存在そのものが「闇」のダークウェブが暗躍している

存在そのものが「闇」のダークウェブが暗躍している

日本で時々「闇サイト」の存在がこれまでネットやその他メディアで騒がれ、時に事件になることがありました。
しかし、それは、まだインターネット技術が今ほど進んでいない頃の話。
そして、検索しようとすれば探し出すこともできましたし、関与者も、その送金記録から割り出すことも可能でした。

しかし、ビットコインを含めた仮想通貨の登場により、こういった犯罪はこれまで以上に分かりにくく、かつ巧妙になってきています。

無数のダークウェブの存在、そして悪用される仮想通貨

今、ビットコインや秘匿性の高い通信技術を使った犯罪が横行しています。
2~3年前、一時、そういった闇サイトが検挙されたこともあったのですが、所詮いたちごっこ。次から次へと闇取引のサイトは発生し、後を絶ちません。

ブロックチェーン分析チームであるSkryと情報セキュリティファームのTerbium Labsが共同で新しい調査結果を発表した。これによれば、無数のURLが非合法なビットコインコマースの有名サイトであることが発覚したとのことだ。
3つの著名なダークマーケット

3つの著名なダークマーケット

特に有名なWEBの闇市は「Dream Market」「AlphaBay Market」「The Majestic Garden」なのだとか。

こういった闇サイトを割り出すために、調査チームは決済方法や法的措置などの面でビットコイン企業の中身とよく似ているシステムを実装しました。そしてブロックチェーンや分散台帳技術を基盤とした製品を使っての詐欺行為や犯罪行為を突き止めたのです。


いずれもTorという秘匿サービスを利用し、通常のウェブサイトなどからは探したり入ったりできないようになっています。

「Tor」とは

Torとは通信接続を隠すソフトウェア技術のことです。

Torを使用すれば、通信は複数のサーバー(中継ノード)を経由するため、アクセス先に残るのは最後に経由した中継ノードのアドレスだけであり、元のアドレスをたどることはほぼ不可能となる。
中継ノードはボランティアで運営され、世界中に数千台存在する。Torクライアントは最初の中継ノードと暗号化した通信を行い、その中継ノードは別の中継ノードとさらに暗号化した通信を行い、次の中継ノードはまた……と、暗号化が多層化している様がタマネギのよう
各中継ノードが知ることができるのは自分が直接通信した相手のアドレスだけであり、その先を辿ることはできない。また、中継ノードはランダムに選択され、さらに一定時間ごとに経路が変更されるため、もし通信を記録するような悪意ある中継ノードが多少紛れ込んでいたとしても、匿名性が破られることはまずあり得ない。

ダークウェブでの取引を成立させているのがビットコイン

11,000のダークWEBサイトのURLから、22,000のパブリックキーが特定された。そしてそのうちには、798の特殊なビットコインパブリックキーが含まれていたのである。
ダークウェブでは捜査の手が及ばないように売り手・買い手の匿名性が徹底されており、取引は現金ではなく仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」が使われています。さらに、「Cryptomarkets」というダークウェブ専用の取引市場が違法薬物取引の仲介をしているとのこと。

ビットコインを含めた仮想通貨は、銀行などの第三者を仲介しないため、各国の警察や税務当局などには分かりにくいのが特徴です。P2Pや国境を越えた取引にはとても便利ですが、その便利さゆえに、犯罪に悪用されるようになってしまいました。

「ダークウェブ」「ダークマーケット」は犯罪の温床となる非合法取引サイト

「ダークウェブ」「ダークマーケット」はいずれもGoogleやYahooのような一般の検索サイトを使って入ることのできないインターネット上の闇市場です。Torという接続経路を隠すソフトウェアを使った場合のみ、入ることができます。

ここでは基本的に、麻薬取引や武器の密売、違法ポルノ、流出した個人情報の売買など、違法行為が行われています。

そして、その取引の際に使われるのが、ビットコインを含めた仮想通貨なのです。

このようなダークウェブでは違法な取引が行われており、中でも麻薬や覚醒剤などの違法薬物の取引が盛んに行われています。ダークウェブでの薬物取引の隆盛には確固たる理由があり、リアル世界の薬物密売組織にも大きな影響を与える可能性も指摘されています。
ダークウェブにおける違法薬物の取引市場は近年、急速に成長を遂げています。2012年には1500万ドルから1700万ドル(約16億円から18億円)だった市場規模は、2015年には1億5000万ドルから1億8000万ドル(約160億円から190億円)とわずか3年で10倍にまで拡大。アメリカの薬物取引市場のダークウェブが占める割合は2014年に8%だったのが2016年には16%にまで成長していることが調査で分かっています。
特に多いのが違法薬物取引

特に多いのが違法薬物取引

これは、ダークウェブにおける主要な違法薬物取引場所のシルクロード2.0、Evolution、Agoraにおける、2013年12月から2015年7月までの期間の取引規模を示す図です。

