2017年度税制改正でタワマン課税の見直し

2017年度税制改正でタワマン課税の見直し

相続税・贈与税の負担が大きい日本。
そんな中、タワーマンションの高層階購入による節税は、資産課税対策として富裕層の間でもてはやされてきました。

タワマン課税とは、タワーマンションのように超高層マンションの最上階などを購入することで資産課税を安くする手法です。
一般に、マンションは高層階ほど高く、低層階ほど安く販売されています。
しかし、固定資産税評価額は階層に関係なく一律に評価されます。
この価格差を利用した節税がタワーマンション節税です。
資金に余裕のある富裕層があえて高層階を購入しても、税法上は低い価格で評価されます。
中には1億円の物件が税法上は3千万円程度になることも。


しかし、中には「行き過ぎた節税」と税務当局にみられるものもありました。
その結果、2017年度税制改正でこのタワマン課税が見直されることになったのです。

政府・与党は平成29年度税制改正で、タワーマンションなどの高層マンションにかかる固定資産税を見直すことが21日わかった。現在は床面積が同じであればどの階層でも同じ税額だが、実際の取引価格を踏まえて高層階ほど税負担を高く、低層階では低くなるよう調整する。
固定資産税評価額の算定根拠となる固定資産評価基準は、総務相が定めて告示する。30年度に固定資産評価基準の改正が予定されており、総務省は有識者会議で節税防止の具体策を検討させている

この税制改正の報道が最初に流れたのは今年10月下旬。
そのときは、価格差がかなり大きくなることを前提とした予測がとびかっていました。

しかし、11月下旬現在の予測では、1階と最上階の価格差は10%程度になる模様。
改正対象も固定資産税のみ、となる模様です。

総務省が検討している高層マンションの固定資産税の見直し案の概要がわかった。現在は何階でも床面積が同じなら税額も同じだが、1階上がるごとに税額が増えるようにして、40階建てのマンションなら最上階は1階より10%程度高くする。
例えば今の制度なら各戸の固定資産税額が年20万円になる40階建てマンションの場合、新たな仕組みを適用すると1階が約19万円。階が上がるごとに額が増え、40階では21万円になる。30階建ての場合は、1階と最上階の差は小さくなる。

今回の税制改正での影響はそれほど大きくはならない模様。
しかし、これはほんの序章にすぎません。
政府与党は次なる一手を既に考えています↓↓↓↓↓↓

国税庁は18年度税制改正で高層階の相続税を重くすることを検討する。

そして実際に、タワーマンション節税が税務調査で否認される事例も出るようになりました。

国税当局が、タワーマンションを使った相続税対策の監視強化に乗り出したことが2015年11月4日、分かった。市場価格に比べ、課税の基となる評価額が低くなりやすいことを利用したもので、国税庁は行きすぎた節税策には追徴課税もあり得るとして注意喚起している。
買った瞬間に大幅な節税になる、
タワーマンションですが、
過去に国税不服審判所や裁判でもめて、
納税者がいずれも負けた事例があります。
亡くなる1ヵ月前にタワーマンションを購入、
相続税評価額を約20%に下げて申告をして、
亡くなった翌年にほぼ買った価格で売却しています。

詳細は省きますが、この事例では明らかに相続税対策として一時的にタワーマンションを購入したものです。
一種の租税回避と判断され、否認される結果となりました。

そして、国税庁は次のような見解を記者発表で示しています↓↓

タワーマンション節税に対する国税庁の見解
「当庁としては,実質的な租税負担の公平の観点から看過しがたい事態がある場合には,これまでも財産評価基本通達6項を活用してきたところですが,今後も,適正な課税の観点から財産評価基本通達6項の運用を行いたいと考えております。」
財産評価基本通達6項
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は,国税庁長官の指示を受けて評価する。

カンタンに言うと

「法律条文があるからといって機械的にOKだなんて言わないよ。実態調査して、明らかに行き過ぎた節税だと分かったらこっちの判断で是認か否認かを決めるからね」

ということです。そしてその判断そのものも法律で規定されています。


「法律に書いてあるからタワマン節税は認められるべきだ」という言い分がもう通用しなくなっているのです。

富裕層にこそ課税を|15年以上かけて張られてきた税包囲網

今回のタワマン課税の見直しは、富裕層の租税回避のほんの一部にしか過ぎません。
これまで15年以上かけて税包囲網が少しずつ張られてきました。
おおまかな内容は次の通りです。



■ 1998年 国外送金等調書制度開始
   これにより国外から及び国外への送金について、その額が100万円以上の場合は、自動的に金融機関から税務当局へ送金情報が伝えらえるようになりました。

■ 2000年税制改正で相続税の納税義務者の範囲改正

武富士事件を受け、被相続人・贈与者または相続人・受贈者のいずれかが相続または贈与開始以前5年以内に日本に住所がある場合は、海外財産についても税金を納めなくてはならなくなりました。

