なぜ、今までブロックチェーンの定義がバラバラだったのか

左の図は、パブリックチェーンとブロックチェーンを図式化したものです。

◆パブリックチェーンの定義↓

(パブリックな、元々の)ブロックチェーンというのは、
「インターネットなどの制限を設けないP2P環境において、中央管理者がいなくても、(確率的に)ネットワークの合意が形成できるプロトコルと実装であって、(コイン及び経済的インセンティブを設けることにより)実用的な範囲でこれを実現している」

◆プライベートチェーンの定義↓

プライベートチェーンの定義(特徴)というのは、

「(電子署名、ハッシュポインタ、マークルツリー、ブロック構造などを取り入れることで)、改ざん検出や可用性、低コストという特徴を付与した分散データベースシステム」
ということになります。

つまり・・・↓

つまり、見た目や実装は似ている部分があるものの、目的論でいえば、パブリックチェーンとプライベートチェーンでは、解決しようとしている問題が全く別であり、つまり、「要求仕様」が異なるということになります。
ブロックチェーンの定義といったとき、パブリック、プライベート、どちらの要求仕様にたって言っているのかによって、当然定義や特徴も異なってきます。これが定義などがバラバラである要因であるとともに、用語の統一が難しい背景になっているものと思われます。

ブロックチェーンの定義や特徴については、これまで統一した意見や見解がありませんでした。
なぜなら、ブロックチェーンには、パブリックチェーンとプライベートチェーンの2つの仕様が存在し、どちらの要求仕様にたって言っているのかによって異なっていたからです。
それぞれ違う仕様のものを「ブロックチェーン」という1つの用語で定義するには無理があったと言えるのではないでしょうか。

2016年10月、日本ブロックチェーン協会がブロックチェーンの定義を公開

昨今、ブロックチェーン技術の認知の広がりに伴い、「ブロックチェーン」という用語をはじめ、関連の技術要素を含め、表現や用法が定まらない状況があることから、日本ブロックチェーン協会(以下JBA)ブロックチェーン部門において「ブロックチェーンの定義」について議論を重ねてきました。

この度、用語の誤用をなくし、会話/議論の円滑化を図るため、JBAとして「ブロックチェーンの定義」を提示いたします。

定義のポイントとは

◆ブロックチェーンの定義としては↓

1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
サトシ・ナカモト論文において何が画期的だったのかという原点に戻り、不特定多数のノードが参加するインターネットのような状況のなかでも、コンセンサスを取ることができるプロトコルを、ブロックチェーンだというように捉えています。

◆プライベートチェーンの定義としては↓

2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
プライベートチェーンでは、パブリックのブロックチェーンで採用されている技術を取り込みながらも、必ずしも不特定多数のノードによる合意形成を目的とせず、むしろ、可用性や、改ざん検出、コストメリットなどのオペレーション上のメリットを目的としている場合が多いです。そのために、合意アルゴリズムを置換したり、管理者を導入したり。

プライベートチェーンの定義は、まだまだ話がかみ合わなくなる可能性がある内容ですが、パブリックチェーン技術を取り込んだものは、ブロックチェーンの仲間に入れてあげましょう!という内容になっていることが分かります。
広義でブロックチェーンについては、一定の基準が示されたと言えるのではないでしょうか。
この定義は、2016年10月時点での定義であって、今後もアップデートされるとのことですから、まだまだ完璧な定義でないことが分かります。

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ねもとあい

不動産業界で10年実務経験がある、宅地建物取引士です。

ライターとしても活動しています。