コンサルティング 、規制アドバイスは仮想通貨コンサル企業コインソルト が受け持つ。

特徴3:規制強化中だからこそ誰もが参加しやすく

逆風の中での資金調達のカギは「敷居の低さ」

逆風の中での資金調達のカギは「敷居の低さ」

信頼性の高い仮想通貨、そして強力なバックアップ体制を敷いたとしても、肝心の資金提供者がいなければ意味がありません。
特にICOの場合、「幅広く」集められることに意味があります。

ここで、今回のICOもそこには着目していて、通貨の幅を広げたり、割引制度を設けたりしています。

ICOは個人投資家から機関投資家まで誰でも利用可能だ。前売り特典を予定しており、アーリーアダプター(初期採用者)は10~50% の割引を受けられる
支払いはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH/ETC)、ライトコイン(LTC)のほか、ドルやポンド、ユーロなどの全不換通貨で行う。もちろん、KYC(身元確認)やAML(マネーロンダリング対策)も配慮されている。

特徴4:多種多様な仮想通貨の準備

現在セラティオ・プラットフォームには「女性専用コイン(Women’s ’s Coin ) 」「シティコイン(City Coin)」「フェイスコイン(Faith Coin)」など35種類以上の仮想通貨が委託されており、2018年には「セラティオ・アルトコイン」の発行も計画している。

まとめ:ICOが定着するかどうかはこれから次第

SERはこうしたセラティオ・コミュニティーの、親仮想通貨の役割を果たすと期待されている。長期的な展望からICOや仮想通貨の普及を促進する上で、新たなICOエコシステムの模範となりそうだ。

ICOの長所として、次の3つがあります。

・ベンチャー投資の民主化=幅広く、少額の気軽な投資
・場所を選ばないスピーディな資金調達
・コインの価値と流動性の確保

その一方、投資家に情報が完全に公開されなかったり…と透明性の問題があります。
今回の中国のICO禁止についても、こういった投資家保護の観点から行われたものと言えます。

逆に、今のICOの逆風は、今後のICOの長期化・定着化への一定の試金石と言えるのかもしれません。

CCEGの組織の歴史自体は長く、その組織の目的から、仮想通貨は大きな意味を持つものと言えます。

ICOブームに冷や水をかけられ、一部投資家の熱が冷めた様相もあります。
しかし、現状を乗り越えたICOはより信頼性の高いものだけとなるとも言えます。

ICOを含め仮想通貨は、今、試練のときを迎えていますが、これは見方を変えるならば、今後、投機対象ではなく社会のインフラとして生き残れるかどうかを試されている時期とも言えるでしょう。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。