■ 2013年 税務行政執行共助条約

OECD加盟国を中心に、世界的な税の包囲網を構築しようというものです。
これにより、加盟国に日本居住者の財産がある場合、たとえ海外であってもその財産や納税情報などを日本の税務当局が容易に入手することが可能となりました。

■ 2014年 国外財産調書制度開始

 国外に5000万円以上の財産を保有する居住者は、所得税の確定申告期限までに、その詳細を記した国外財産調書を提出しなくてはならなくなりました。

■2015年1月 改正相続税法開始

これにより、基礎控除額が4割ほど圧縮され、相続税を納めなくてはならない人が増えました。また、最高税率も50%から55%に引き上げられました。

■2015年7月 出国税(国外転出時課税制度)開始

有価証券等の時価総額1億円以上を保有する人が海外に住まいを移す場合、その有価証券等を売却したものとみなして、その含み益に所得税を課税するという仕組みが始まりました。

そして今回のタワマン課税の見直しです。
こういった富裕層への税包囲網構築は、今後も続くことは間違いありません。

節税の最終的な目的は?「子や孫にできるだけたくさんの資産を残すため」

ではなぜ、これほど富裕層は節税にこだわるのでしょうか。
もちろん「無駄な税金を払いたくない」というのはあります
(日本という国が税の流れに対する周知にちゃんと取り組んでいないためでもありますが)

ただ、それ以上に大きいのが「子孫に財産を残したい」という気持ちです。
それは、伝統のある家や一大産業を築いた世帯ほどその思いは強いものと言えます。


「55%」という高い税率で税金を払っていったら、2回の相続でほぼ財産が消えてしまいます。


それを避けたいからこそ、専門家に相談して節税対策を細かく検討するのです。

ヨーロッパ富裕層は「税金は払ってもいいんだ、資産は守りたい」

パナマ文書流出以前から知られているように、ヨーロッパは節税・租税回避の先進国です。
ヨーロッパには多くのブルジョワや貴族がたくさんいます。
スイスをはじめとするタックスヘイブンの国や地域に財産を預けるのは必要なことです。


なぜでしょうか。
それは「国を信用していないから」です。

ヨーロッパの歴史を振り返ると、常に戦争が行われ、国境線がしょっちゅう書き換えられるものでした。
いつ国がなくなるかは分かりません。だから国はアテになりません。
そして同時にいつ財産が没収されるか分かりません。
とくに、最近では、第二次世界大戦によるナチスによる財産没収の恐怖が彼らを今でも震わせています。

その痛みが彼らのDNAに染み込んでいるからこそ、経費をはらって財産を隠すのです。

彼らは言います。

「税金を払うことは別にいいんだ。ただ、財産は少しだけでも守りたい。
いつ戦争が起こるか分からない。そうなったときのために財産は残したい。
戦争が起こったら、一度避難し、10年くらい様子を見て、もう一度ビジネスに戻るようにしておきたい」。

これからは単なる「節税」ではなく「資産の保護」を考えるべき

では、日本ではどうでしょうか。
累積債務世界一であり、消費税が仮に30%までなっても財政赤字が解消するかどうかもあやうい国です。
かつ、政府は諸外国や有権者に尻尾をふることしか考えておらず、長期的なスパンがあるとはとても考えにくいです。


そんな今の日本を信用できますか?


しかし、相変わらず平和に慣れきってしまい、将来のことを考えようとしない人は少なくありません。


資産についても同様のことが言えます。
単なる節税対策だけを考えていては、いずれこの国の先行きに巻き込まれ、節税で守れたはずがいつのまにか資産そのものがなくなってしまう結果になりかねません。


それで子や孫の安全を守れたことになりますか?


こういった激動の時代だからこそ、資産というものへの考え方を見直すべきです。

単なる目先の節税だけではなく、資産そのものを守ること。
それに有効なのは、税金は確かにかかるけれども、第三者の介入がないがゆえに、国家存続の危機といういざというときに備えることができる「仮想通貨」という存在です。

長期的なスパンで、資産対策をすべき時期は到来しています。

仮想通貨ニュース、勉強会等、仮想通貨情報はLINE@からお知らせ

仮想通貨まとめ公式LINE@登録方法

パソコンでご覧の方は、
スマホのLINEアプリを開き
QRコードを読み込むか、
ID検索で友だち追加をお願いします。
 
「@coinnews」← @マークを入れて検索してくださいね!

スマホでご覧の方はこちらを直接クリックしてください

LINEをされていない方は、こちらに                 今さら聞けない仮想通貨「最新情報もお届けします」▼より、どうぞ

関連するまとめ

CloudTip(クラウドチップ)仮想通貨でいいね!感謝、応援を投げ銭|TV「ビット…

「ありがとう」「頑張れ」「よかった」気持ちや感謝を伝える時Bitcoinなどで贈るプラットホームがあります。…

仮想通貨まとめ編集部の志水 / 2892 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


ブログ「税理士がつぶやくおカネのカラクリ」(心理記事メインです)https://ameblo.jp/mayusuzu8/
Facebook:「おカネのカラクリ」または「税理士鈴木まゆ子事務所」
Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。