偽札や偽のクレジットカード、ハッキングの請負などの非薬物取引が80万ドル(約8500万円)なのに対し、違法薬物の取引は2700万ドル(約29億円)。

圧倒的にドラッグや麻薬の取引が多いのです。

2014年、世界中でダークウェブが一気に検挙された

欧州と米国が協力して闇取引を一斉検挙

欧州と米国が協力して闇取引を一斉検挙

2014年、通信経路の匿名化ネットワーク「Tor(トーア)」と、「ビットコイン」などの仮想通貨を使った400サイト以上の「ダークウェブ」が一斉摘発されました。
17人の運営者を逮捕、100万ドル相当のビットコインと18万ユーロの現金を押収したとのことです。

その中でも、特に注目されていたのが「Silk Road」の検挙でした↓↓↓

Silk Roadは「闇のeBay」

Silk Roadは「闇のeBay」

Silk Roadもよく知られたダークウェブの一つです。薬物やコンピューターウィルスなどが取引されています。見た目は普通ですが、売られているものは危険なものばかりです。

Torやビットコインのパブリックキーを巧みに使い、バレないように注意を払って運営していました。

しかし、そのTorを逆手にとった各国当局の捜査により、検挙されてしまいます。

このような厳戒態勢の違法薬物市場ですが、Cryptomarketsの寿命はそれほど長くは続きません。初期のダークウェブを彩った元祖・Cryptomarketsの「シルクロード」は、管理者のロス・ウルブリヒトがFBIによって摘発されて創設3年で閉鎖されました。

これは2013年、初期のダークウェブ「Silk Road」の摘発でした。しかし、ダークウェブの需要が高いためか、次は「Silk Road2.0」というダークウェブが立ち上がります。

けれど、これも2014年には摘発されるのでした。

ダークウェブはより巧みになってきている

一時期摘発されたものの、それでもダークウェブやダークマーケットが終焉することはありません。否、より増長し、より摘発しにくくなっています。
なぜなら、「Coinjoin」「Mimble Wimble」といった秘匿性を高める技術が開発されて、それを用いた新たな闇取引のシステムが開発されていること、そして今やビットコインだけでなく他の仮想通貨もダークウェブで用いられてるようになったからです。

ビットコインを資金洗浄する「ダークウォレット」の登場

Dark Wallet - YouTube

出典:YouTube

先日、自らを「unSystem」と称する政治的過激派コーダー集団が「ダークウォレット」(Dark Wallet)の最初のヴァージョンを発表した。これは、ビットコインが提供している本来の姿よりはるかに強固なプライヴァシー保護を可能にするビットコイン用アプリケーションだ。
提示されているサーヴィス通りにプログラムが動けば、所有権とユーザーの素性をリンクさせるというビットコインの見解は白紙に戻されることになる。ユーザーの支払い状況を暗号化し互いに織り交ぜることで、ダークウォレットはオンラインでの金銭の流れを追跡不可能にし、ウェブ上に蔓延する闇市場を更に繁殖させるわけだ。

ビットコインは、銀行取引よりマシではあるものの、闇取引をする人たちにしてみれば、あまり都合のいいものではありません。
なぜなら、分散台帳型システムに取引記録が残ってしまうからです。

ビットコインがそれほどメジャーでない時代には、「銀行を仲介した資金洗浄より安全」に見えたものの、もはや世界各国でビットコインの存在を知らない当局はありません。むしろ、犯罪の追跡をされることにつながるため、闇の取引をしたい人たちにとっては都合がわるいのです。

ダークウォレットの核は、取引をガラガラポンする「Coinjoin」

Dark Wallet Alpha - YouTube

出典:YouTube

ダークウォレットは、そのようなプライヴァシーや信頼問題を回避することを可能にする。その中心となるツールは「コインジョイン」(CoinJoin)とよばれる技術で、ユーザーがビットコインを使用するたびに、その取引はランダムで選ばれた同時期に支払いをする他のユーザーの取引と「混ぜられる」のだ。

Mimble Wimbleもこれと同じような技術です。いずれについても、「痕跡が第三者に分かりにくいように」するために開発されました。

ビットコインよりも秘匿性の高い仮想通貨の登場

ロンドンのキングスカレッジの戦争学科の2人の教授の最近のレポートによれば、いったん使えばその痕跡が残るにも関わらず、今でもダークウェブではビットコインはもっともポピュラーな仮想通貨だとある。

しかし、今日発表された研究によれば、他の仮想通貨もダークウェブでますます使われるようになってきている。この仮想通貨には、Moneroのような秘匿性の高さが特徴的なものも含まれている。

ビットコインがなおも使われるのは、もっとも手に入りやすい仮想通貨であることと、銀行や現金よりは足がつきにくい、という点にあるからでしょう。
そして、同時に、次々と仮想通貨が開発されていきます。その中には、秘匿性の高いものも。
「犯罪の痕跡を残さないためには、あらゆる手段を使う」____これは今も昔も変わりません。

ビットコインやブロックチェーンに限らず、優れた技術や知恵は、通常、世の中をよりよくするため、より便利にするために使われることが多いです。

が、それだけではないのも世の常。
あらゆる技術や知恵は、時に犯罪やテロのために利用されることも少なくありません。

なぜなら、技術や知恵はただの「道具」に過ぎず、それをよく使うか悪く使うかは、その使う人自身の「良心」にかかっているからです。


便利さや有用性に着目することも大事ですが、それをいかに使うか、どう使ったら人々がより幸福になるかを常に考えていく必要があるのではないでしょうか。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

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こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。