スイスのアーンスト・アンド・ヤング(EY)が、チューリッヒ・ハルトブリュッケ(中央)駅に近接するオフィスビルにビットコインATMを設置したほか、来年1月以降は監査やアドバイザリーサービスの決済法としてビットコインの受けつけを開始することを明らかにした。従業員へのビットコイン・ウォレット配給なども予定しているそうだ。

ATM設置は「デジタル経済」を肌身で社員に理解してもらうための試み

このATMはチューリッヒにあるEYオフィスビルの1階に設置され、平日の午前7時半~午後5時半まで利用が可能。ATMはBity SAによって運営されており、1日に最大5,000フラン分のビットコインをスマートフォンに移すことができる。EYの社員にはウォレットアプリが提供され、ビットコインが容易に利用できるようになっている。
EYスイスのCEOであるマーセル・スタルダ―氏は「デジタル化について語るだけでなく、社員やクライアントを巻き込んで積極的に推進していきたい。全員が参加し、ブロックチェーンやスマートコントラクト、仮想通貨がもたらすビジネスにおける革命に備えることが非常に重要だと考えている。」と述べている。

「金融大国」の意地をかけて仮想通貨を推し進めるスイス

スイス政府は11月にはいり、FinTech規制の緩和やクラウドファンディング、FinTechライセンスの発行などで、スタートアップを全面的に支援していく意向を発表した。
EYのビットコイン促進プロジェクトは、スイスFinTechを盛りあげる戦略のひとつである。EYは顧客にFinTechサービスの導入を提案すると同時に、実際の促進活動をとおして模範例を示そうと試みている。
EYスイスのマルセル・スタルダーCEOは、スイスFinTechの発展には、従業員と顧客を引きいれた「実践躬行」が最も効果的であると確信している。ブロックチェーンが多様なセクターに革命をもたらそうとしている現在、「スイスの金融大国としての存続をかけて、FinTech分野のパイオニアに成長する必要がある」と、広範囲にわたるデジタル化に精力的に挑戦中だ。
スイスではデジタル化のハブを目指す「digitalswitzerland」というイニシアティブも行われており、EYをはじめ、アクセンチュア、グーグル、UBS、スイスインターナショナルエアラインズ等が参加している。

もとからフィンテック研究に熱心だったスイスEY

EYの挑戦は仮想通貨分野にとどまらず、スイスのデジタル研究機関「デジタル・スイス(Digitalswitzerland)」にも加盟しているほか、ザンクトガレン大学およびチューリッヒ工科大学と提携し、「金融サービスの再設計」を主題にした研究も進めている。
また「EYガレージ・ハブ」を設立し、デジタル・プロトタイプや終端間(エンド・ツー・エンド)商品の開発にも取り組んでいる。

他、スイスの金融機関もフィンテックを後押し

スイスの大手銀行UBSは、2015年4月、ブロックチェーン研究ラボをロンドンに開設しました。
ロンドンに開設した理由は、イギリスそのものも当時、仮想通貨やその基盤技術について関心が非常に高く、その研究に対して後押ししていたからです。

また、スイスの証券取引においてビットコインを利用することが可能になっています↓↓

非金融部門でも仮想通貨促進の波は止まらない

また、それ以外にも、スイスのツーク市では、今年5月にビットコインで公共料金が支払えるようになっています↓↓↓↓↓

今年秋には、鉄道の駅の券売機でビットコインが購入可能にもなりました。
ATM設置するのには時間的・経済的コストがかかりますが、既存の券売機を活用してビットコインを買えるようにすれば、低コストで仮想通貨と触れ合うチャネルを一気に増やすことができます。
無駄のない、実に賢いやり方だといえますね↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

なぜスイスは仮想通貨を促進するのか|プライベートバンキングが破壊される恐れあり

なぜ、スイスはこんなにもフィンテック、特に仮想通貨の後押しに熱心なのでしょうか。
それは、これまで世界から富裕層の資産を預け持ってきたスイスの強みである「プライベートバンキング」が立ち行かなくなってきているからなのです。

他の金融先進国であるアメリカやイギリスはスイスに先駆けてフィンテック導入

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すずきまゆこ / 750 view

すずきまゆこ

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。